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最終章
149.最終地
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そうして、出来上がったのは、非のつけ所がない程の完璧な船だった。
「「「…………」」」
俺たちはもう、驚いて感心するのを通り越して、もはや真顔だった。
収納魔法とは違う、なにか今作りましたみたいな感じ……
どう考えても、木だけで作れる船では無い。
鉄鋼で繋ぎ合わされた部分や、内部の補強のためにも、鉄は必須だろう。
「なぁ………また船か?」
スペアは俺たちに怯えた音色でそう言った。
「残念ながら船だね。もう何が起こっても、驚かないつもりでいこう。」
マリンはそう言って、俺達を励ましてくれた。
だが、励ましの言葉をくれた本人の足がすくんでいる。
「船……普通の移動速度がいいな。」
これは船の呪いだ。
ある時は突風、ある時は磁石、ある時は爆風。
うん、呪いだ。
「さあ、乗るぞ。フレインの手当の時間。取りかせさねばな。」
ユダーラさんは船に乗り始め、俺たちを急かすように言った。
「……はい」
覚悟は決まった。
「―――――お前ら。何があっても、吐くんじゃねえぞ?」
スペアは全力であろう、イケボを出して、名言風に迷言を残した。
やめろ、こっちが恥ずかしい。マリンに関してはドン引きだぞ?
一瞬の凍える空気が流れたあと、俺達は船に乗った。
「穏やかーーー!!本来の船旅って感じーー!!」
マリンは、異常なまでにはしゃぎながらそう言った。
スペアもはしゃいではいないものの、内心楽しんでそうだ。
「なあ……お前ら、俺、世界かかってる戦いすんだけど……?」
と、俺は呟いた
「だからだよ、お前もはしゃごうぜ?」
最後になるかもしれない。
思い出のひとつぐらい作ったって、神様は許してくれるだろう。
そう思った俺は、全力で景色を楽しんだ。
――――――
「……ついたぞ」
ユダーラさんはそう言った。
ついたのはどこかの港だ、分かることはここは魔族の大陸だと言うことと、激戦の会場だったダーハッドを通ったことだ。
「…あれ、クァーナさんの船じゃね?」
どうやら、クァーナさんは先に着いていたようだ。
あと、不思議なのが…小舟だよな…
あんな1人用でこの大海原渡ったやついるのか……
「やっとついた…ちょっとやばい」
どうやらスペアは普通に船酔いが激しいらしい。
「これを被れ、戦争は終わったばっかなんだ。」
ユダーラさんはそう言って、変装用の魔族の顔をもした物を作った。
……これ願神の魂による能力一択だな。
「「「…………」」」
俺たちはもう、驚いて感心するのを通り越して、もはや真顔だった。
収納魔法とは違う、なにか今作りましたみたいな感じ……
どう考えても、木だけで作れる船では無い。
鉄鋼で繋ぎ合わされた部分や、内部の補強のためにも、鉄は必須だろう。
「なぁ………また船か?」
スペアは俺たちに怯えた音色でそう言った。
「残念ながら船だね。もう何が起こっても、驚かないつもりでいこう。」
マリンはそう言って、俺達を励ましてくれた。
だが、励ましの言葉をくれた本人の足がすくんでいる。
「船……普通の移動速度がいいな。」
これは船の呪いだ。
ある時は突風、ある時は磁石、ある時は爆風。
うん、呪いだ。
「さあ、乗るぞ。フレインの手当の時間。取りかせさねばな。」
ユダーラさんは船に乗り始め、俺たちを急かすように言った。
「……はい」
覚悟は決まった。
「―――――お前ら。何があっても、吐くんじゃねえぞ?」
スペアは全力であろう、イケボを出して、名言風に迷言を残した。
やめろ、こっちが恥ずかしい。マリンに関してはドン引きだぞ?
一瞬の凍える空気が流れたあと、俺達は船に乗った。
「穏やかーーー!!本来の船旅って感じーー!!」
マリンは、異常なまでにはしゃぎながらそう言った。
スペアもはしゃいではいないものの、内心楽しんでそうだ。
「なあ……お前ら、俺、世界かかってる戦いすんだけど……?」
と、俺は呟いた
「だからだよ、お前もはしゃごうぜ?」
最後になるかもしれない。
思い出のひとつぐらい作ったって、神様は許してくれるだろう。
そう思った俺は、全力で景色を楽しんだ。
――――――
「……ついたぞ」
ユダーラさんはそう言った。
ついたのはどこかの港だ、分かることはここは魔族の大陸だと言うことと、激戦の会場だったダーハッドを通ったことだ。
「…あれ、クァーナさんの船じゃね?」
どうやら、クァーナさんは先に着いていたようだ。
あと、不思議なのが…小舟だよな…
あんな1人用でこの大海原渡ったやついるのか……
「やっとついた…ちょっとやばい」
どうやらスペアは普通に船酔いが激しいらしい。
「これを被れ、戦争は終わったばっかなんだ。」
ユダーラさんはそう言って、変装用の魔族の顔をもした物を作った。
……これ願神の魂による能力一択だな。
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