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翌朝、海へ向かう為、ぼくと麗子ちゃんは図書館をあとにした。
図書館の外へ出るのが初めてのぼくは、開け放した図書館の窓を前にして足がすくんだが「さあ、行こ」と麗子ちゃんに促されて、一歩を踏み出した。
石の薔薇が花咲く裏庭を抜けて、すきとおった森の奥へ。麗子ちゃんの話によれば、この森を突き抜けた先に、海はあるという。
朝の光を浴びて、すきとおった森は水晶のように輝いた。
一歩、前に出るごとに胸が高鳴った。
麗子さんは、きっと海で待っていてくれる。そんな確信めいたものがあった。
母さんは、そこでぼくを待っている。
ぼくと麗子ちゃんは、はぐれないように、しっかりと手を組み合わせ、森を進んでいった。
図書館の外へ出るのが初めてのぼくは、開け放した図書館の窓を前にして足がすくんだが「さあ、行こ」と麗子ちゃんに促されて、一歩を踏み出した。
石の薔薇が花咲く裏庭を抜けて、すきとおった森の奥へ。麗子ちゃんの話によれば、この森を突き抜けた先に、海はあるという。
朝の光を浴びて、すきとおった森は水晶のように輝いた。
一歩、前に出るごとに胸が高鳴った。
麗子さんは、きっと海で待っていてくれる。そんな確信めいたものがあった。
母さんは、そこでぼくを待っている。
ぼくと麗子ちゃんは、はぐれないように、しっかりと手を組み合わせ、森を進んでいった。
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