軌跡旅行

帰還編

55,再度、カッテス村

俺はそう言って、村の門に向かって歩き出した。

「アカリに会えたらいいな」

俺はそう思いながら歩いていた。

「ついたー！」

俺らは村にたどり着いた。久々の故郷だ。嬉しいなぁ。

「おう……久しぶりじゃな、フレイン殿」

村長が話しかけてきた。

「はい、お久しぶりです。」

俺は挨拶をした。

「して、そちらの方々は……」

村長が俺たちの後ろにいるゼロマジックの人たちに視線を向けた。

「ああ…えっと…魔族に対抗する組織の人たちです。結構大規模の…」

「おおっ！人間にも少しは希望もあるのかの…」

「まあ……そんなところですかね」

俺は苦笑いをしながら答えた。

「よろしくお願いします、村長さん」

マリンが丁寧に挨拶をした。

「はい、こちらこそよろしくですな」

村長が頭を下げた。

「して……フレイン殿、話は聞いたぞ。私達の無念を晴らしてくれたんだな、本当にありがとう。」

「……あっ…そんな…。」

俺は笑顔で答えた。

「本当に、サキーラを倒してくれてありがとう。」

村長さんは俺に礼を言い続けた。

「サキーラはほんとに強かった…俺がいないと勝てなかった…」

スペアは言った。スペアも本当にありがたいことをしてくれた。

「しかし、なぜここに来たのだ？ここはもう安全になったはずだが……」

村長は疑問を口にした。

「私達も…すこし旅を終えまして…」

俺は苦笑いをしながら答えた。

「そうなのか……それは大変だっただろうな」

「いえいえ……それほどでもないですよ」

俺はまた苦笑いをして、そう答えた。

「それで………俺たちに…居場所ないんすよね。」

「どうかしたのか？」

村長が心配そうな顔をして俺らを見た。

「ああ……実は……俺らは結界つらいんすよ…ほら、マリンが魔族だから」

俺はそう言ってマリンの方を見た。

「そうか、そういうことだったのか」

「はい……それでしばらく泊めてもらっていいですか？」

「もちのろんじゃ、好きなだけ泊まってゆくがよい」

村長がそう言うと、後ろからマダラの声が聞こえた。

「俺たちは本拠地に帰る、サッチャー、フレイン達の護衛についてくれ。」

「了解、任せてくれ。」

サッチャーが力強く返事をした。

「お世話になります…」

マリンがお辞儀をした。

「いやいや、これも世界のためだもんな！」

サッチャーが言った。そして、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた！

「何日かぶりだね！あれからの話聞かせてよ！」

アカリは目を輝かせていた。

「うん、いいよ。」

俺は笑顔で答えた。みんな…疲れが取れたのだろうか、本当にぐったりした様子だった。

「おぉー！！やったぁ！！」

アカリが飛び跳ねて喜んでいた。子供みたいだ。

「では、早速俺の活躍から…。」

スペアはそう言って長話を始めた。あることないこと話した。