マインドファイターズ

2キセイセ

文字の大きさ
上 下
10 / 281
狼殺事件編(一章)

10.狼殺事件③

しおりを挟む
「おっ、お前らァ!これ以上近づくなら、心物の鎖を使うぞ!」

「…鎖…か」

アルスが駆けつけた時、あと10歩のところで、少年に脅された。しかし、情報を整理して、2人とも構わず突っ込んでゆく。

「俺はやるぞ!!」

少年は意気込んで、体にジャラジャラと巻いていた鎖を縮めて、それを掴んだ。

そしてその後、見せつけるように木の棒を2つ取り出して…

ガシャン!

鎖と木の棒をぶつけた瞬間!鎖は自動で木の棒の先端に刺さって抜けなくなった!!

「ど…どうだ!?すごいだろ!?」

そう凄んだ少年だが、メンバーの反応はなく。
そろそろ攻撃していいかと睨んでいた。

「やるか」「そうだな」

冷静に、先輩2人は少年に突撃した。

「うっ!」

少年は焦り、作った鎖付き木の棒を右にぶん回したが…

「残念…あなたにとってあたしは相性最悪っぽい。」

ラーラは、自分の心物、
"《もう一対の手》(ワンモア・ペアハンド)"
という、自由自在に操れる、一対の金属性の手を使って、木の棒を掴み、少年を引っ張り始めた。

「あっ…!」

情けない声をあげて、少年は転げそうになった
しかし、ドシッと右足で踏み込み耐えきった!

「すげぇー」

絶対に感心していないナットは、《遅れる衝撃》のピッケルの部分を握った!

ドンッ…

「えっ…」

先程の背中を殴った衝撃が、その瞬間届いた。

たん、たんと走り歩きで体制が崩れてきた。

「アルスッ!」

彼はラーラに応え、取り出した少し大きめの木槌で、少年を気絶させる程度で殴った。

「いっっでぇ!!この野郎!!」

耐えられた驚きがアルスを襲う。

「だけど…もうオレの勝ちだ!!」

少年はそう叫び、手に持っている、何かに繋がっている鎖を近くにある岩につけた。

「…!?」

いつの間にか、アルスの服に鎖が繋がれていた!

ギュンッ!!

岩とアルスを繋いだ鎖は、一瞬にして、岩から短く縮んでいた!

ゴンッ!

岩の方に引き寄せられたアルスは、そのまま頭から激突してしまった。それを見ていたラーラは咄嗟に心配した。

「アルス君!?」

「アルスはあとだ!今はこいつを倒して安全を確保しろ!」

冷静に、ナットは言い。敵を一直線に睨みつけ、出方を伺っていた。

「ラーラ、片手で持てる程度の石をくれ」

「了解っ!!」

そして…ラーラは石を何個か持ってきて、ナットの前に出した。
それをナットは自分の心物でぶん殴った。何個かぶん殴り…

「…ラーラ、睨み合いは終わりだ!」

そう言ってナットは石に衝撃を届かせた!
石が少年に向けて、1秒1つでぶっ飛んで行く。

「!?」

一発目で危機を感じ、少年は家の屋根を鎖を投げくっつけ、それを屋根から縮めて宙に浮いた!

「だよな?」

そう言ってナットは、隠していた石を1つ投げた。

石が敵の斜め下に来た瞬間!
突如として、少年の方に向かって上に飛んで行った。

「うわっ!!」

痛みで少年は鎖から手を離して落ちた。

そして着地の失敗、それをラーラは見逃すわけがなかった。

《もう一対の両手》は拳を握っており、少年の腹に向けて加速した!


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

アロマおたくは銀鷹卿の羽根の中。~召喚されたらいきなり血みどろになったけど、知識を生かして楽しく暮らします!

古森真朝
ファンタジー
大学生の理咲(りさ)はある日、同期生・星蘭(せいら)の巻き添えで異世界に転移させられる。その際の着地にミスって頭を打ち、いきなり流血沙汰という散々な目に遭った……が、その場に居合わせた騎士・ノルベルトに助けられ、どうにか事なきを得る。 怪我をした理咲の行動にいたく感心したという彼は、若くして近衛騎士隊を任される通称『銀鷹卿』。長身でガタイが良い上に銀髪蒼眼、整った容姿ながらやたらと威圧感のある彼だが、実は仲間想いで少々不器用、ついでに万年肩凝り頭痛持ちという、微笑ましい一面も持っていた。 世話になったお礼に、理咲の持ち込んだ趣味グッズでアロマテラピーをしたところ、何故か立ちどころに不調が癒えてしまう。その後に試したノルベルトの部下たちも同様で、ここに来て『じゃない方』の召喚者と思われた理咲の特技が判明することに。 『この世界、アロマテラピーがめっっっっちゃ効くんだけど!?!』 趣味で極めた一芸は、異世界での活路を切り開けるのか。ついでに何かと手を貸してくれつつ、そこそこ付き合いの長い知人たちもびっくりの溺愛を見せるノルベルトの想いは伝わるのか。その背景で渦巻く、王宮を巻き込んだ陰謀の行方は?

【北の果てのキトゥルセン】 ~辺境の王子に転生したので、まったり暮らそうと思ったのに、どんどん国が大きくなっていく件について~

次元謄一
ファンタジー
タイトル変更しました→旧タイトル 「デッドエンドキングダム ~十五歳の魔剣使いは辺境から異世界統一を目指します~」 前世の記憶を持って生まれたオスカーは国王の落とし子だった。父の死によって十五歳で北の辺境王国の統治者になったオスカーは、炎を操る魔剣、現代日本の記憶、そしてなぜか生まれながらに持っていた【千里眼】の能力を駆使し、魔物の森や有翼人の国などを攻略していく。国内では水車を利用した温泉システム、再現可能な前世の料理、温室による農業、畜産業の発展、透視能力で地下鉱脈を探したりして文明改革を進めていく。 軍を使って周辺国を併合して、大臣たちと国内を豊かにし、夜はメイド達とムフフな毎日。 しかし、大陸中央では至る所で戦争が起こり、戦火は北までゆっくりと、確実に伸びてきていた。加えて感染するとグールになってしまう魔物も至る所で発生し……!? 雷を操るツンデレ娘魔人、氷を操るクール系女魔人、古代文明の殺戮機械人(女)など、可愛いけど危険な仲間と共に、戦乱の世を駆け抜ける! 登場人物が多いので結構サクサク進みます。気軽に読んで頂ければ幸いです。

追放シーフの成り上がり

白銀六花
ファンタジー
王都のギルドでSS級まで上り詰めた冒険者パーティー【オリオン】の一員として日々活躍するディーノ。 前衛のシーフとしてモンスターを翻弄し、回避しながらダメージを蓄積させていき、最後はパーティー全員でトドメを刺す。 これがディーノの所属するオリオンの戦い方だ。 ところが、SS級モンスター相手に命がけで戦うディーノに対し、ほぼ無傷で戦闘を終えるパーティーメンバー。 ディーノのスキル【ギフト】によってパーティーメンバーのステータスを上昇させ、パーティー内でも誰よりも戦闘に貢献していたはずなのに…… 「お前、俺達の実力についてこれなくなってるんじゃねぇの?」とパーティーを追放される。 ディーノを追放し、新たな仲間とパーティーを再結成した元仲間達。 新生パーティー【ブレイブ】でクエストに出るも、以前とは違い命がけの戦闘を繰り広げ、クエストには失敗を繰り返す。 理由もわからず怒りに震え、新入りを役立たずと怒鳴りちらす元仲間達。 そしてソロの冒険者として活動し始めるとディーノは、自分のスキルを見直す事となり、S級冒険者として活躍していく事となる。 ディーノもまさか、パーティーに所属していた事で弱くなっていたなどと気付く事もなかったのだ。 それと同じく、自分がパーティーに所属していた事で仲間を弱いままにしてしまった事にも気付いてしまう。 自由気ままなソロ冒険者生活を楽しむディーノ。 そこに元仲間が会いに来て「戻って来い」? 戻る気などさらさら無いディーノはあっさりと断り、一人自由な生活を……と、思えば何故かブレイブの新人が頼って来た。

引きこもりアラフォーはポツンと一軒家でイモつくりをはじめます

ジャン・幸田
キャラ文芸
 アラフォー世代で引きこもりの村瀬は住まいを奪われホームレスになるところを救われた! それは山奥のポツンと一軒家で生活するという依頼だった。条件はヘンテコなイモの栽培!  そのイモ自体はなんの変哲もないものだったが、なぜか村瀬の一軒家には物の怪たちが集まるようになった! 一体全体なんなんだ?

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】

一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。 追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。 無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。 そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード! 異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。 【諸注意】 以前投稿した同名の短編の連載版になります。 連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。 なんでも大丈夫な方向けです。 小説の形をしていないので、読む人を選びます。 以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。 disりに見えてしまう表現があります。 以上の点から気分を害されても責任は負えません。 閲覧は自己責任でお願いします。 小説家になろう、pixivでも投稿しています。

不死王はスローライフを希望します

小狐丸
ファンタジー
 気がついたら、暗い森の中に居た男。  深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。  そこで俺は気がつく。 「俺って透けてないか?」  そう、男はゴーストになっていた。  最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。  その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。  設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

ヒアラ・キュアー

るろうに
ファンタジー
様々な概念が具現化した世界を生きる少女ヒアラ。 相棒の精霊、キュアーと共に早速東京に引っ越したヒアラは幼少期に姿を消した母を探すべく、世界を旅する探索者の道へと進もうとする……が!? 「えっと…ヒアラさんの適正能力は…治癒能力だけ…です。しかも魔力は一般人の半分しか無いのでほぼ使えないですね…。」 まさかの探索者適正ゼロでした!?!? でも絶対諦めたくないっ!私はきっと強くなる!そして世界一の探索者になってお母さんを見つけるんだ!! 様々な出会いや別れ、冒険の数々を得てヒアラはその先に何を見つけるのか。 現代社会を拡張した世界観で織り成す王道ビルドゥングスロマン!

処理中です...