軌跡旅行

2キセイセ

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第2章 エルフ編

41.古き魔族

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「……そう……ですか……」

「……魔族の歴史を知りたいか?」

「はい……」

俺は知りたかった、魔族と人類の戦争のことを……

「良い返事じゃ。さて…200年前に邪神が人類を滅亡させかけたのは知っておるか?」

「はい」

「そこから、わしは魔王になった。」

「そうですか……」

俺はその話を聞きながら思った……やっぱり、俺達と同じような感じなのかと……

「そこからは平和じゃ、人類にとってもな。」

「そう……なんですね」

俺は少し安心した。クァーナさんは続ける

「それから150年くらいは、みんな幸せだった。わしもな」

「そう……ですか」

「ある時じゃった、国家転覆が始まったのは」

クァーナさんは話を続けた。

「ある日のことじゃ……突然わしらの国でクーデターが起きた。最初は小さなことだったが、どんどん規模が大きくなっていった」

「それで?」

「国家転覆じゃ、裏切る者もいれば、逃げ出す者もいた。奴らは……邪神の復活を目論んでいた。」

その計画を聞いたとき、ドスラーは何か心当たりがあるように、こういった

「それって……今の魔族の計画じゃねえか!?」

「あぁそうだ、その通りだ。六魔王、三魔天みたいな階級も立て、魔族を支配した、今思えば、邪神の復活なんて戯言に過ぎなかったのかもな…」

クァーナはそういった……

「戯言?」

「邪神の復活を建前にして、世界を支配するのが、奴の目的だろうな。」

「奴?」

「ああ、奴の名は…ムアン」

「ムアン……あの、ムアンですか?」

「ああ、そうだ、ムアンだ。」

「えっ……?」

俺は驚いた、まさかここでその名前を聞くとは思ってなかったから……

「奴は相当頭が切れる、自分と同等の階級を作ることで、強き者が、反乱するという気持ちをなくしている」

「つまり………魔族も被害者ってことか?」

「ああ、そういうことだ。」

「……」

俺は何も言えない……

「だから……あんたには感謝しているよ、マダラ」

「えっ?」

「ゼロマジックNo.2、総指揮を取っているマダラ…じゃよな?」

マダラは、少しうなずきながら返事をした

「名前を覚えていてくれてありがとう。これからも平和を守っていこうじゃないか」

「わかっとるわい、回復しないといけない体なのに、ジジイの長話に付き合ってくれてありがとな、若いもん」

「いえ、こちらこそ貴重な情報をありがとうございました。」

「フォッフォッフォ、いいってことじゃよ」

「また、いつか会おうぜ」

「えぇ、そうですね」

俺たちは、そう言って時の岩に向かった。
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