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牢獄編(三章)

117.脱獄計画③

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マーベインを振り払い、ここで逃げることは不可能。
それで、《次元の眼》での文通もバレているという現状。

一番マシになるのはなんだ…。

「知りません。本当に何も知りません」

1番の理想形は、疑われずに誰も独房に入らずに済むこと。
とりあえず、俺はそれを目指すことにした。

「……なら、コル、ナハト、マーガン、怪しいヤツをこの中から選べ」

と、言われた。その後マーベインは3人の名前を言った。
その中の2人は知らない人であった。が、残り1人はコルであった。

「…少し、考えさせてください」

「許可する」

ここで他2人を怪しいヤツとして選ぶか、コルを選ぶか……。
……もしコルを選んでしまえば、ここでコルは尋問を受けることになるだろう。あいつが尋問を受ければ…まあやばい。

逆に他2人のどちらかを選べば、その2人が尋問を受ける。
なら、俺達の名を出す。ここで俺達がまとめて疑われたなら、俺とコル、ナットは独房行きだ。

「…この中だと、コルという囚人が怪しい動きをしていました。」

すまない…コル。安定策をとらせてもらう。
いや、俺は今賭けをした。さっき言った内容を一言で全てをひっくり返せるほどの…。

「…この中でか…。もっと怪しい人物がいると?」

「はい!」

アルスはさっきまで下を向いていたが、「この中で」と付け足すという賭けをしたことで、希望が見え前を向いた。
マーベインは頭がキレると睨んだ、ならちょっとした発言でも突っかかってくれるだろう。

「いいや、この中にいるな。お前は目が明るくなっている。それが証明だ。」

しかし、いくら警戒しても自分の癖でさえ抑えることは出来なかった。マーベインはそこを突き、ターゲットを絞ることに成功した。

「…じゃあ、コルでいいな。そう思うだろ?"スノ"?」

そうマーベインが後ろを向いて言うと、そこには黒いフードの人が立っていた。あれがスノ…副隊長か。

「……」

その人は小さく頷いて、アルスの後ろに位置を移動した。
アルスはそれが気になり、少し後ろを振り向こうとした瞬間。

「おい、前を向け。…もしかして…お前なのか?」

…!!まずい、俺が独房は計画が限りなく不可能になる!

「で、誰だ?あの浮遊した物体を操っていたのは?」

「……」

「ナットか?やはりコルなのか?」

一人一人名前を言われる事に不安がある。
ここで決めなければ、どんどんと情報を引き出される。長引かせたら本当にまずい!

「最初っからコルだって言ってますよ!」

これで終わらせる…!終わってくれればいい。
ボロは出していない、次の人がどう発言しても食い違いはない…………っ!
いや、やっちまった…!

「確証があるってことは、お前も共犯ってことだな。」





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