マインドファイターズ

2キセイセ

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探索編(四章)

163.いざ四番隊へ②

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馬車は任務を任された我らを連れて走り出した。
いざ、四番隊へ。

しばらく、馬車の中でガタンゴトンと揺れていると、アルスが突然頭を抱え始めた。「うぁぁ…」と悶絶するアルスをレイが心配していた。

「アルス…どうした?」

「いやつまんない事なんですけど…。ナットが羨ましくて…。」

「?」

マーベインはその話を盗み聞きしていた、何故彼がナットを羨ましがっているのか、分からなかった。そして理解するためにアルスをじっと眺めた。

「いや…だってナット…。言っちゃえばハーレムみたいなもんじゃないすか」

「!!」

ナットの班には女性陣が固まっているじゃないかと、レイは気がついた。それと同時に、浮かれてやがるナットの様子が脳裏に刻まれる。

「最適なメンバーだったんだ!恨みごとはなしにしてくれ!」

「わかっていますよ…。でもなんか…なんかねぇ」

言葉の表現に困り、少しもじもじとして悩んでいるアルスの肩をそっと叩き、マーベインはこう言った。

「気持ちは分からんでもない。」

「マベさんも理解してくれますか!?」

「ああ…。所で、"マベさん"というのは俺か?」

「はい、なんかあだ名で呼んじゃまずかったっすか?」

「いや、別に構わない。が、四番隊と居る時はしっかりと敬語を使ってくれよ。目立たせたくないんだ。」

「分かりました!」

と、アルスとマーベインがまさか意気投合するなんて、レイは夢にも思わなかったであろう。つい最近、熾烈な戦闘を繰り広げた2人が、立場を変れば仲良くなっているのは面白いと感じていた。

「レイさん。あんたは部下に恵まれてるな。」

「ああ…お前達含めてな。」

眺めていたレイに対して、マーベインは声をかけた。
大人から見て、純粋無垢な青年は可愛いものであった。

一方その頃…ナットはというと。

「へぇー、スノちゃんも同類なの?」

ラーラはスノの胸あたりをスーッと撫で下ろすように見つめながらそう言った。

「あー、これのこと?あんな脂肪の塊は兵士に必要ありません。生まれた時に削ぎ下ろしてきました。」

「またまたー、本当はどうなのよ?」

…こういう時、俺、ナットという一人の男はどんな反応をすればいいのか分からない。
コルは笑ってその様子を見つめていた。ラーラはそれを見て彼女に突然嫉妬した。スノは至って普通に平然としていた。

俺は必要なのか?会話に入っていい雰囲気なのか…。
内なる俺よ…こんな時…どうすればいいんだ!
『笑えばいいと思うよ』
突然、ナットの中に語りかけてきたもう1人の自分の声!

そうか、そうだな!笑顔って…自分も人も幸せになる魔法だもんな!

ニコッと俺は全力で笑ってみた。

「ええっ…聞いて笑顔になったんですか…。」

スノはドン引いた。世の中とは本当に理不尽だ。
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