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あきまつり
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はやたさんは まちの あきまつりに やたいを だすことに しました。
ちびりゅうや ウーパールーパーやカメレオンを うる やたいです。
はやたさんは けいトラックで うりものの ちびりゅうや カメレオンや くみたてしきの やたいを はこびいれました。
まわりには すでに わたあめや おめんや きんぎょすくいの やたいが ならんでいます。
やきそばの ソースの においも かぜに はこばれてきます。
はやたさんも さっそく やたいを くみたて はじめました。
くみあがる ころには だいぶ ひとどおりも おおくなって いました。
おとこのこが ひとり はやたさんの やたいの まえで たちどまりました。
すいそうに はいった ちびりゅうを じっと みつめています。
「いくら ですか?」
おとこのこが たずねました。
「さんびゃくえん」
はやたさんが こたえました。
おじさんが ちびりゅうの ねだんを さんびゃくえんと きめたことに たいした りゆうは ありません。
さんびゃくえんなら こどもにも なんとか かえる おねだんだろうと おもっただけです。
おもった とおり おとこのこは さんびゃくえんを はらって ちびりゅうを かっていきました。
また べつの おとこのこが ちびりゅうの まえで たちどまりました。
こんどは おとこのひとと いっしょです。たぶん この おとこのこの パパなのでしょう。
「いくら ですか?」
おとこのこが たずねました。
「さんびゃくえん」
はやたさんが こたえました。
「ぜったい ほしい! かう かう!」
その ことばを きいた はやたさんの こころに しょうばいけが むくむくと わきおこりました。
「こっちの すいそうは どうかね。きのえだ もあるよ」
パパや ママと きた こどもの なかには すいそうや きのえだを いっしょに かって かえる こも いるのです。
もっとも この うりものの すいそうは ゴミすてばから かってに ひろってきた ものでしたし きのえだは もりの じめんに おちていた ものでしたから もとでは ただ。ひどいものでしたが。
「いくら ですか?」
おとこのこが たずねました。
「ななひゃくえん」
はやたさんが こたえました。
「ちびりゅうより たかい」
「だけど ちびりゅうを かうには ひつようだよ」
「パパ!」
おとこのこは すがるような めで うしろの おとこのひとを ふりかえりました。
おとこのこの パパは だまって はやたさんに せんえんさつを さしだしました。
「まいどあり」
こうして もう いっぴきの ちびりゅうも すいそうと いっしょに うれていきました。
「ことしは ほんとうに これで おわりだな」
はやたさんは ポツリと つぶやきました。
たいせつに たいせつに そだてた ちびりゅうが うれていくのは うれしくも ありますが すこし さみしくも ありました。
むすめを よめに だす ちちおやの きぶんだな…。はやたさんは そう おもって ときどき にがわらいすることも ありました。
もっとも はやたさんには むすめは おろか おくさんも いなかったのですが。
ちびりゅうや ウーパールーパーやカメレオンを うる やたいです。
はやたさんは けいトラックで うりものの ちびりゅうや カメレオンや くみたてしきの やたいを はこびいれました。
まわりには すでに わたあめや おめんや きんぎょすくいの やたいが ならんでいます。
やきそばの ソースの においも かぜに はこばれてきます。
はやたさんも さっそく やたいを くみたて はじめました。
くみあがる ころには だいぶ ひとどおりも おおくなって いました。
おとこのこが ひとり はやたさんの やたいの まえで たちどまりました。
すいそうに はいった ちびりゅうを じっと みつめています。
「いくら ですか?」
おとこのこが たずねました。
「さんびゃくえん」
はやたさんが こたえました。
おじさんが ちびりゅうの ねだんを さんびゃくえんと きめたことに たいした りゆうは ありません。
さんびゃくえんなら こどもにも なんとか かえる おねだんだろうと おもっただけです。
おもった とおり おとこのこは さんびゃくえんを はらって ちびりゅうを かっていきました。
また べつの おとこのこが ちびりゅうの まえで たちどまりました。
こんどは おとこのひとと いっしょです。たぶん この おとこのこの パパなのでしょう。
「いくら ですか?」
おとこのこが たずねました。
「さんびゃくえん」
はやたさんが こたえました。
「ぜったい ほしい! かう かう!」
その ことばを きいた はやたさんの こころに しょうばいけが むくむくと わきおこりました。
「こっちの すいそうは どうかね。きのえだ もあるよ」
パパや ママと きた こどもの なかには すいそうや きのえだを いっしょに かって かえる こも いるのです。
もっとも この うりものの すいそうは ゴミすてばから かってに ひろってきた ものでしたし きのえだは もりの じめんに おちていた ものでしたから もとでは ただ。ひどいものでしたが。
「いくら ですか?」
おとこのこが たずねました。
「ななひゃくえん」
はやたさんが こたえました。
「ちびりゅうより たかい」
「だけど ちびりゅうを かうには ひつようだよ」
「パパ!」
おとこのこは すがるような めで うしろの おとこのひとを ふりかえりました。
おとこのこの パパは だまって はやたさんに せんえんさつを さしだしました。
「まいどあり」
こうして もう いっぴきの ちびりゅうも すいそうと いっしょに うれていきました。
「ことしは ほんとうに これで おわりだな」
はやたさんは ポツリと つぶやきました。
たいせつに たいせつに そだてた ちびりゅうが うれていくのは うれしくも ありますが すこし さみしくも ありました。
むすめを よめに だす ちちおやの きぶんだな…。はやたさんは そう おもって ときどき にがわらいすることも ありました。
もっとも はやたさんには むすめは おろか おくさんも いなかったのですが。
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