軌跡旅行

2キセイセ

文字の大きさ
上 下
151 / 169
最終章

147.運命の時間

しおりを挟む
……で、どうやって取り込めばいいんだろう?
…聞こう。

「あの……どうやって取り込めば……」

「魂とその岩を接触させるのだ。そう伝わっている。」

……わっかんねえな。そもそも当人がいないから当然のことなのだろう。

おそらく……神に祈ってみるというのが正解かもしれん。
時の岩の時も、祈ったから体の状態が巻き戻ったし。

「…………」

手を合わせて、目をつぶって、祈ってみた。
すると…

「!?」

なにかに吸い寄せられているような感覚…!!
違う!明らかに吸い寄せられている!

俺は祈った岩に吸い寄せられている。それだけがわかった。

「……なんか、神秘的だ……」

おいコラ、何感心してやがるスペア。こっちは死ぬかもしれんのだぞ。少し苛立っていると、先程までの吸い寄せが止まった。

「……いや、神秘的だぁ…」

ひとまず俺は落ち着いて、岩を見ていると、岩から俺に向かって、光が吸い寄せられていることがわかった。神秘的だな。

「…神が正しき器を選んだということだ」

…………ああ、なんか……乗っ取られたというか、別の意思が1つあるような気がする。

神の魂が浮き出そうとしている感覚が俺を襲う。

力が、体から溢れ出てきそうで怖い。


そして……意識が飛ぼうとする。

「……よくやった、フレイン」

と、ユダーラさんが言ったところで俺は意識を失った。

―――――――





「ううん……」

一体、どれほど時間が流れただろうか?
気ずけば意識を失って居るが……死んでいない。

成功したのか……

「やっと……目を覚ました」

マリンは泣きながらそう言った。

「泣くなよ、お前が治療たから確実だったろ?」

スペアは少し嬉しさが混じった笑いをして、言った。

「成功……ですか?」

一応のため、聞いてみた。
そしたら、ユダーラさんは俺を見てこう言った。

「成功だ。よく耐えた」

「はい……ありがとうございます。」

…なにか……色々出来そうな気がするが、やめておこう。
マジで本で見た、物を操る、とか何とか出来そうな感じがする。

「よいしょ」

試しに、近くに落ちていた、老朽化の証である瓦礫を遠距離から持ち上げてみた。

「!?」

マリンとスペアは腰を抜かして驚いていた。

「……俺が…力を操れるようになったのか。」 

俺はそう呟いた。
おそらく、神が体の中に入っている。
言わば、俺自身が神になったような感じだ。

「……邪神を滅ぼす覚悟は?」

そう、ユダーラさんが俺に問いかけた。
もちろん答えは決まっている。

「十二分にあります」

そう言ったら、ユダーラさんは微笑んでいた。
期待に応えてくれたように。

「そういえば、ドスラーは?」

「ああ、あいつなら船から降りてるし、どっかには…」

……いるはずだよな?


    
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

この異世界には水が少ない ~砂漠化した世界で成り上がりサバイバル~

無名
ファンタジー
 前世の記憶を持って生まれた水瀬蒼(みなせあお)は、世界に数人しか発現しない“水魔法”を持っていた。蒼が生まれた世界には魔法があり、資源も豊かだったが、唯一、「水」が不足していた。戦争で水不足となり、砂漠化が進んでいる世界に、蒼は生まれた。ただ、蒼は村人に奴隷のようにこき使われていて、魔法のことがばれたら、もっとひどい目に合うと思っていた。皆に必要とされる水魔法を持ってはいたが、蒼はその力を隠し、10歳の時、一人村を出る決意をした。これは、水が少ない世界に生まれたチート魔法使いの物語である。

異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く

りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!

骨董姫のやんごとなき悪事

神原オホカミ【書籍発売中】
ファンタジー
復讐はきちんと手順を踏まないと。 聖公爵と呼ばれるいにしえの一族の血を引く16歳の少女、ココ・シュードルフ。 彼女は古道具の声が聞こえる体質だが、母を亡くし化け物と呼ばれる見た目になってしまったことにより、実父と継母・義姉に嫌厭されて使用人として扱われていた。 ある日、国王の財宝を管理するノア・ランフォート伯爵がやってきたことにより、ココの日常は一変する。 ココはノアとともに自分を蔑んできた者たちに復讐をするため動き出す。 復讐を誓う少女×少女に忠誠を誓う美青年 骨董品を中心に繰り広げられる ダークファンタジーです。 内容が無理な人はそっと閉じてネガティヴコメントは控えてください、お願いしますm(_ _)m ※この物語はあくまでファンタジーでありフィクションです。 実在する、人物.地名.団体、宗教、史実とは一切関係ありません。暴力や犯罪行為を助長する意図はありません。 暴力的な表現がありますので、苦手な方はご注意ください。 ◆レーティングマークは念のためです。 ◆表紙画像は簡単表紙メーカー様で作成しています。 ◆無断転写や内容の模倣はご遠慮ください。 ◆文章をAI学習に使うことは絶対にしないでください。 ◆アルファポリスさん/エブリスタさん/カクヨムさん/なろうさんで掲載します。 〇構想執筆投稿:2024年

異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース
ファンタジー
主人公の青年、藤堂飛鳥(とうどう・あすか)。 彼は、新発売のVRMMOを購入して帰る途中、事故に合ってしまう。 だがそれは神様のミスで、本来アスカは事故に遭うはずでは無かった。 神様は謝罪に、チートスキルを持っての異世界転生を進めて来たのだが・・・。 アスカはそんなことお構いなしに、VRMMO! これは、神様に貰ったチートスキルを活用して、VRMMO世界を楽しむ物語。 異世界云々が出てくるのは、殆ど最初だけです。 そちらがお望みの方には、満足していただけないかもしれません。

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?

処理中です...