軌跡旅行

第2章 エルフ編

43.防衛戦

俺は構えた、しかし……ドベルの後ろから、大量の軍が出てくる！

「おいっ！なんなんだこいつらは！！」

俺は思わず叫んだ。

「お前たちを倒すために集めた、死んでおしまい、ゼロマジック！」

俺とスペアとマリンは冷や汗を流してものすごく焦っていた。しかし、マダラとドスラーは焦る様子もなく、むしろ作戦通りといった表情をしていた。

「まずいぞ……このままだと全滅する……」

「どうしよう……」

「フレイン、落ち着け、ドスラーがなんとかしてくれるさ。」

……マダラと目を合わせていった、その目は焦りのかけらも感じられない！もっと焦ってくれ！てか俺自己紹介したっけ！？

「マダラさん！俺に丸投げっすか！？」

「あぁ、任せたぞ。」

「なんだよそれー！」

ドスラーは大群に一人で向かっていった。

大丈夫か…あいつ…

「おい！お前ら！！俺が相手だ！！！」

ドスラーはそう叫んでいた。手を上にあげ、魔法を唱えた。

「雷よ！我に、全能の力を！ライトニングロード！！！」

すると、一瞬の光がピカッと目に届いた後、強大な落雷が雷鳴を鳴らし魔族の大軍を襲った。

「ぐわああああ！！！」

「うおおぉ……痺れ…………」

「目が……見えない……」

「ふぅ……」

ドスラーは一息ついた。

「だめだ収納分全部使っちゃいました…」

「よくやった。あと詠唱なんてしても別に威力とか何も変わらないからな」

「そっちの方がかっけーじゃないすか」

ドスラー……中二病…だっけ？流石に引くわ……なんでスペアは目を輝かせてんだよ…

「ごめん、ダサい」

マダラさん、辛辣…！

「………………え？」

ドスラーは呆気に取られた顔をしていた。

「……あ……うん……まぁ……うん……そうなんだけど……」

「……」

「まぁ…わっ…私は…かっこいいと思うよ……？」

まあ…いいや！とにかく、これで魔族の大軍は蹴散らしたわけだ、残すはドベルだけ！

「ああ…動けない…」

ドスラーはぐったりとした。

「やりやがったわね！私の努力を！！」

ドベルはそう言って、寝転んでいるドスラーに杖を刺そうとした！

「おっと……」

そう言ってマダラは杖を弾いた、そして流れるように、ドベルを串刺しにした。

「よくも！！でもね…その剣は使い物にならないよ！」

ドベルは刺されたところから蒸気をだして、マダラの剣を溶かし、それをドスラーに投げつけた。

「くっ……！」

俺はすぐにドスラーの体を持ち上げ、後ろに下がった。

「大丈夫か！？」

俺はドスラーに呼びかけた。

「お前に助けられるぐらいならマダラさんに助けてもらいたかったぜ」

よかった………クソ口悪いけど。

「この野郎……！」　

俺たちはドベルを倒すことだけに集中していた。

しかし…マダラだけは、何かを見据えていた。

「のんきにしている場合ではないぞ……何かがおかしい、俺たちが来ることをわかっていたなら、こんな少数で神の岩を狙うわけがない…」