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2キセイセ

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狼殺事件編(一章)

12.コプラの話

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「きっかーん」

ナットはそう言って溜まり場の入口の扉を絞め、玄関で靴を脱ぎ始めた。

「おかえりぃ!」

まず迎えてくれたのはコルだった。
彼女はまず帰ってきたことに目を輝かせ、そして無傷なことにさらに目を輝かせた。

「ただいま…コルさん。ボスって部屋にいるよね?」

「あっ……そうです。ボスは部屋にいます。ですが間違っている可能性があるので間違えていたらごめんなさいぃ…」

まだアルスという人になれていないのか、コルは相変わらず、緊張で口が凝り固まっていた。

「あたしは、手紙での依頼を捌いてくる。報告は二人でやっておいてー」

ラーラとアルス達は別の方に行った。
アルス達はそのまま、レイの方に向かった。レイの部屋についたころ、ナットは何をするか考えていた。

そして、数秒考えたあと、ドアをノックし、ドア越しにこう伝えた。

「今日は5番で」

「…もうやらんぞ?」

「…なら1番」

「そういう問題じゃない」

そうボスが言ったら、ナットは「ちぇっ」といい、何も言わずに扉を開けた。

「こいつー、伸び縮みして、好きなようにつけれる鎖の心物もってたー」

ナットは少年の服にある後ろの襟を掴み上にあげた

「…」

少年は目を覚ましていたようだが…反抗はしなかった。

「して…戦闘はしたのか?」

「おん、強かった」

「怪我はないか?」

「無傷ー」

そうナットのいつものおちゃらけた様子を見て、レイも安心してピシッと座っていたのが無くなった。

「なるほど。報告を受け取った。さて……この少年から色々聞きたいことがある…」

と、ボスが真面目に少年と向き合った。
それを見たナットは

「ここからは俺の仕事じゃねぇ。じゃあな」

と言って、レイの部屋から出ていった。
ここから、ボスの尋問が始まった。

「まず…そこの空色の髪をした少年。自分の名前を言えるか?」

「あっ…"コプラ・マドメット"です。」

「なるほど。コプラ君、君は何歳だ?」

「15…ぐらいです」

空色の髪をした、エメラルドグリーンの瞳をした、中性的な顔、肩から腰にかけて鎖を巻いているのが特徴的なコプラは言った。

「15!?」

レイは目を点にして驚いた。
しかし次にはゲフンゲフンと誤魔化して、無かったことにしようとして話し出した。

「……まあ年齢などあまり関係は無い。問題はこの近くにある狼に襲われた村、タンタス村について知っていることは?」

「……………」

しばらくの沈黙が続く。

「…まあ、話したくないって言ってましたし、1日置いたりしてから話しましょ?」

それを破り、話をまとめるようにアルスは言った。
それに対してコプラは「…はい」と一言。

そして、ボスが「ここからは私一人でやる」と言ってアルスを他のメンバーがいる大部屋へ、帰した。

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