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最終章
148.行方不明
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「いる……と思いますけどね、探してきます」
俺は言った。そうだ、まずい。
船から降りたのは確認した。
だがその後は確認していない。
どこかにちょこんと座っている事を祈った。
俺たちは、探すためにこの部屋を出た。
「ドスラーー!!どこにいるんだーー!!」
大声で呼んでも、返事は来ない。
それどころか、物音も何も無く、ほんとに居ないという不安が探すたびに、大きくなっている。
「外にいるだろ、さすがにどっかにはいるぞ。」
と、スペアは言った。
その言葉に従い、俺は本拠地を出て、外を探してみることにした。
出たら、月光に照らされた焦げた家に、草原、壊れている集会所などなど、悲惨なものがあった。
しかし、もっと悲惨なのはドスラーが見つからないことだ。
見渡しはいいはずだ。
そして、俺の視力もいいはずだ。
なのに……
「サイアクを……想定した方がいいかもね」
不安に怯えている様子のマリンはそう言った。
あいつの性格上……魔族の大陸に乗り込んでしまうかもしれない。
というか、ほぼ確だろう。
今のドスラーは復讐心が頭の中を埋めつくしているはずだ。
それに元から、魔族を殺すことに躊躇がなかった。
「邪神の前に……止めるやつがいる。」
俺はそう呟いた。
「今すぐ魔族の大陸に行こう!!もし……ドスラーがいなかったらそれでいい!!行かなきゃ……誰かが死ぬ前に!!」
そう、必死に言った。
大丈夫、まだ間に合う。
それに……いずれ行くところ、大丈夫。
「居ない…か」
後ろから近ずいてきたユダーラさんはそう言った。
「そうなんすよ!船とかあります!?」
俺はそう言っていた、焦りと不安から自分が何を言っていたのか分からない。
「近くの海岸に行こう、今から出す。」
と、ユダーラさんは言って、爆速で海岸がある場所に走っていった。それに続いて、俺たちは歩きはじめた。
……速いな…特殊なことしてないのに。
と、思っていると、スペアは怯えて頼りなさそうにこう、マリンに言った。
「……なあ、俺の周りは化け物みたいな身体能力してる奴しかいないのか?」
「一応…スペアも覚醒しているはずなのに…」
「やめろよぉ…………そこつくなよ……泣いちゃうぞ?」
「でも、根性と忍耐は私が見た中でも、最強だと思うよ?」
「……ありがとう」
と言っていたスペアは2割泣いていた。
そんな話を聞いていると、海岸まで着いた。
しかし……
「………船は?」
俺はユダーラさんに言った。
………え?
「今から作るんだ?」
…………え?
驚いていると、木材が無から生まれ組み立てられ、船の形になって行った。内部や、結合もせず、一発で船がどんどんと作られていった。
俺は言った。そうだ、まずい。
船から降りたのは確認した。
だがその後は確認していない。
どこかにちょこんと座っている事を祈った。
俺たちは、探すためにこの部屋を出た。
「ドスラーー!!どこにいるんだーー!!」
大声で呼んでも、返事は来ない。
それどころか、物音も何も無く、ほんとに居ないという不安が探すたびに、大きくなっている。
「外にいるだろ、さすがにどっかにはいるぞ。」
と、スペアは言った。
その言葉に従い、俺は本拠地を出て、外を探してみることにした。
出たら、月光に照らされた焦げた家に、草原、壊れている集会所などなど、悲惨なものがあった。
しかし、もっと悲惨なのはドスラーが見つからないことだ。
見渡しはいいはずだ。
そして、俺の視力もいいはずだ。
なのに……
「サイアクを……想定した方がいいかもね」
不安に怯えている様子のマリンはそう言った。
あいつの性格上……魔族の大陸に乗り込んでしまうかもしれない。
というか、ほぼ確だろう。
今のドスラーは復讐心が頭の中を埋めつくしているはずだ。
それに元から、魔族を殺すことに躊躇がなかった。
「邪神の前に……止めるやつがいる。」
俺はそう呟いた。
「今すぐ魔族の大陸に行こう!!もし……ドスラーがいなかったらそれでいい!!行かなきゃ……誰かが死ぬ前に!!」
そう、必死に言った。
大丈夫、まだ間に合う。
それに……いずれ行くところ、大丈夫。
「居ない…か」
後ろから近ずいてきたユダーラさんはそう言った。
「そうなんすよ!船とかあります!?」
俺はそう言っていた、焦りと不安から自分が何を言っていたのか分からない。
「近くの海岸に行こう、今から出す。」
と、ユダーラさんは言って、爆速で海岸がある場所に走っていった。それに続いて、俺たちは歩きはじめた。
……速いな…特殊なことしてないのに。
と、思っていると、スペアは怯えて頼りなさそうにこう、マリンに言った。
「……なあ、俺の周りは化け物みたいな身体能力してる奴しかいないのか?」
「一応…スペアも覚醒しているはずなのに…」
「やめろよぉ…………そこつくなよ……泣いちゃうぞ?」
「でも、根性と忍耐は私が見た中でも、最強だと思うよ?」
「……ありがとう」
と言っていたスペアは2割泣いていた。
そんな話を聞いていると、海岸まで着いた。
しかし……
「………船は?」
俺はユダーラさんに言った。
………え?
「今から作るんだ?」
…………え?
驚いていると、木材が無から生まれ組み立てられ、船の形になって行った。内部や、結合もせず、一発で船がどんどんと作られていった。
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