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2キセイセ

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牢獄編(三章)

111.協力者①

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「…ラーラ。あれは《次元の眼》じゃないか?」

鉄格子からレイは外を覗いた。
そして、一切れの紙を引っ掛けてこちらに近づく《次元の眼》に気がついた。それを聞いて覗いたラーラはボスにこう言った

「何かの手紙…!?ボス、受け取って。」

「ああ」

彼が返事をすると、頭の上で手を振り始めた。
そうすれば、コルはこっちに気がついて来るということだ。
案の定、それが来きた。そして手紙を読んだ。

『俺達が合図を出すタイミングで、脱獄しようと思う。夜中に脱獄する。計画はーー』

その次も、計画を淡々と連ねていた。あちら側にいる全員が考えた、正直頭が上がらないほどの完璧な作戦だ。しかし…時間が足りるか…と考えていた。
そこら辺は何とかするのだろう、彼はアルス。そしてナットもコルもいる。

レイは心配せずにその計画を受け入れることができた。

「脱獄の計画かァ。そんなもんいるか?」

レイの隣から声が聞こえた。
やつは本を書いている。この牢獄がどれだけ酷く、人間の醜い意志が詰まっているものだと訴える本であった。

そう、ユーグワがいたのだ。

「いや…脱獄なんてしない。」

いつ兵士が来るか分からない状況で、牢獄のルールに反することはできないと判断し、レイはそう言った。
しかし、ユーグワは面白くなさそうに、黙り込んだ。

「まあ、脱獄するなら俺に教えろ。同時に脱獄する。」

「騒動が起こっている間に…ということか。」

「悪くねェ話だろ?俺が騒動を起こすかもしれねぇ。」

レイは少し考えた。そしてデメリットが一切無いことを確信すると、彼の提案を受け入れることにした。

「ああ、わかった。脱獄のタイミングは貴様に教える。だがそれだけだ。貴様の脱獄に協力はしない。」

「それでいいんだよ。足手まといはイラねぇ。」

この話を通して、ラーラは少し不機嫌な様子であった。
元々、憎む相手と手を組むわけだ。無理は無いが、仕方の無いことだ。

レイはそう言って、ラーラを抑えた。

彼が次に思ったことは、返事のことであった。
レイはフックに変形した《避役の長棒》を手に取りった。
コルがそれを察したのか、《避役の長棒》は一瞬にして鉛筆に変わった。レイは紙の裏面に『了解した』とだけ書いた。

突き放すようなハンドサインを《次元の眼》に見せた。
コルはそれを受け取り、《次元の眼》を自分の元に帰した。
そうすると、レイはラーラに一つ聞かれた。

「ボス…あたし達は何かやらなきゃいけないの?」

「いいや、何もしなくていい。するとこならアルス達を信じて待つことだ」



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