死衆

関谷俊博

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なんかヤバい病気らしい。人伝てに聞いた彼女から電話があった。脚を引き摺るところから始まったんよ。電話口の彼女の声は明るい。頭の中に腫瘍ができてね。いまは車いす。ところで先生。いまはなんの仕事してるの。え、俺。ホームヘルパー。ヘルパーかあ。入浴の介助とかするの。ああ、俺うまいよ。へえ、だけど洗ってもらう訳にもいかないしね。今度パン送るよ。私が焼いたパン。数日後彼女からパンが届く。人の頭くらいあるパン。一人暮らしの俺にはとても食いきれない。適当に冷蔵庫に放りこむ。彼女のこともパンのことも忘れた数年後。こんどは彼女の母親から手紙が届く。最期の数年間は抗ガン剤の副作用に苦しみましたが、それでも明るさを失わずに逝きました。




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