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牢獄編(三章)
124.最善策の悪逆無道③
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ユーグワとアルスは階段を駆け上がって大きな部屋に着いた
しかし、そこは兵士が寝泊まりしている部屋であった。
「武具は装備できない…逃げるなら早めに行くぞ!」
アルスはユーグワに声かけをした後、すぐさま大部屋を駆け回った。ユーグワもそれに続き、周りを警戒しながら走った。
「逃げるんじゃねぇ!!」
正面にいる兵士がこっちへ向かってきた。
鬼の形相でタックルをかましている兵士の圧はアルスを一瞬、怯ませた。
それに続き、何人かがこちらに向かってきた。
「すまねぇ!こっちも死にたくないんだ!」
そうアルスは叫んで、《避役の長棒》で棍棒を作り、それで兵士の頭を叩こうとした。…しかし
キンッ、とその棍棒は弾かれてしまった。
「貴様…。部下にまで…。お前ら!俺が護るから突っ込め!」
マーベインはこちらまで追いながら、そう叫んだ。
兵士達はその命令に対し、士気が上がって喜びながら、速度を上げてこちらに突っ込んだ。
「これは天罰。今のうちに受けときなァ!」
そう言いながら、ユーグワは目の前の兵士をぶん殴ろうとした。しかし…突然その腕が弾かれると共に、浅い切り傷が出来てしまった。
「…おいマーベイン。お前の能力が分かったわ…。自分の身…もしくは他人の身に危機が迫れば、その危機を与えているものを斬撃で弾くんだろォ?」
そう聞かれたマーベインは、ほうと1つ呟やき、だからどうしたと言わんばかりの気迫で、変わらずこちらに迫ってくる。
「なるほど…そんな能力が」
「気づいていなかったのか…。てっきり分かっていると思ってたぜェ。」
ユーグワの言葉を盗み聞きしていたアルスは、聞き終わり呟いた。それに対してユーグワが、彼を小馬鹿にするような半笑いでそう言った。
そう言っている暇にも兵士は、2人を囲んでいる。
そんな中、アルスは策を思いついた。
「ユーグワ!こっち来い!」
半ば強引に、ユーグワの手を引き、自分の元に近ずけた。
ユーグワは「やめろォォォ!近すぎんだよ!」と反射的に少し抵抗していたが、近づいてくれた。
「飛ぶぞ!」
「!?」
アルスは《避役の長棒》を地面に置き、ユーグワと密着したあとそう言った。突然の出来事で把握に困っていたが、ユーグワは一旦言われるとおりにした。
「せーのっ!」
と、言う合図と共に2人は同時に飛んだ。
その瞬間、《避役の長棒》が平らな床となり、机のような形となった。その後、机の足が伸び続け、かなりの高さとなった。
「落ちんぞ!」
と言って、アルスとユーグワは同時に兵士の上を飛び込えた。
しかし、そこは兵士が寝泊まりしている部屋であった。
「武具は装備できない…逃げるなら早めに行くぞ!」
アルスはユーグワに声かけをした後、すぐさま大部屋を駆け回った。ユーグワもそれに続き、周りを警戒しながら走った。
「逃げるんじゃねぇ!!」
正面にいる兵士がこっちへ向かってきた。
鬼の形相でタックルをかましている兵士の圧はアルスを一瞬、怯ませた。
それに続き、何人かがこちらに向かってきた。
「すまねぇ!こっちも死にたくないんだ!」
そうアルスは叫んで、《避役の長棒》で棍棒を作り、それで兵士の頭を叩こうとした。…しかし
キンッ、とその棍棒は弾かれてしまった。
「貴様…。部下にまで…。お前ら!俺が護るから突っ込め!」
マーベインはこちらまで追いながら、そう叫んだ。
兵士達はその命令に対し、士気が上がって喜びながら、速度を上げてこちらに突っ込んだ。
「これは天罰。今のうちに受けときなァ!」
そう言いながら、ユーグワは目の前の兵士をぶん殴ろうとした。しかし…突然その腕が弾かれると共に、浅い切り傷が出来てしまった。
「…おいマーベイン。お前の能力が分かったわ…。自分の身…もしくは他人の身に危機が迫れば、その危機を与えているものを斬撃で弾くんだろォ?」
そう聞かれたマーベインは、ほうと1つ呟やき、だからどうしたと言わんばかりの気迫で、変わらずこちらに迫ってくる。
「なるほど…そんな能力が」
「気づいていなかったのか…。てっきり分かっていると思ってたぜェ。」
ユーグワの言葉を盗み聞きしていたアルスは、聞き終わり呟いた。それに対してユーグワが、彼を小馬鹿にするような半笑いでそう言った。
そう言っている暇にも兵士は、2人を囲んでいる。
そんな中、アルスは策を思いついた。
「ユーグワ!こっち来い!」
半ば強引に、ユーグワの手を引き、自分の元に近ずけた。
ユーグワは「やめろォォォ!近すぎんだよ!」と反射的に少し抵抗していたが、近づいてくれた。
「飛ぶぞ!」
「!?」
アルスは《避役の長棒》を地面に置き、ユーグワと密着したあとそう言った。突然の出来事で把握に困っていたが、ユーグワは一旦言われるとおりにした。
「せーのっ!」
と、言う合図と共に2人は同時に飛んだ。
その瞬間、《避役の長棒》が平らな床となり、机のような形となった。その後、机の足が伸び続け、かなりの高さとなった。
「落ちんぞ!」
と言って、アルスとユーグワは同時に兵士の上を飛び込えた。
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