軌跡旅行

2キセイセ

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第四章 集結編

115.誓い

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俺は彼の名を呼んでみた、しかし返事は無い。

「なぁ………………なに…してんだ?」

ドスラーの近くには血がついている壁があった。
そして、ドスラーの手は血だらけ。
何回も何回も壁を殴ったのだろう。

「……………うるせえ」

ドスラーは小声でそう言った。
そしてこう続けた。

「…………お前は間違ってんだ、俺が正しかったんだ。」

「……んだよ、何が…言いたいんだ……?」

その時、ドスラーは目を見開き、力強くこう言った。

「魔族を滅ぼす。元々の目標に戻っただけだ。」

ドスラーの目や声を見たら、あの時、初めてあった時よりも恐怖や、苦しみ、殺意を感じれた。

「…………」

何も言えない、予想していたよりも酷かった。今の彼の状態なら死んでしまってもおかしくない。

それでも生きているのは殺意だろう。
そしてドスラーは俺から目を背けてこう言った。

「どこかに行けよ、フレイン。」

「…………ああ」

俺は言われるまま扉を開けて、ドスラーから離れたマダラさんのところにきた。

「どうだった?ドスラーは?」

マダラは俺にそう聞いてきた。

「…………なんというか…どうすればいいんでしょうか?…彼はもう……」

「言いたいことは分かる、ドスラーはもう手遅れだ。ここに魔力がある、これはあいつの殺意による決意だ。決意で覚醒した」

そう言うと、マダラはここに落ちている魔力を見せてきた。

「………とりあえず、俺は上に行きます。」

耐えられなかった。
俺は上に行って本拠地を出ることを選択した。
これを言った頃にはもう、階段を上っていた。

3階、2階、1階

しばらく上ったら俺は、本拠地を出ていた。
何も考えたくない。仲間がどんどん死んでゆく。
不幸な目にあってゆく。

「…………クソ」

俺は近くの地べたに座って、呟いていた。何も出来なかった自分が悔しくて、不幸をばらまいてる自分が憎くて。

そんな俺を気にしたのか、スペアが俺の隣に来てくれて、言った。

「………まぁ、休めよ。」

こんな目にあったとしても、こんな優しい言葉を言ってくれた。
良い友人を持った。

自然と涙が出る。もう限界だったんだ。

「ごめんな………俺が特別な人間だったから、狙われて、迷惑かけたり、巻き込んだりしてるのに。弱くて、守れなくて!………最低だよな……?」

俺が本音の弱音をつい言った瞬間、スペアは笑ってこう言った。

「弱音言えんじゃん」

っ!?ずっと、心の中に留めておいたものが晴れた気がする。

俺は涙をふいて、前を向いた。

空の快晴に誓って俺は心の中で言った。

必ず、マリンを取り戻し、この魔族と人間の戦争を真の平和で終わらせると。


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