軌跡旅行

2キセイセ

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襲撃編

99.彼の過去

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「あっ、まだまだやることが」

そう言ってムアンは、手をできるだけ大きくした。
大きく大きく、気ずけば影におおわれていた。

「!?」

タイラドとドスラーは驚きながらも冷静でいた。

「タイラド!逃げろ!!ほら背中に乗れ!!」

ドスラーはタイラドを背中に乗せようとした、が、タイラドが頑なに断っている。

「なんで乗らねぇんだ!!」

ドスラーはタイラドにそう問いかけた。

「だって……………マダラ副隊長が…………」

えっ……マダラさんが!?
俺は先程マダラさんがいた方を見た。そしたら…………マダラさんが倒れていた。

そして、ドスラーはこう言った。

「それでもお前だけでも助ける!!俺は借りた恩を返したい!!」







――――ドスラー視点.3年前―――――


「死ねよ!人間が!!」
「このクソ野郎が!!」

なんで、なんで生まれただけでこんなことを言われるのだろう。
ここは魔族の街、ここで生まれた人間は俺だけだ。

父も母もいない、もっと言えば魔族の襲撃で死んだ。
生まれた頃からコソコソ生きてきた。

でも、外に出る勇気は無い。物資もない。外に出たら死ぬ。

魔族にゴミのように扱われ、いつしか魔族を憎んでいた。

そんなこんなで、ある紙を見つけた。
その紙にはこう書かれていた。

『魔族対抗組織ゼロマジック招待状』
という言葉と、地図が書いてある。

そして、ある地点でバツ印が書かれてあった。

「ここに行けば……こいつらを……」

そう思い俺は招待状に書かれた地点に行った。

――――――3時間後―――――

ここか…………情報的にここの家の地下だよな………

「失礼します………」

俺は本拠地であろう場所に入った。

「ん?あの少年。情報にいたか?」

「いや、いなかったはず」

仮面の男と中年の男は困惑してそう言った。

「いや、良い。この少年は強いぞ」

奥にいる寝たきりの男はそういった。

「しかし………少年にはまだ危ないんじゃ。」

中年の男は少し焦りそう言った。

「あのっ!入りたいです!」

俺はそう言った、今まで出た声で1番でかかったと思う。

「はぁ………保護だけだからな」

良かった、入れた。

俺はそう思い、一息ついた。

「まずどうしてここがわかった?」

そう、仮面の男に言われた。

「なんか…………招待状?の場所に行ったら……」

俺はそう言うと、他の人たちは少し困ったような様子だった

「まあ、これも何かの運命だ。受け入れてやろうじゃないか。」

そう寝たきりの男が起き上がり言った。

そういう感じで俺はゼロマジックに入れた。
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