マインドファイターズ

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《新たな炎》(一章)

42.報告②

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その後、救援に駆けつけた衛兵達によって、アルス達は連れていかれ、役所のような場所に行った。

「………で、ユーグワが市民を殺していた。自分達も狙われそうになったから、反撃に出たと。」

代表で連れていかれたアルスは、その場にいた、事情聴取の衛兵に正直に話した。
ユーグワの行方や、怪我のことを。

「まぁ…だいたいそんな感じっすね…。」

緊張で少し、声が震えているアルスは目を逸らしながらそう言った。

「うーむ、だいたいは把握したんだが……ひとつ……いや何個か謎なことがあってだな。」

と、衛兵は言うと、思い出しながらその謎を話した。

「まず、伸びる槍。それに茶色の炎と黒い炎。爆発みたいに燃え上がった舘。殺されてしまった衛兵の傷も無惨なもんだ。」

そして、衛兵はある事を思いついたが、それを信じるか信じないかで葛藤した。

「まさか超能力……なんちゃって……とはならんのだよなぁ…」

「超能力…ですか?」

「いや……ワンチャン幽霊?オカルト系?うーむ……」

そのように葛藤している。
そして出した結論はこうだった。

「まぁ……色んな人に聞いて回っているけど、みんなその超能力を見たって言ってるし……君、アルス・ターネストだっけ?今回は不問ってことで。解散!」

と言って、次に役所から出ていくように言われた。
それに従い、アルスは部屋から出ていこうとした。

しかし……

「あっ!言うの忘れてた!役所から出ていくと、カタァースさんが馬車用意してるらしいな!運が良かったなぁー。」

と、思い出して言った。
アルスはお礼をして、その馬車に向かった。

役所のドアを開き、外に出た先では、馬車に乗っているレイとコルが待っていた。

「来たか…アルスよ」

「どうだった…?」

と心配そうに聞かれたので、すぐさまアルスは答えた。

「…不問!オカルト現象に巻き込まれたってことになった。」

2人は力が入っていた肩をぐったり下ろし、安堵した。
それを見て、アルスは馬車に乗り込んだ。

「出発しても、よろしいでしょうか?」

「頼みます。」

運転手にそう聞かれ、レイはお辞儀をしてそう返した。

馬車が進み始めた時、アルスは自分が一番気になっていたことを聞いた。

「ナット……達は?」

嫌な予感とそれを受け止める覚悟を決めた。
1呼吸が重く感じる。

そして、レイは答えた。

「コプラは煙の吸ったことによる、一酸化炭素中毒。だがもう治った。ラーラはそれに加え、ガラスによる切り傷があるが、深い傷は無い」

嫌な間を置いて、レイは続けて言った。

「……ナットはかなりの重症だ。足に無数の切り傷。結構な深さがある。左腕にはえぐり取られたような爪痕。これもかなりの深さだ。腹には突き刺さったような傷。そして何度も体をぶつけたであろう打撲。骨も5本ぐらい折れたらしい。命に別状は無いが……今後1ヶ月、活動は不可能だろう。」
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