軌跡旅行

2キセイセ

文字の大きさ
上 下
2 / 169
第一章 結界編

2.未確認の魔法

しおりを挟む
コンコンコンッ、3回、ドアのノックがなる。

「スペアかな?」

「どうしたんだろう?こんな時間に。」

マリンと一緒に扉を開けるとそこには、見たことのない鎧の着た兵士らしき人がいた。

「ここで、魔族と人間のハーフを見なかったか?小さい翼と角が生えた、赤い髪の長髪で赤い目をした奴。」

「いや、見てないです」

俺が嘘をつく、奴の言っている人はおそらくマリンのことだ、マリンの存在がバレると…マリンは殺されるかもしれない。

「そうか、ならその嬢ちゃんは何だ?」

「あっ、この子は、僕の妹のマリンです。両親が死んでしまったんで僕が育ててるんです。」

「ほぉ~ん、妹ねぇ~」

なんだこいつは……なんか凄く嫌な雰囲気を感じるぞ……。

「じゃあなんで、角が生えているのかなぁ?」

「えっと、それについては……」

俺は言い淀む。嘘をつくにしても本当のことを言っても、どちらにせよ危険だ。

「俺はなぁ~、王国騎士団長のガウェイン様、あんた…噂の魔族とのハーフか……。単刀直入に言う、殺しの許可が出た。」

そう言うと剣を抜き、斬りかかってくる。俺は咄嵯に避けたが、頬から少し出血する。

「フレイン!!大丈夫!?」

「くそ…」

痛くはない…それでもわかる、こいつには勝てないと。そして、俺の精神を折るかのように、ガウェインは俺に語りかけてきた。

「なあ…魔法も開花していないお前が俺に勝てるわけねえだろ?諦めてその嬢ちゃんを引き渡しな。」

「断る!!」

マリンを守らないといけない。それに、こいつに負ければきっとこいつらはマリンを殺すだろう。

「じゃあ死ね!」

また襲いかかってくる。今度はしっかり見極める……。
 ブンッという音とともに俺に刃が襲う、それを間一髪で交わしている。しかしすぐに次が来る。だめだ!やつに勝てない!!

「はっ!安心しろ、その女を殺してお前も地獄に送ってやるよ。」

俺は怒りに任せて殴りかかるが、簡単に避けられてしまう。

「無駄だっての」

ドゴッ 腹に蹴りを入れられ、地面に倒れ込む。

「ぐっ……ゲホッゴホ……うっ……」

「これでわかったろ、お前じゃ勝てない…さて…ハーフを始末するか」
 
「……やめて………けて…フレイン…」

「命乞いなんて無駄だ、死ね!」

そう言って、ガウェインはマリンに斬りかかる。それはマリンの腕の肉を削った。

「ああぁぁあ!!!」

マリンはこれまでに聞いたことのないぐらいの大きな声で悲鳴をあげている。
マリンから助けを求められた瞬間から、俺はこの考えに支配されていた。殺す、こいつは殺してやる、強く願った、強く強く願った。

「やめろ!!殺すぞ!!」

「うるせえなぁ、さっさと身柄引き渡せばよかったのに…」

「あんたらなんかに、絶対に渡せない!!」

「そうか、ならもっと痛い目にあうだけだな」

「うるさい!死ねゴラァ!!!」

俺は奴の鎧を殴った。その時、奴の鎧が粉々に砕け散った!

「ごふぁ!」

そして、血も吐き出し、その後気絶した。

「マリン!!!大丈夫か!!??」

「大丈夫…怖かった…」

「良かった……」

俺は安心した

「それにしても、なに?あの攻撃、すっごいかっこよかったよ!フレイン」

「ありがとな、でも……」

そう、俺の攻撃は奴の鎧を破壊した。だが、それは何がどうなってそうなったのかは全然わからない。それに、マリンが心配だ。

「私の回復魔法で腕の回復できるから安心して。心配かけてごめんね、フレイン」

「痛かったろ、大丈夫か」

回復できるとはいえ、絶対に痛いだろう。無理に笑うマリンの顔を見て、とても辛く悔しい思いになった。

「それにしても何だったんだ…あの力?」

俺はこの鎧の破壊するようなパワーがある人ではない。だからますます謎なのだ。まさか…魔法が開花したのか?

「多分、魔法の開花だよ。それも、未確認の!」
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

空の足跡~a record of sky

はらぺこおねこ。
ファンタジー
いい人生を送りたい

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

処理中です...