軌跡旅行

2キセイセ

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ウィーダム編

35.予言

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「みんな…それぞれ故郷があるんだよね。」

マリンがボソッと言った。

「そういえば…フレインのお父さんは見つかったの?」

マリンが心配して聞いてきた。

「見つかったっちゃ…見つかったけど…」

「どうしたの?」

「いや………まあ……ね?でも、可能性はあるから!」

俺はあの時の光景を思い出しただけで吐き気がする。

マリンは俺の父さんの存在に気づいた

「あっ……もしかして………いや、何でもないよ。」

俺はマリンが少し考えてるように見えた。

「とりあえず、その…出会った異変が起きた人達は…しっかりしたところに預けよ。サキーラもいないから、預けても大丈夫だから」
「うん……そうだな」

そう言って俺たちはその場を後にした。


ーーーーーー


俺は市役所的な場所に行き、化け物となってしまった人々を預け、市役所をあとにした。

「さっきの話だけど……」

「どうした?」

「もしかして……フレインの父親って……」

「…………」

俺は黙ってしまった。

「ごめん!今の忘れて!」

「……いや、話す、話させてくれ…誰かに言わないと……耐えられない」

「……うん」

俺は父さんのことについて話した。

「俺の父は……俺が生まれた時にはもういなかったらしい。母さんは…いない、拾い子だったらしい。それで、ずっと一人で俺を育ててくれたんだ。」

俺は涙目になりながら、必死に話をした。

マリンはこれからのことを察してくれたようだ。

「この話は終わりにしよ。フレインはこれから……どうしたい?」

俺はしばらく考えた後、こう答えた。

「俺は…魔族が、許せない。」

「……父さんを殺したも同然のことをしたんだ。しかも、デージャとか…カッテスとか行ってわかった、世界は魔族に支配されている。俺は……この世界の運命を変える!」

「フレインの気持ちは分かったよ。危険な旅になるね。」

「ああ、でも……俺には仲間がいる。心強いよ、お前らは。」

「そう、ならよかった。」

マリンは笑顔だった。心の底から笑顔だった。

「そうと決まれば!まずは休むぞぉー!」

「そりゃ疲れてるよね、宿はこっちだ。」

俺はそう言ってマリンについて行った。


ーーーーーーー


「ここが宿屋だよ。」

そこは、普通のホテルのような建物で、一階にはレストランがあった。

「じゃあ、ここで待ってて。私はスペアを寝かしに行くから」

そう言って、スペアはマリンに担がれながら寝室に行った。

「はぁ…時の岩に祈ったら、泣いても笑っても俺の旅は終わりか…戦いは始まるけどな…」

俺はそう呟いた。

「ん?心が重そうだな、なんかあったか?」

「いやぁ…すっごいあったんよ、希望はあるから…そこまで重くないけど……………てか、あんた見知らぬ人を気遣うなんていい人なんだな」

その人は、特徴的な仮面をかぶっていた……前、カッテスに行った時に助けてくれたマダラさんだ。

「あっ!あの時の!」

「久しぶりだな。」

「なんでここに?」

「先に言っておこう、明日の午前4時に襲撃が来る」 

俺はこの言葉を聞いた時、反射的に言った。

「え?今何て言った!?」

というリアクションしかできなかった。

「明日の4時に襲撃がある」
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