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追求編(四章)
157.二人の兵士⑤
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「…はぁ?」
彼の言っている、『支援が行き届いていない』ということにレイは理解を示せなかった。唖然とした表情を浮かべ、そのまま止まった。
レイはその事について、深く思考をめぐらせて考えながら、馬に乗り帰る準備をした。
二人は村に向かって一礼し、そのまま帰った。
そのまま城へ、二人は話しながら一直線に馬が走った。
「いや…そんな訳が無い。国が人を見捨てると思うか?」
「思わないから今俺が驚いてるんだろうが!」
「考えすぎだろ?」
「そうだといいけど…。」
この頃から、ザーダは政府に不信感を抱き始めていた。だから、彼は何か行動を起こそうとした。
対してレイは不信感は抱いたものの、何かをしようとはしなかった。
そこから1年が経過し、レイは四番隊の中で、隊長副隊長とは言えないものの、物事を進める中心人物という立ち位置になっていた。
今日の仕事が終われば、レイとザーダは同じ寮に入って、就寝の準備をしていた。レイがベッドに入ったことを確認したザーダは、今日も今日で政府を調べていた。
ザーダが集中して、資料に目を通していると後ろからレイに声をかけられた。
「まだ調べてるのか…?まだあの村のことが」
「違ぇ。あれはきっかけに過ぎなかった。おかしい…。」
「何が?」
「この国…。50年の歴史の中で…1度も王が変更されたことがない。毎回、王が変わりそうになれば、ディラノス王の代わりとなる王が事故死や、犯罪に巻き込まれたりするんだ。」
「50年しか歴史がないのか。"よくこんな建造物があるな"。…それも関係あるか?」
「知らない。だが…。王に不都合がある人はことごとく消されている。」
必死な様子のザーダを見て、レイは少し馬鹿にしたように笑ってしまった。その後、こう言った
「たまたまだろ。そもそも、兵士なら国の味方をしろ。」
「うるせぇな。俺は国じゃなくて正義の味方なんだよ。」
「なんだよ、国が正義じゃないって言うのか!」
レイはそう怒号を飛び散らした、そしたらザーダがため息をこぼし、呆れたようにレイへとこう言った。
「そうだよ。…染まっちまったんだな。国の色に。」
「なんとでも言え。俺はこの国の兵士だ。」
その台詞を吐き捨てたレイは、ベッドに戻り睡眠を取った。
その後もザーダは調査を続けた。彼が眠気に襲われたころ、さっきから今まで眼中に入れなかったレイが、眉間に皺を寄せて寝ていた。
それを見た時、ザーダは頭に手をかざし下を向いてこう呟いた。
「…言いすぎたな」
彼の言っている、『支援が行き届いていない』ということにレイは理解を示せなかった。唖然とした表情を浮かべ、そのまま止まった。
レイはその事について、深く思考をめぐらせて考えながら、馬に乗り帰る準備をした。
二人は村に向かって一礼し、そのまま帰った。
そのまま城へ、二人は話しながら一直線に馬が走った。
「いや…そんな訳が無い。国が人を見捨てると思うか?」
「思わないから今俺が驚いてるんだろうが!」
「考えすぎだろ?」
「そうだといいけど…。」
この頃から、ザーダは政府に不信感を抱き始めていた。だから、彼は何か行動を起こそうとした。
対してレイは不信感は抱いたものの、何かをしようとはしなかった。
そこから1年が経過し、レイは四番隊の中で、隊長副隊長とは言えないものの、物事を進める中心人物という立ち位置になっていた。
今日の仕事が終われば、レイとザーダは同じ寮に入って、就寝の準備をしていた。レイがベッドに入ったことを確認したザーダは、今日も今日で政府を調べていた。
ザーダが集中して、資料に目を通していると後ろからレイに声をかけられた。
「まだ調べてるのか…?まだあの村のことが」
「違ぇ。あれはきっかけに過ぎなかった。おかしい…。」
「何が?」
「この国…。50年の歴史の中で…1度も王が変更されたことがない。毎回、王が変わりそうになれば、ディラノス王の代わりとなる王が事故死や、犯罪に巻き込まれたりするんだ。」
「50年しか歴史がないのか。"よくこんな建造物があるな"。…それも関係あるか?」
「知らない。だが…。王に不都合がある人はことごとく消されている。」
必死な様子のザーダを見て、レイは少し馬鹿にしたように笑ってしまった。その後、こう言った
「たまたまだろ。そもそも、兵士なら国の味方をしろ。」
「うるせぇな。俺は国じゃなくて正義の味方なんだよ。」
「なんだよ、国が正義じゃないって言うのか!」
レイはそう怒号を飛び散らした、そしたらザーダがため息をこぼし、呆れたようにレイへとこう言った。
「そうだよ。…染まっちまったんだな。国の色に。」
「なんとでも言え。俺はこの国の兵士だ。」
その台詞を吐き捨てたレイは、ベッドに戻り睡眠を取った。
その後もザーダは調査を続けた。彼が眠気に襲われたころ、さっきから今まで眼中に入れなかったレイが、眉間に皺を寄せて寝ていた。
それを見た時、ザーダは頭に手をかざし下を向いてこう呟いた。
「…言いすぎたな」
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