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制圧編(ニ章)
86.第二拠点③
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「うえっ!?」
《氷の独壇場》が独りでに動き、滑りながらコプラの元に向かっていた。しかし…こういう時ほど冷静に、コプラは上に《呪縛の鎖》を投げた。天井にくっ付いたそれを下に垂らし、それを掴んで上に昇った。
「おっとぉ……狙い通り」
片足で颯爽と滑ったグラギは、飛ばした《氷の独壇場》を回収して、両足で滑り…
「あやよっーーと!!」
いきなり、壁に足をつけた。その壁は凍り始めた。
そして、凍った壁を垂直に滑り始めたのだ。
「!?」
「こいつの真髄は、凍った場所に引っ付くってとこよ!」
グラギは調子に乗りながら、コプラがくっ付いている天井まで直行してくる。
「っ!」
コプラは危機を認識した。
しかし、奴の滑りが今まで見た事がない程の速さであった。
だから、体が追いついていなかった。
「炭鉱のトロッコのよぉにぃ!!坂道下ってもらうぜぇ!!」
逆さの体制で来るグラギに対して、蹴りを繰り出そうとしたコプラであったが、すぐさま脚を掴まれた。
このまま鎖に捕まっていたら、引きちぎられてしまう。
そのような不安が咄嗟に脊髄から腕に伝わる。反射的に手を離してしまった。
「ヒャッハァァァァア!!!」
そう、限界突破したテンションでコプラを掴んで連れ回した。
瞬きする間に壁に着いた、そして方向転換をして…。
「さぁ!ここからが山場だァァ!!」
グラギは床に向かって斜め45度に体を向け、テンションをさらに上げながら…
空気を物理的に凍らせて、坂道を作り、そこを爆速で滑っていく。床に激突するまでの一瞬の間で、コプラの胸ぐらを掴んだ。
「…っ」
狂気的な笑顔をうかべるグラギを目にして、絶大なる恐怖と死がまじかに迫っていることを感じた。
ザアアアア!!
グラギが体制を前屈みにしたら…胸ぐらを掴まれたコプラは床に近ずけて…。
コプラを螺旋状に引きずり回した!
「ああっ…ああっ!!」
背中を石の床に引きずり回され、ヤスリで木を擦るかのように肉を削り、ひき肉にしていく。えげつないほどの激痛が背中から脳に伝わる。
「う……うわ……」
か細い声を出しながら、その場から動けなくなってしまった。
強大な電撃をぶつけられたかのように、ビリビリと背中から体全体が疼く。
「ふぅ……コプラ・マドメットといったかな?まあ……初見殺ししてしまったということもあるが…絶望を悟るのが早え。あんたの心物なら俺に掴まれた直後に、鎖を伸ばして攻撃を邪魔する、とかできたはずだ。」
と、倒れているコプラを見下しながらグラギは言った。
次の瞬間には残念そうに哀愁漂う背中を…あとから広場に来た、ナットとレイに見せた。
《氷の独壇場》が独りでに動き、滑りながらコプラの元に向かっていた。しかし…こういう時ほど冷静に、コプラは上に《呪縛の鎖》を投げた。天井にくっ付いたそれを下に垂らし、それを掴んで上に昇った。
「おっとぉ……狙い通り」
片足で颯爽と滑ったグラギは、飛ばした《氷の独壇場》を回収して、両足で滑り…
「あやよっーーと!!」
いきなり、壁に足をつけた。その壁は凍り始めた。
そして、凍った壁を垂直に滑り始めたのだ。
「!?」
「こいつの真髄は、凍った場所に引っ付くってとこよ!」
グラギは調子に乗りながら、コプラがくっ付いている天井まで直行してくる。
「っ!」
コプラは危機を認識した。
しかし、奴の滑りが今まで見た事がない程の速さであった。
だから、体が追いついていなかった。
「炭鉱のトロッコのよぉにぃ!!坂道下ってもらうぜぇ!!」
逆さの体制で来るグラギに対して、蹴りを繰り出そうとしたコプラであったが、すぐさま脚を掴まれた。
このまま鎖に捕まっていたら、引きちぎられてしまう。
そのような不安が咄嗟に脊髄から腕に伝わる。反射的に手を離してしまった。
「ヒャッハァァァァア!!!」
そう、限界突破したテンションでコプラを掴んで連れ回した。
瞬きする間に壁に着いた、そして方向転換をして…。
「さぁ!ここからが山場だァァ!!」
グラギは床に向かって斜め45度に体を向け、テンションをさらに上げながら…
空気を物理的に凍らせて、坂道を作り、そこを爆速で滑っていく。床に激突するまでの一瞬の間で、コプラの胸ぐらを掴んだ。
「…っ」
狂気的な笑顔をうかべるグラギを目にして、絶大なる恐怖と死がまじかに迫っていることを感じた。
ザアアアア!!
グラギが体制を前屈みにしたら…胸ぐらを掴まれたコプラは床に近ずけて…。
コプラを螺旋状に引きずり回した!
「ああっ…ああっ!!」
背中を石の床に引きずり回され、ヤスリで木を擦るかのように肉を削り、ひき肉にしていく。えげつないほどの激痛が背中から脳に伝わる。
「う……うわ……」
か細い声を出しながら、その場から動けなくなってしまった。
強大な電撃をぶつけられたかのように、ビリビリと背中から体全体が疼く。
「ふぅ……コプラ・マドメットといったかな?まあ……初見殺ししてしまったということもあるが…絶望を悟るのが早え。あんたの心物なら俺に掴まれた直後に、鎖を伸ばして攻撃を邪魔する、とかできたはずだ。」
と、倒れているコプラを見下しながらグラギは言った。
次の瞬間には残念そうに哀愁漂う背中を…あとから広場に来た、ナットとレイに見せた。
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