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貴重なものをみすみす渡すわけ、ありませんよ
それぞれの思惑 1
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(改めて見ても、大きな魔力石だ)
膨大な魔力を放出したせいで足元がおぼつかないリーゼロッテを部屋へと送り届け、ベルンハルトはその足で中庭に運ばれてきていたはずの魔力石を確認していた。
国のために自分の魔力を全て注ぎ込んでリーゼロッテが作り上げた魔力石。それが太陽の光を浴びて輝く。
それは目を細めたくなるぐらい美しく、そして何よりも憎らしい。
念願だったはずの魔力が、もう一度奪い取られる。それはベルンハルトが想像してもしきれないぐらいの苦しさだろうし、それを決断したリーゼロッテには、心底尊敬してしまう。
そして、それと同時に無力な自分を呪いたくもなる。
最強と呼び声高い銀色の髪。それを持つベルンハルトでさえ、土魔法なんて使うこともできず、魔力を込めすぎてふらつくリーゼロッテを、支えることしかできなかった。
それが悔しくて歯を食いしばれば、奥歯が鈍く軋む。
「そんな真似をしては、歯が折れてしまいますよ」
「歯など、好きなだけ折れればいいだろう」
「おや、そんなことを仰っては奥様が悲しみます」
いつの間にか側にいたヘルムートの言葉に、痛むぐらいに噛み締めていた奥歯から力を抜き、ついその場にしゃがみこんだ。
「リーゼを引き合いに出すとは、ずるくないか?」
「私は事実を申し上げただけです」
「ヘルムート。私は其方が嫌いだ」
「存じ上げておりますよ。私はベルンハルト様を甘やかしたりしませんから」
「だが、其方を頼りにしてるのも事実だ」
「はい。それも存じております」
図々しく言ってのけるその姿を見ながら、ベルンハルトは大きくため息をついた。
「ヘルムート。私は上手くやれるだろうか」
「国王との交渉をベルンハルト様が上手くやろうなどと、考えるだけ無駄ですよ。相手は何人もの貴族たちと、それこそ他国ともごまんとやり合ってきたはずです。それを相手に上手くやれるはずがないでしょう」
「そ、それでは私はどうすれば」
リーゼロッテが大きな覚悟をもって作り出した魔力石。それをみすみす渡してしまうのはもったいない。せめてリーゼロッテの地位を、社交場でのあの扱われ方を、何とかできやしないだろうか。
「下手なことを考えずに、思うようにやるのが一番ですよ」
「そういうものか?」
「そういうものです」
しゃがみこんだベルンハルトが、ヘルムートの顔を下から覗き込めば、ヘルムートが自信有りげに頷いた。
「ほら、いつまで幼子のようにしゃがみこんでいるのですか。やるべきことはたくさんあるでしょう」
「お、幼子……」
「一人前の当主が、そのような場に座り込んで。執務室だけではなく奥様のお部屋からでも、中庭はご覧になれますよ」
「やはり……気づいておったか」
しゃがみこんだままのベルンハルトは、恥ずかしさに下を向いてしまう。
「あれほど熱烈な視線を感じれば、誰だって気がつくでしょう」
「誰だって?」
「はい。奥様も気がついていらっしゃるかもしれませんね」
「まさか。そんなこと、一度だって」
「奥様は王族ですから。感情を隠すのはお上手でいらっしゃいます」
「そう……だよな」
「ベルンハルト様が気がついていないだけで、きっと多くのことに気づいて、気を配っておられるはずです」
ベルンハルトが何に気がついていないか、それすらも見通したような顔を向けられれば、それはそれで苛立ちがこみ上げる。
「私はそこまで気がついてないというのか?」
苛立ちを紛らわすように、勢いよく立ち上がれば、それを見たヘルムートは更に何かを見据えた顔を見せる。
「もちろん私ではわかりかねます。奥様に伺うのが一番かと」
誤魔化したような言葉に、何かを隠しているのはわかるが、それが何かはわからない。
「もうよい」
ヘルムートとのくだらないやり合いに時間をかけているわけにはいかない。魔力石を作り出した今、進むべき道はすでに明確で、戦うべき相手は目の前の男ではない。
「それでいいのです。正しく、前を向いてください」
ベルンハルトがヘルムートから距離を取り、執務室へと戻ろうと一歩踏み出した。
「ベルンハルト様。次に王城にいく際は、私を御者としてお連れください」
「何だと?」
「ですから、御者にと申したのです」
「其方、そういうことは先に言ってくれ」
背を向けた身体をもう一度ヘルムートの方に向け、ベルンハルトは呆れ混じりにそう告げる。
「心身ともにしゃがみ込んだままのベルンハルト様に何を申し上げても無意味かと思いまして。今が一番早いんですよ」
「もうよい。それで、御者というのはなぜだ? またアルベルトを連れて行くつもりだったのだが」
「アルベルトももちろん同行させて下さい。私は王都の門までたどり着いたら、そこで降ります。その後は魔力石を無事に王城へと届けます」
「王都までは龍達に運ばせる気か」
「はい。ここまで大きな魔力石、街道を運んでいくには時間がかかりすぎるでしょう。龍達が運んできたときは植物で編んだ縄のようなもので四方から吊り上げておりました。同じような形で、領地の結界の隙間を飛んで行くのが早いかと。そうすれば魔獣達のちょっかいも避けられます」
そして門の前で龍から魔力石を受け取ったヘルムートが、王城まで運ぶ計画のようだ。
「王都の門に王家の荷馬車を用意してもらおう。さすれば王都の中は安全に運んでいける」
王家の馬車に手を出す人間はいない。
ヘルムートの計画は多分最善だろう。
(まだまだ、ヘルムートには敵わないな)
自分の前に立ちはだかるあまりにも大きな壁に、打ちひしがれる。
「いかがされました?」
「いや。其方を超えられる日は来るのだろうかと、目の前が暗くなる思いだ」
「もちろん、超えられます。私なんぞ、超えていただかなければなりません。今はまだ、私の発言がお役に立つのかもしれませんが、そのような時間もすぐに過ぎ去ります。そのためにはぜひ、奥様と同じ行き先を見て、お二人の思うままに歩んでいってください」
「リーゼと?」
「はい。実に素直でお優しくて、誰にでも心を持って接することのできる方です。お二人ならば、領地をよりよくしていけるはずですよ」
「よりよくなど、私にできるのだろうか」
「大丈夫。奥様のことを悲しませないように、ご自身のことも労ってください。そうすれば、おのずと領地もよくなりますよ」
リーゼロッテを悲しませないようにするには、あのぎりぎりの生活は止めねばならない。避けられない出来事ならばともかく、毎年のことであるならばさすがに対処を考えなければ。
「少々話すぎました。お忙しいところをお引止めしまして、申し訳ありません」
ヘルムートが改めて姿勢を正した。長話はそろそろ終わりのようだ。
「其方を頼りにしてばかりではいられないな」
いつの日か壁を越えていくためにも、自分で考え動かなければ。
ヘルムートに言われずとも、しゃがみこんではいられない。
立ち止まるときは、今ではない。
膨大な魔力を放出したせいで足元がおぼつかないリーゼロッテを部屋へと送り届け、ベルンハルトはその足で中庭に運ばれてきていたはずの魔力石を確認していた。
国のために自分の魔力を全て注ぎ込んでリーゼロッテが作り上げた魔力石。それが太陽の光を浴びて輝く。
それは目を細めたくなるぐらい美しく、そして何よりも憎らしい。
念願だったはずの魔力が、もう一度奪い取られる。それはベルンハルトが想像してもしきれないぐらいの苦しさだろうし、それを決断したリーゼロッテには、心底尊敬してしまう。
そして、それと同時に無力な自分を呪いたくもなる。
最強と呼び声高い銀色の髪。それを持つベルンハルトでさえ、土魔法なんて使うこともできず、魔力を込めすぎてふらつくリーゼロッテを、支えることしかできなかった。
それが悔しくて歯を食いしばれば、奥歯が鈍く軋む。
「そんな真似をしては、歯が折れてしまいますよ」
「歯など、好きなだけ折れればいいだろう」
「おや、そんなことを仰っては奥様が悲しみます」
いつの間にか側にいたヘルムートの言葉に、痛むぐらいに噛み締めていた奥歯から力を抜き、ついその場にしゃがみこんだ。
「リーゼを引き合いに出すとは、ずるくないか?」
「私は事実を申し上げただけです」
「ヘルムート。私は其方が嫌いだ」
「存じ上げておりますよ。私はベルンハルト様を甘やかしたりしませんから」
「だが、其方を頼りにしてるのも事実だ」
「はい。それも存じております」
図々しく言ってのけるその姿を見ながら、ベルンハルトは大きくため息をついた。
「ヘルムート。私は上手くやれるだろうか」
「国王との交渉をベルンハルト様が上手くやろうなどと、考えるだけ無駄ですよ。相手は何人もの貴族たちと、それこそ他国ともごまんとやり合ってきたはずです。それを相手に上手くやれるはずがないでしょう」
「そ、それでは私はどうすれば」
リーゼロッテが大きな覚悟をもって作り出した魔力石。それをみすみす渡してしまうのはもったいない。せめてリーゼロッテの地位を、社交場でのあの扱われ方を、何とかできやしないだろうか。
「下手なことを考えずに、思うようにやるのが一番ですよ」
「そういうものか?」
「そういうものです」
しゃがみこんだベルンハルトが、ヘルムートの顔を下から覗き込めば、ヘルムートが自信有りげに頷いた。
「ほら、いつまで幼子のようにしゃがみこんでいるのですか。やるべきことはたくさんあるでしょう」
「お、幼子……」
「一人前の当主が、そのような場に座り込んで。執務室だけではなく奥様のお部屋からでも、中庭はご覧になれますよ」
「やはり……気づいておったか」
しゃがみこんだままのベルンハルトは、恥ずかしさに下を向いてしまう。
「あれほど熱烈な視線を感じれば、誰だって気がつくでしょう」
「誰だって?」
「はい。奥様も気がついていらっしゃるかもしれませんね」
「まさか。そんなこと、一度だって」
「奥様は王族ですから。感情を隠すのはお上手でいらっしゃいます」
「そう……だよな」
「ベルンハルト様が気がついていないだけで、きっと多くのことに気づいて、気を配っておられるはずです」
ベルンハルトが何に気がついていないか、それすらも見通したような顔を向けられれば、それはそれで苛立ちがこみ上げる。
「私はそこまで気がついてないというのか?」
苛立ちを紛らわすように、勢いよく立ち上がれば、それを見たヘルムートは更に何かを見据えた顔を見せる。
「もちろん私ではわかりかねます。奥様に伺うのが一番かと」
誤魔化したような言葉に、何かを隠しているのはわかるが、それが何かはわからない。
「もうよい」
ヘルムートとのくだらないやり合いに時間をかけているわけにはいかない。魔力石を作り出した今、進むべき道はすでに明確で、戦うべき相手は目の前の男ではない。
「それでいいのです。正しく、前を向いてください」
ベルンハルトがヘルムートから距離を取り、執務室へと戻ろうと一歩踏み出した。
「ベルンハルト様。次に王城にいく際は、私を御者としてお連れください」
「何だと?」
「ですから、御者にと申したのです」
「其方、そういうことは先に言ってくれ」
背を向けた身体をもう一度ヘルムートの方に向け、ベルンハルトは呆れ混じりにそう告げる。
「心身ともにしゃがみ込んだままのベルンハルト様に何を申し上げても無意味かと思いまして。今が一番早いんですよ」
「もうよい。それで、御者というのはなぜだ? またアルベルトを連れて行くつもりだったのだが」
「アルベルトももちろん同行させて下さい。私は王都の門までたどり着いたら、そこで降ります。その後は魔力石を無事に王城へと届けます」
「王都までは龍達に運ばせる気か」
「はい。ここまで大きな魔力石、街道を運んでいくには時間がかかりすぎるでしょう。龍達が運んできたときは植物で編んだ縄のようなもので四方から吊り上げておりました。同じような形で、領地の結界の隙間を飛んで行くのが早いかと。そうすれば魔獣達のちょっかいも避けられます」
そして門の前で龍から魔力石を受け取ったヘルムートが、王城まで運ぶ計画のようだ。
「王都の門に王家の荷馬車を用意してもらおう。さすれば王都の中は安全に運んでいける」
王家の馬車に手を出す人間はいない。
ヘルムートの計画は多分最善だろう。
(まだまだ、ヘルムートには敵わないな)
自分の前に立ちはだかるあまりにも大きな壁に、打ちひしがれる。
「いかがされました?」
「いや。其方を超えられる日は来るのだろうかと、目の前が暗くなる思いだ」
「もちろん、超えられます。私なんぞ、超えていただかなければなりません。今はまだ、私の発言がお役に立つのかもしれませんが、そのような時間もすぐに過ぎ去ります。そのためにはぜひ、奥様と同じ行き先を見て、お二人の思うままに歩んでいってください」
「リーゼと?」
「はい。実に素直でお優しくて、誰にでも心を持って接することのできる方です。お二人ならば、領地をよりよくしていけるはずですよ」
「よりよくなど、私にできるのだろうか」
「大丈夫。奥様のことを悲しませないように、ご自身のことも労ってください。そうすれば、おのずと領地もよくなりますよ」
リーゼロッテを悲しませないようにするには、あのぎりぎりの生活は止めねばならない。避けられない出来事ならばともかく、毎年のことであるならばさすがに対処を考えなければ。
「少々話すぎました。お忙しいところをお引止めしまして、申し訳ありません」
ヘルムートが改めて姿勢を正した。長話はそろそろ終わりのようだ。
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いつの日か壁を越えていくためにも、自分で考え動かなければ。
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