軌跡旅行

2キセイセ

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最終章

147.運命の時間

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……で、どうやって取り込めばいいんだろう?
…聞こう。

「あの……どうやって取り込めば……」

「魂とその岩を接触させるのだ。そう伝わっている。」

……わっかんねえな。そもそも当人がいないから当然のことなのだろう。

おそらく……神に祈ってみるというのが正解かもしれん。
時の岩の時も、祈ったから体の状態が巻き戻ったし。

「…………」

手を合わせて、目をつぶって、祈ってみた。
すると…

「!?」

なにかに吸い寄せられているような感覚…!!
違う!明らかに吸い寄せられている!

俺は祈った岩に吸い寄せられている。それだけがわかった。

「……なんか、神秘的だ……」

おいコラ、何感心してやがるスペア。こっちは死ぬかもしれんのだぞ。少し苛立っていると、先程までの吸い寄せが止まった。

「……いや、神秘的だぁ…」

ひとまず俺は落ち着いて、岩を見ていると、岩から俺に向かって、光が吸い寄せられていることがわかった。神秘的だな。

「…神が正しき器を選んだということだ」

…………ああ、なんか……乗っ取られたというか、別の意思が1つあるような気がする。

神の魂が浮き出そうとしている感覚が俺を襲う。

力が、体から溢れ出てきそうで怖い。


そして……意識が飛ぼうとする。

「……よくやった、フレイン」

と、ユダーラさんが言ったところで俺は意識を失った。

―――――――





「ううん……」

一体、どれほど時間が流れただろうか?
気ずけば意識を失って居るが……死んでいない。

成功したのか……

「やっと……目を覚ました」

マリンは泣きながらそう言った。

「泣くなよ、お前が治療たから確実だったろ?」

スペアは少し嬉しさが混じった笑いをして、言った。

「成功……ですか?」

一応のため、聞いてみた。
そしたら、ユダーラさんは俺を見てこう言った。

「成功だ。よく耐えた」

「はい……ありがとうございます。」

…なにか……色々出来そうな気がするが、やめておこう。
マジで本で見た、物を操る、とか何とか出来そうな感じがする。

「よいしょ」

試しに、近くに落ちていた、老朽化の証である瓦礫を遠距離から持ち上げてみた。

「!?」

マリンとスペアは腰を抜かして驚いていた。

「……俺が…力を操れるようになったのか。」 

俺はそう呟いた。
おそらく、神が体の中に入っている。
言わば、俺自身が神になったような感じだ。

「……邪神を滅ぼす覚悟は?」

そう、ユダーラさんが俺に問いかけた。
もちろん答えは決まっている。

「十二分にあります」

そう言ったら、ユダーラさんは微笑んでいた。
期待に応えてくれたように。

「そういえば、ドスラーは?」

「ああ、あいつなら船から降りてるし、どっかには…」

……いるはずだよな?


    
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