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狼殺事件編(一章)

8.狼殺事件①

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「作戦はこうだ、まずはコルの心物で、この似顔絵の男を探す。襲われた、ナサル村の周辺の立地を考えるに、この街に来ていると予想した、そこを中心に探してくれ。

おおよその位置が分かれば、そこに行き、路地裏などに案内して事情聴取。おそらく、平和的な解決は不可と考える。戦闘の準備はしておくように。」

ボスはメンバー達に司令を下した。
もちろん、嫌な顔をするメンバーは一人もいない。

「問題は…相手の場所に行く…つまりは戦闘をする可能性があるメンバーを決めることよね…」

ラーラは皆の安全を考慮して、不安げな顔をしていた。
そして自分に行かせてくれと、ボスを熱い眼差しで見つめていた。

「それはもちろん決めてある。ラーラ…そして、ナット。2人ならば冷静に判断できて、1番無事に帰れるだろう。」

それを聞いたラーラは、ナットとなら安全だと、一息つけたような様子だったが…対してナットは何か足らないと感じていた。

「…ボス、アルス連れてくのはどう?」

そう、ナットは提案をもちかけた。
しかし、それはやや否定気味に、こう返されてしまった。

「…アルスは戦闘経験が少ない…あと、捕縛してからの尋問をしてもらうつもりだが…」

「いえ!できるなら俺も戦わせてください。」

しかし彼の意志はまた、それを否定していた。

「だが…」

「自分の部屋の整理をするように、自分の記憶は…自分で見つけたいんですよ。」

と、彼は既に決まっていた覚悟を、レイの眼差しを一直線で見つめながら言った。

「だぁーいじょーぶ、このメンバーだろぉ?」

もう一押しはナットが、ラーラと自分を交互に指刺して、ボスの方を向いてした。

「…なら、必ず無傷で成功させるんだぞ」

ボスは根負けしてそう言った。
ナットはニヤッとして、相当嬉しそうに首をぶん回す勢いでアルスの方を見た。

「コル、似顔絵は覚えたな、探索を頼むぞ。」

「はい!」

ボスはコルに命令した。
似顔絵の男は、中性的な見た目をしており、喉仏でやっと男だとわかったと言うような、どっちか分からない見た目をしていた。

…そしてコルは集中して目をつぶった。
背中から現れた、目のような紋章が刻まれた金色の球体が、突如浮き始めた。

「あいつの心物は"次元の眼《ディメンション・アイズ》"さっきの球の紋章が目になってる。

そこから色んなものが見れる能力だ。特殊な視界で、どれだけカモフラージュしてても見分けてくるんだってよ」

ナットは満足気になって解説を終えた。
しかし、アルス以外は興味を示さず、戦闘の準備を始めているものが多くいた。

「よし……あとは見つけるだけぇ…」

コルは集中して、本気で見つけようとしている。そのまま接敵するぐらいの執念を見せつけていた。

そして…3分ぐらいがたったあと…

「場所特定…1番近くの噴水。人が多いから注意してね!」

「アルス、戦闘準備できた?」

「もちろんです、ラーラさん!」

コルが見つけた途端。玄関の前で、彼らは心物を装備し、この家から出た。

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