ラストソング

やがて、電車はゆっくりと動き出し、ぼくらの別れがやってきた。
「鈴鹿。俺、おまえのこと」荻くんは何か言ったようだったが、それを聞き取るには、ぼくらの距離は離れすぎていた。それに答えるかわりに、ぼくは思いきり手をふった。荻くんも、窓から身を乗り出して、最後まで手をふっていた。
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