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2キセイセ

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追求編(四章)

154.二人の兵士②

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「二人がさー、兵士になろうって思った理由ってなんだ?」

訓練終了後、雲ひとつ無い晴天の中、ザーダはレイと一緒に期待の兵士達に声をかけて酒場へ連れていった。
そして、それぞれ量が違う、肉料理を頼んだあと、ザーダはそう2人に聞いた。

「かなり昔の話なんですが…豪雨の日にスノが迷子になってしまった時に五十代前半の兵士の方が俺の元まで送り届けてくれたんですよ。」

マーベインによれば、そこから雨宿りとして、その兵士に教会まで連れて行ってもらい、そこで暖かいスープをご馳走してもらったらしい。

「俺が「どうしてそこまで?」と聞けば、その兵士は

「皆はなぁ、お金を貰うために兵士をやっている。だが俺は違う、兵士をやっているからお金を貰ってんだ。だからこれは兵士としての当たり前さ。」

と返してくれたんです。兵士という人を守る職業の温かさに近づきたいと思ったんです。」

照れくさそうに、マーベインは自分の夢を語った。
彼の奥底にあるものが見えたとするならば、夢を追う少年だろうか。

少し間を置いたあと、レイが話を展開し始めた。

「ちなみに…スノの方は?」

「私ですか?…私は、マーベインの後ろついていってるだけですね…。」

「そうか、いつか自分のやりたい事を見つけられるといいな。」

「…はい」

それから、しばらく雑談でもしながら出された肉料理を食べ始めた。ザーダはがっつくように食べて、レイは綺麗に食べようとしていた。
マーベインは、口で全てを飲み込むブラックホールのように大きく開き、1口でかなりの量を食べた。

スノはちまちまと、肉を百分の一すらない程小さく切り、それをおちょぼ口で食べていた。

「食った食ったー!!仕事に支障出るかもなー。」

ザーダは自分の膨れた腹を撫でながら、笑顔で冗談を言った。
レイも小さく笑っていた。
彼らが立ち、会計を済ませようとした時だった。

「……嘘じゃねぇって!本当に廃人みたいになったんだよ!!」

と、隣の席から怒号のような声が聞こえた。
その会話を盗み聞きしていたザーダは、レイにひとつ聞いてみた。

「廃人になる?レイ、そんな事件あったか?」

「いや、ない。」

「ちょ、聞いてくるわ!」

「おいっ!ちょっ!」

レイは止めようとしたが、彼の行動は早く、もう既に声の主の所まで接近していた。そして、肩を触り声をかけた

「すみません、兵士をやっているものです。廃人になる…とは?」

「動かないんすよ!考えている様子もないし、食事をしようともしない、寝ることすら忘れているような様子になるんですよ! 」



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