軌跡旅行

2キセイセ

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ウィーダム編

37.ROUND1

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「うそ……だろ……」

俺は急いで外に出ると……

街は…炎に包まれていた。

「一体……何が起こってんだよ………まさか…奇襲!?」

俺は外を見た、すると街の至る所から火の手が上がり、人々が逃げ惑っていた。

「くっ!起きろ!お前ら!」

俺がそう言うと、スペアが起きてきた。

「なんだ?……この騒ぎは……」

「敵襲だ!止めに行こう!」

「ああ、行くぞ!」

俺らは宿を出て、戦場に入った。

「なんだ…あれ?」

黒い煙で空が見えない。熱い、とにかく熱いのだ。俺は汗を流しながら走っていた。

俺は、一番炎が多いところに来た。そこにはマダラと…真っ黒な体の長身で、緑色の瞳をした単眼の魔族が争っていた。

「…ムアン、そろそろ…諦めたら…どうだ…?」

「そんなボロボロを前に、諦めるとかできねぇなぁ、灰になってくれ」

「……」

バシュンッ!

「……!?」

ドサッ……

「…………」

「…………」

突如、ムアンの頭が落ちた。俺は言葉を失った。目の前で起きたことが理解できなかった。

「……おい……何やったんだよ……」

スペアが言った。

「お前ら…なんで港に行かなかったんだ…」

マダラが俺に向かってそう言ってきた。

「いや………その…」

その時、マダラの首がムアンの死体から伸びた手に掴まれた。

「ぐあっ!」

「何やってんだか…俺の能力は何回も見たはずだよなぁ…」

ムアンの切られたはずの首がある。俺にはわかる、ここで生き残ることは…無理だ。

「逃げろ!フレイン!」

マダラに言われた通り、俺はマリンとスペアを連れて逃げ出した。

「あ~あ……」

ムアンは俺らの方を向き、こう言った。

「……はぁ……はぁ……行かせるか!」

「そんなにそいつらが大事か?」

バシュッ!

「うおっ!?」

ムアンは、突然腕を伸ばした。そこにはスペアがいた、スペアの足を掴んだ。

「おい!離せ!」

スペアが叫んだ。マダラはそれに反応し、ムアンの腕を切り落とした。

「スペア!」

「なあに、足に重りがついた程度だ!」

しかし…切り落としたはずのムアンの手は、炎をまとった。その炎はスペアの足を焼き尽くす。

「ぐわあああ!!!」

「スペア!!」

「スペア!!しっかりして!」

スペアは片膝をついた。

「ちっ…………」

スペアは立ち上がれなくなっていた。

「マリン!回復できそうか?!」

「無理…だって…足が、足首が…溶けてなくなってる。」

「くそ!どうすれば……」

「……」

俺は、スペアを背負い走り出した。

「やっぱサキーラを倒したやつはしぶといな。これじゃあ、部下の落とし前がつかんな。」

そう言いながら、ムアンは黒い物体を投げつけてきた。

「うっ!」

俺はなんとか躱したが……なんと後ろから黒い物体が飛んできた、俺はそれに当たってしまった。

ジューという音とともに俺の服が燃えていく。先程の黒い物体が火に変わっていた

「うわああああああ!!!!」

目的も、攻撃手段も、何もかもがわからない。俺の思考は絶望という2文字で埋め尽くされた。
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