マインドファイターズ

2キセイセ

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仮入団編(一章)

2.心物

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「…オラッ」

その棒をやり投げのようになげ、アルスは心に霧を思い浮かべた。

「頼むぞ…」

男も祈っている中、アルスの投げた棒がどんどんと、霧に変形していった。

その霧は先程の木のような感じはなく、本物の霧だった。

「今のうちにっ」

男は静かに扉を開けて、そこからの脱出を図った。
アルスもその男について行き、静かに歩き始めた。

「…どこに行くんだ?」
「…俺らんところの組織だ」

とコソコソと話をした。
アルスと男の間に、まだ不信感があった。

そのまま、狼に狙われず、1歩1歩静かに歩き続けてついには狼が小さく見えるほどに離れていった。

「ふぅ……ここまで逃げたら安心だ…」

と、アルスは呟いたが、男は不思議そうな表情を浮かべて、アルスを見た。

「あんた、周り見えねぇの?」

男はいった。
アルスが嘘だろと思い、後ろを振り向いたその瞬間!

まだ振り切れていない2匹の狼がこちらを狙っていることに気がついた!

「!?」

アルスは突然のことに腰を抜かしてしまった

「だーいじょーぶ」

と、男はニコッとしてアルスの方を見た。
そして、どこからともなく取り出した、片手で持てるが、長い、ハンマーを取り出した。

そのハンマーの片面は平らで、もう片面はピッケルのような見た目だった。

「心物の使い方を教えてやんよ」

そう言って男は、狼の顎を平らな面でぶっ叩いた。
しかし、狼はビクともしない。

男はいつもやっていることのように、片方の狼を2発ぐらい平らな部分で叩いた。

「見とけ…これが俺、"ナット・ラズラー"の心物だ」

そして、男がピッケルの方を握った瞬間!

バンバンバンッ!!

狼は、3発分、先程ハンマーで殴られた衝撃を、今、同時に食らっていた。

そして、狼は何も言わずに倒れた。
残ったオオカミは、アルスたちに威嚇をしてどこかへ逃げていった。

「あ、ありがとう…ナット…さん?」

「ナットでいい、さっきの恩返しってやつさ。」

礼をいい、返して。
彼らは共に歩いていった。
ある拠点に向かっていって………

しばらく歩いていったころ…小さい街に着いて、夜になれば犯罪が起こりそうな路地裏を通った先。

一つの家があった。

「ここだ。ようこそ、心物の溜まり場へ」

ナットはニヤッと笑い、一つの家へと迎えるように両腕を大きく開いた。
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