死衆

関谷俊博

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罰私は罰を受けているんだと思います。老女は語る。娘と孫は口もききません。一緒に住んでいてもいないのと同じです。淋しい。とても淋しいのです。熱中症で倒れたときも放っておかれました。娘は離婚してここに転がりこんできたのです。先生から出ていくように言ってもらえませんか。お気の毒ですが御家族の問題にまで立ち入ることはできないのです。どうしても駄目でしょうか。転居を考えるならお力になりますが。出ていくのは娘です。繰り返される会話。今月もアポ取りの電話を入れる。出ない。きっちり八回コールして電話を置く。出掛けているのか。翌朝電話を入れると娘が電話に出る。娘の声は平静ではない。母は転倒して死にました。あの、発見が遅れてしまって。いま警察がきています。亡骸の傍で鳴り続ける電話。いっかい、にかい、さんかい、しかい。
 

時の反面は翻る


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