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第四章 集結編
114.復讐者
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「そういや、ドスラーは?」
俺はふとした拍子にそう言った。
普段、誰かと行動しているドスラーが居ないのだ。
絶対、マダラさんについて行ってると思っていたのに………
「ああ、ドスラーか?あいつなら本拠地にユダーラさんといる」
「へぇぇー、まあでも居場所がわかっているなら安心ですね」
「まあ、そう思うよな………」
マダラさんは下を向いて、仮面越しでも伝わるぐらいの不安や焦り、絶望を感じていた。
「えっ……?何かあったんですか?」
「あいつは…………ゼロマジックに入るまでは、ずっと1人だったんだ。」
「そうなんすね………」
「やっとできた仲間が"魔族による襲撃"で失われたらどうなる?」
「…………………え?」
察した、元より酷くなってしまった。過去のトラウマを思い出してしまった。原因は分からないが、なににしろ治りかけつつある、"魔族への殺意"が、また出てきてしまったんだろう……
「………」
何を言えばいいか分からない。
マダラさんも相当やられているはずだ、精神がおかしくなってもおかしくないはずだ。
「…まあ、正気どころか、平然とできる俺が1番おかしいんだけどな。」
マダラさんは自分を馬鹿にするような笑いをしながらそういった。
「……」
あのおちゃらけたスペアですら無言になっている。
ひしひしと不安や、苦労が伝わってくる。
そんな空気になりながら、俺達は2時間ほどして本拠地に来た。
俺はここの悲惨な現状を見て自然と言葉が出た。
「うわぁ………焼け野原だ……」
「フレイン、よく生き残ったな。こんな戦場で」
「奇跡的だな……」
「ほんとお前、悪運強いよな……」
「スペアもだろ、なんか運命に生かされてる感じするな」
そんなことを話しながら、俺達は歩き、本拠地の入口のスティール宅まで来た。
「おっと、魔族の奴ら。ここから先は絶対に入るな。最悪死ぬ。」
マダラは忠告した。忠告するようなことは無いはず………ないはずと信じたい。まさか…な……?
俺達は本拠地である地下への階段を下って行った。
下って下って、周りを見ているとやけに武器や鎧、ゼロマジックの技術である銃すらもなくなっている。
地下2階、荒れた食堂や訓練室、何か、誰かが暴れた跡がある。
おそらくマリンを拉致した奴らだろう
地下三階、俺の部屋に来た。何か実体化した魔力が見える。
誰のだろうか。
ドンッ!!誰かが何かを殴っている音がする。
人の影がある。
俺は恐る恐る、その影の主に近づくと………その主は俺の方を見た。
そこには、乱れた髪に、汚れた服、血だらけの手。
そして、何日も寝ていない人の目の隈。
俺は見覚えがあった、そいつの名前を呼んでみた。
「…………ドス…ラー?」
俺はふとした拍子にそう言った。
普段、誰かと行動しているドスラーが居ないのだ。
絶対、マダラさんについて行ってると思っていたのに………
「ああ、ドスラーか?あいつなら本拠地にユダーラさんといる」
「へぇぇー、まあでも居場所がわかっているなら安心ですね」
「まあ、そう思うよな………」
マダラさんは下を向いて、仮面越しでも伝わるぐらいの不安や焦り、絶望を感じていた。
「えっ……?何かあったんですか?」
「あいつは…………ゼロマジックに入るまでは、ずっと1人だったんだ。」
「そうなんすね………」
「やっとできた仲間が"魔族による襲撃"で失われたらどうなる?」
「…………………え?」
察した、元より酷くなってしまった。過去のトラウマを思い出してしまった。原因は分からないが、なににしろ治りかけつつある、"魔族への殺意"が、また出てきてしまったんだろう……
「………」
何を言えばいいか分からない。
マダラさんも相当やられているはずだ、精神がおかしくなってもおかしくないはずだ。
「…まあ、正気どころか、平然とできる俺が1番おかしいんだけどな。」
マダラさんは自分を馬鹿にするような笑いをしながらそういった。
「……」
あのおちゃらけたスペアですら無言になっている。
ひしひしと不安や、苦労が伝わってくる。
そんな空気になりながら、俺達は2時間ほどして本拠地に来た。
俺はここの悲惨な現状を見て自然と言葉が出た。
「うわぁ………焼け野原だ……」
「フレイン、よく生き残ったな。こんな戦場で」
「奇跡的だな……」
「ほんとお前、悪運強いよな……」
「スペアもだろ、なんか運命に生かされてる感じするな」
そんなことを話しながら、俺達は歩き、本拠地の入口のスティール宅まで来た。
「おっと、魔族の奴ら。ここから先は絶対に入るな。最悪死ぬ。」
マダラは忠告した。忠告するようなことは無いはず………ないはずと信じたい。まさか…な……?
俺達は本拠地である地下への階段を下って行った。
下って下って、周りを見ているとやけに武器や鎧、ゼロマジックの技術である銃すらもなくなっている。
地下2階、荒れた食堂や訓練室、何か、誰かが暴れた跡がある。
おそらくマリンを拉致した奴らだろう
地下三階、俺の部屋に来た。何か実体化した魔力が見える。
誰のだろうか。
ドンッ!!誰かが何かを殴っている音がする。
人の影がある。
俺は恐る恐る、その影の主に近づくと………その主は俺の方を見た。
そこには、乱れた髪に、汚れた服、血だらけの手。
そして、何日も寝ていない人の目の隈。
俺は見覚えがあった、そいつの名前を呼んでみた。
「…………ドス…ラー?」
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