軌跡旅行

2キセイセ

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最終章

160.魂の戦い

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その時!!
俺の真下の魔力がとんでもない速さで、俺を持ち上げ、上がった。

タッ、魔力はある程度の高さで止まり、俺を上に飛ばした。

「!?」

そして、上から魔力の棒が俺を潰そうとしてくるのが見えた。

「上下で潰そうってか!?」

何とか上の棒を焦がしながら、飛び込んで抜け出したが、今度は左から魔力の棒が襲ってくる。

ピカァン!!

一瞬の閃光のあと、魔力の棒は表面数cmと穴が空いた。
そして、突っ込んできた魔力の棒を両手の指で突き破りながら掴んだ。

ゴキっ…

掴んだ場所を魔力で締め付けられ、両手にある10本の指が全ての骨が砕けた。

「…っ!!」

耐えながら左足でグラッドを狙い、光を撃つ!

ビシュン!!ビシュン!!

2発とも、魔力を盾にしてうけられてしまう…

だが!そっちに気を取られているから、横方向に光を放ち、この棒を焼き消しながら脱出できる!

ビガッ!

全ての指先から乱反射する激しい光が、その周辺を燃やし尽くす。

タッ…と着地して、グラッドを睨んだ俺は、ふと思った。
奴には何故ここまでの魔力があるのか。

そして……魔力を焦がして無くせば、奴にも魔力切れがあるということ。

だが、覚醒によって体力を魔力に変換させられる…

ならこの情報を動揺させるために使う!!

「お前……魔力が無くなってきてるな?」

「魔力が無くなると思うか?」

「は?」

動揺する気配は無いが、奴は今にも何かを言いたそうな目をしている。

「知ってるか?邪神の魂は誰に宿っていると思う?」

「しるかよ」

そうだ、忘れていた。
こいつは、邪神の魂を宿している人物を連れてきていないっ!!

「…"邪神の魂を宿してるのは、俺、グラッドだ。」

……!
やっぱりか…通りでおかしいと思った。

「絶望的なことを教えよう。俺は魔力と魂の力を作り、消費した魔力より数倍多い魔力を作っているっ!!」

いや………神は永久的なものなんて作らない、なにか裏があるはずだ。だが……だが…奴の理論が最も納得できる理論だ……

「まあ、いい情報にはなったな。」

クソッ!俺はいつも、強がってばっか…攻撃さえ当てたら……!
俺は自分の魔力を奴の目の前に出して、

ピカッ!光に変える目くらましをしたあと、グラッドに近ずき体に手を当てて、光を出そうとした瞬間。

ガシッ!

奴の体から魔力が出てきて、俺の手首を掴んだ。
そしてそのまま俺を上へ投げて……

すぐさま全方位から、拳ぐらいの魔力の塊、数十個が俺を殴り始める。

ガンッ!ドンっ!バンッ!ガンッ!ドンっ!ドンっ!バンッ!

いたっ……

全身を何回も何回も、殴られる。

反撃しようにも、顔面を殴られて……目を開けられない。

バァン!!

俺は強烈な1発で、ぶっ飛んでしまい、地面に背を着いた。
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