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制圧編(ニ章)
79.昼の間
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「さて…伝え終わった頃だし…解散だ!」
カタァースはもう全てを話し終わったかのように、そう達成感に満ち溢れた声で言った。
しかし、他の人達にとってまだまだ聞かなければいけないことがあった。
「……オレたち犯罪者なっちゃう?」
コプラが怯えて震えながらそう話した。
喉仏が細かく動いて、振動させた声が小さく聞こえた。
「安心したまえ、私が直々に許可を出しているのだからな。
賄賂とかうんぬんでどうにかなるだろう。レジサイドの悪事が政府に知られているのは色々ある……だが、どれも普通の犯罪組織程度のものだ。だから、内通者の問題を王にちくれば、レジサイドのやばさが明るみになって、明るみにした私達は無罪放免だろう。」
「へぇ……」
「あと300万用意してるし」
リアルな金額、やらしい。
言ってはいないが、賄賂で何とかするので察してくださいという態度がなんともいやらしかった。
「……汚れてるね」
コルがそうつぶやいた時、その発言に一同はそれに頷いた。カタァースも頷いた。
「しょうがない、綺麗な賄賂もあるもんさ。」
と、カタァースが名言風にそう言った。
他の一同の反応が本当に冷たかった。だが、それと同時に、しょうがないという意見にも納得出来た。
そして、そのあと正式に解散して、溜まり場の人達だけが家に残った。
「ちょい、あたしとコルで今日の食材買ってくるー」
「あいよぉー」
と、ラーラが玄関から出てで行こうとした時、アルスはそう言って送り出した。
そして、各々の自由な時間を、少しの間過ごしていた時…ナットが口を開いた。
「ここには…男だけ……。旅行のノリ……」
「?」
「好きな女性のタイプはなにー?」
これから大事な戦いだと言うのに…なんでこのアホはこんな気楽な質問ができるんだ…。ボスは、彼の緊張感のなさを叱ろうと考えた。
「うーん…年下…いや同年代かな?」
アルス、お前結構図太いんだな。というか、ナットが最近楽しそうなのも、同年代の話が合う同性が増えたからなのか?
「まじ!?俺、年上以外ありえんのだが!?」
「あー…年上か…正直タイプでは無いんだよな…」
「おめぇ!海でええ感じのねぇーちゃんいたとしたら、めー釘付けになんぞ!?」
「それはお前がスケベなだけだろ!!」
「グヌヌ……!」
何も言い返せないナット。うん、当たり前だな。
いつもの風景と言いますか…
「………こっからちょー危険な戦いすんだろ?」
あのナットから、とんでもない話題が飛び出た。
彼なりの緊張感というものがあったのかと思った。
「まっ…死ぬわけないけどな」
「当たり前だ。」
と、アルスが返した。
彼らは緊張感を感じていない訳では無い…
感じる緊張を自信と仲間への信頼で相殺していたんだ……。
私もビクビクしていられないな。
カタァースはもう全てを話し終わったかのように、そう達成感に満ち溢れた声で言った。
しかし、他の人達にとってまだまだ聞かなければいけないことがあった。
「……オレたち犯罪者なっちゃう?」
コプラが怯えて震えながらそう話した。
喉仏が細かく動いて、振動させた声が小さく聞こえた。
「安心したまえ、私が直々に許可を出しているのだからな。
賄賂とかうんぬんでどうにかなるだろう。レジサイドの悪事が政府に知られているのは色々ある……だが、どれも普通の犯罪組織程度のものだ。だから、内通者の問題を王にちくれば、レジサイドのやばさが明るみになって、明るみにした私達は無罪放免だろう。」
「へぇ……」
「あと300万用意してるし」
リアルな金額、やらしい。
言ってはいないが、賄賂で何とかするので察してくださいという態度がなんともいやらしかった。
「……汚れてるね」
コルがそうつぶやいた時、その発言に一同はそれに頷いた。カタァースも頷いた。
「しょうがない、綺麗な賄賂もあるもんさ。」
と、カタァースが名言風にそう言った。
他の一同の反応が本当に冷たかった。だが、それと同時に、しょうがないという意見にも納得出来た。
そして、そのあと正式に解散して、溜まり場の人達だけが家に残った。
「ちょい、あたしとコルで今日の食材買ってくるー」
「あいよぉー」
と、ラーラが玄関から出てで行こうとした時、アルスはそう言って送り出した。
そして、各々の自由な時間を、少しの間過ごしていた時…ナットが口を開いた。
「ここには…男だけ……。旅行のノリ……」
「?」
「好きな女性のタイプはなにー?」
これから大事な戦いだと言うのに…なんでこのアホはこんな気楽な質問ができるんだ…。ボスは、彼の緊張感のなさを叱ろうと考えた。
「うーん…年下…いや同年代かな?」
アルス、お前結構図太いんだな。というか、ナットが最近楽しそうなのも、同年代の話が合う同性が増えたからなのか?
「まじ!?俺、年上以外ありえんのだが!?」
「あー…年上か…正直タイプでは無いんだよな…」
「おめぇ!海でええ感じのねぇーちゃんいたとしたら、めー釘付けになんぞ!?」
「それはお前がスケベなだけだろ!!」
「グヌヌ……!」
何も言い返せないナット。うん、当たり前だな。
いつもの風景と言いますか…
「………こっからちょー危険な戦いすんだろ?」
あのナットから、とんでもない話題が飛び出た。
彼なりの緊張感というものがあったのかと思った。
「まっ…死ぬわけないけどな」
「当たり前だ。」
と、アルスが返した。
彼らは緊張感を感じていない訳では無い…
感じる緊張を自信と仲間への信頼で相殺していたんだ……。
私もビクビクしていられないな。
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