軌跡旅行

2キセイセ

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最終章

157.英雄への1歩

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そして、光が収まったとき、奴の姿がはっきりと目に写った。

黒い体をしており、その中で少しばかりの紫の円が体に刻み込まれていて、刃物みたいな鋭利な腕、刀身は赤く染っている。

「う……がが」

邪神は意識が朦朧としており、うめき声をあげている。
そして、焦がされた体はすぐさま再生していた。

「……やべぇ…すぐ再生しやがった。」

俺が動揺していると、再生する時に邪神の核が9つしかないことに気がついた。

「ムアンが取った核は5個、邪神の核は合計20個、10個はおかしいぞ?!」

「ああ、先程の攻撃で5個消し飛ばせたようだ。」

ユダーラさんはそう言って、力を使い果たして、倒れてしまった。

「あとは任せてください。勇者さん。」

俺は倒れたユダーラさんに笑顔を浮かべながら、ユダーラさんをゆっくり下ろし、邪神と向き合った。

「ぅがああああ!!!」

邪神は雄叫びを上げながら、俺たちを左腕で切断しようとしてくる。

しかし、動きが単純で遅い!
俺は右に交して、奴の左腕を衝撃波で飛ばした。

「!?」

バンッ!
そして、邪神の内部から衝撃波を発生させて、核を出した。

その核を右手で握りしめ、右手から全力の衝撃波を出した。

しかし、ヒビが入る程度だ、破壊には何回も何回も当てる事が必要なのか……

「………!!」

邪神は振り向き俺を睨みつけて、右手で俺を貫こうとする。

スッ……やはり遅い。俺はしなやかな体使いで、右手をかわした。そして、操る能力で邪神の右手と本体を切り離した。

ドンドンドンっ!そして右手を細かく砕いた。

そしたらまた別の核が出てきた。
それをまた右手で握りしめて、衝撃波で砕く。

「クソッ…」

またヒビが入る程度。

そう思っていると、俺の脇腹に向かって邪神の蹴りが飛んできた。

「うっ……」

痛いが……そこまでは痛くない。
ゾルドに足を貫かれたことを思い出せ。それに比べれば遥かに痛くなんかない。

長期戦にはなるが……スピードと攻撃力はムアンよりかは弱いし、ムアンは炎に絡め手もあった。

つまり、あのムアンを乗り越えた俺なら勝てるっ!!

って思いたいが………グラッドが来る。

邪神の魂を取り戻されてしまえば、勝ち目は無い。
全ての神の力を持っているのだ。

つまり……どれだけ早く、こいつを倒せるかってこと。

耐久じゃねえ……タイムアタックだ。


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