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逃走編(三章)
128.生きる日々②
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翌朝、アルスは早くに起きて服を買いに行っていた。
さすがに囚人服で過ごすのは大変だと、考えていた。
「これと…この服、買います」
「はいよ、若いのにセンスがええわねぇ。お母さんに買うのかい?」
支払いを終えたアルスが買った服は、緑色の婦人服と茶色の普通の服であった。目の前にいた初老の女性はアルスを眺めながらそう言った。
「あっ…はい」
「でもね…若いもんが1人で遠出とか怖いわよね…。最近事件も多いし、つい昨日だって近くの牢獄から脱獄者が出たって噂だわよ。」
「こ、怖いっすね」
「気おつけてまた来てね。」
「…う、うす!」
脱獄者…俺のことだ。
それに気がついたアルスはそこから逃げるように、その店を出ていった。そしてコル達の元に向かい、服を見せた。
「あーー、いいね、いい感じに似合ってるわ。さすがだぜアルス。」
「…なんか気品があっていいね。」
と、2人は結構褒めてくれた。ちょっとアルスも頬を赤らめていたような気がした。そして、3人はそれを着て街へと歩いた。
何分か、街をぶらぶらと歩いていると新聞を配っている人がいた。ナットはそれを見つけて、バッと高速でそこに行き、一瞬にして新聞を貰い戻ってきた。
「はーい。先にオカルトだけ見させてー。」
「なんか枚数多くね?」
「なんでだろうね?」
3人はそれぞれ興味のある分野の新聞を取り、アルスが前働いた宿屋の元に押しかけることにした。手に取った新聞を読みながら、3人はそこへ向かった。
アルスが手に取った新聞はこう書かれてあった。
『マーベイン、またもや事件を解決…が。
昨日、4番隊の隊長であり、この国で知らない人はいない国民の支柱。マーベインが立てこもり事件を解決。しかし…その後、ディーユ牢獄に警備した。しかし脱獄を許してしまう。マーベイン1人に全てを任せてしまうのは如何なものなのか…。』
コルが手に取った新聞では起きている事件がまとめられていた。
『毒殺事件…。またもや
昨日、またもや毒殺事件が起こった。最近はそこら辺に劇薬がご自由にどうぞと言わんばかりに落ちている…。誰かが集団で置いているのかもしれない…』
ちなみに、ナットが手に取ったオカルト系の新聞はただただ、幽霊が出ると噂のスポットが紹介されていた。
そして、一通り新聞を読みえればもうすぐ目的地に到着する。
アルスは着いた直後に、ノックを何回かした。そして、出てきた主人に「もっかい働かせてください!」と意気込んで言った。
昨日も事もあり、主人は何も言わずに了承してくれた。
さすがに囚人服で過ごすのは大変だと、考えていた。
「これと…この服、買います」
「はいよ、若いのにセンスがええわねぇ。お母さんに買うのかい?」
支払いを終えたアルスが買った服は、緑色の婦人服と茶色の普通の服であった。目の前にいた初老の女性はアルスを眺めながらそう言った。
「あっ…はい」
「でもね…若いもんが1人で遠出とか怖いわよね…。最近事件も多いし、つい昨日だって近くの牢獄から脱獄者が出たって噂だわよ。」
「こ、怖いっすね」
「気おつけてまた来てね。」
「…う、うす!」
脱獄者…俺のことだ。
それに気がついたアルスはそこから逃げるように、その店を出ていった。そしてコル達の元に向かい、服を見せた。
「あーー、いいね、いい感じに似合ってるわ。さすがだぜアルス。」
「…なんか気品があっていいね。」
と、2人は結構褒めてくれた。ちょっとアルスも頬を赤らめていたような気がした。そして、3人はそれを着て街へと歩いた。
何分か、街をぶらぶらと歩いていると新聞を配っている人がいた。ナットはそれを見つけて、バッと高速でそこに行き、一瞬にして新聞を貰い戻ってきた。
「はーい。先にオカルトだけ見させてー。」
「なんか枚数多くね?」
「なんでだろうね?」
3人はそれぞれ興味のある分野の新聞を取り、アルスが前働いた宿屋の元に押しかけることにした。手に取った新聞を読みながら、3人はそこへ向かった。
アルスが手に取った新聞はこう書かれてあった。
『マーベイン、またもや事件を解決…が。
昨日、4番隊の隊長であり、この国で知らない人はいない国民の支柱。マーベインが立てこもり事件を解決。しかし…その後、ディーユ牢獄に警備した。しかし脱獄を許してしまう。マーベイン1人に全てを任せてしまうのは如何なものなのか…。』
コルが手に取った新聞では起きている事件がまとめられていた。
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昨日、またもや毒殺事件が起こった。最近はそこら辺に劇薬がご自由にどうぞと言わんばかりに落ちている…。誰かが集団で置いているのかもしれない…』
ちなみに、ナットが手に取ったオカルト系の新聞はただただ、幽霊が出ると噂のスポットが紹介されていた。
そして、一通り新聞を読みえればもうすぐ目的地に到着する。
アルスは着いた直後に、ノックを何回かした。そして、出てきた主人に「もっかい働かせてください!」と意気込んで言った。
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