マインドファイターズ

2キセイセ

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追求編(四章)

160..一人の兵士

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決別されたんだ。信頼されていなかったんだ。
いや違う、決別してくれた、任せなかったんだ。

最後にザーダに会ってから1ヶ月、彼がどう思って、彼の正義に俺を付き合わせてくれなかったのか、今でもふいと考える。

思い返せば、いつだって気分が悪くなった。あるはずのない頭痛があるように感じ、すぐに耳鳴りが始まる。









"ザーダは死んだ" 

その報告が、今でも当時と同じようなほどの衝撃で、頭の中を走り回っている。

「クッソ!!俺が…とめれられなかったからだ!!くそっ!クッソォォォ!!」

あの報告が届いた日、仕事が終わり寮に帰って、レイは泣きわめいた。うなだれ、床が壊れるほど叩いた。何分も何分も、いくら泣いたところで、彼に届くはずがないのに。

「レイ…さん。」

「あぁ…。本当にごめん、もう遅いよな。」

「レイさん!」

マーベインは一封の手紙を掴んで、レイに渡そうとした、しかし集中していたので声が聞こえず、2回言ったのだ。

「これ…ザーダさんの遺言です。」

そう言って、彼はそれをレイに渡した。
レイは困惑した表情を見せたあと、丁寧に丁寧に、今にも消えてしまいそうなザーダの心を撫でると同じように、封を開けた。

そして、手紙の拝啓から一言一句をゆっくりと読み始めた。

『拝啓。俺の親友へ。
四番隊の隊長というのは忙しいか?ちゃんと健康に過ごせてるか?この手紙は誰にも見せないつもりなんだ、自分の肌身に欠かさず持っている手紙だ、だから見られるとしたら…。死んだ後かもな。なんちゃってー。

さて、本題だが、俺が何らかの事情で政府の調査が不可能となった場合は…どこかの議員に言いに行くか…。ってぐらいの認識でいいんだ。』

そして、ある一定の行を境に、急激に字が汚くなり、筆跡も荒れに荒れていた。そこにはこう書かれていたのだ。

『それでももし、議員を通した解決が無理だった場合…は…もうこの事件を諦めるか、お前が解決させてくれそして…寮の近くに俺の調べた物がほとんどある。そこ行け、じゃあな。また話せるといいな。確実に言える…政府は黒だから。』

あいつは最後まで愚直な野郎だった。どうやってもこの事件は政府が解決できる問題ではなかった、むしろ政府が敵であった。

「はぁ…。」

そこから何ヶ月、レイは突然、四番隊の隊長を辞めた。
繰り上がりと推薦で、マーベインと、スノがそれぞれ、隊長、副隊長という立ち位置になったのだ。

「…俺が、あいつの行動は無駄にさせない。」

レイはその後、「心物の溜まり場」という名前で依頼屋を始めた。
だが…本来は昔の事件を解決したいだけの組織であったのだ。

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