89 / 104
貴重なものをみすみす渡すわけ、ありませんよ
リーゼロッテの決断 2
しおりを挟む
「レティシア様」
執務室に入ったレティシアの後を追うように、リーゼロッテも庭から執務室へとその身を移した。
「あらぁ? レティシアって呼んでって、そう言ったわよ」
「す、すいません」
執務室に入るなり、思わず口から出てしまったこれまでと同じ呼び方に、遠慮なく文句をつけるのは、流石である。
「レティシア、呼び方など早々慣れるものでもあるまい」
咄嗟のこととはいえ、何度か練習を重ねたにもかかわらず対応しきれなかった自分が惨めで、顔色を悪くさせながら俯いたリーゼロッテを慰める様にベルンハルトが話に割って入った。
「そお? 私はもう慣れちゃったわよ」
「リーゼに呼び方を押し付けたのは其方であろう? 少しぐらい見逃してもいいものを」
「見逃せないわ。貴方のその呼び方だって誰のおかげだと思ってるのよ。ねぇ、リーゼ。レティシアって呼んで?」
ベルンハルトの言葉を聞き逃すこともなく、レティシアの口元には不敵な笑みが浮かぶ。
龍の体と同じ若草色の髪の間に見える胡桃色の瞳。妖艶さを引き立たせる真紅の唇が、リーゼロッテの視線をくぎ付けにした。
「レティシア」
まるで操られるように、リーゼロッテの唇がレティシアの名前を紡ぐ。
「ふふ。ありがとう」
レティシアの笑い声に、我に返ったリーゼロッテの顔が真っ赤に染まる。
「わ、わたくし、どうかしてしまったみたいです」
「そんなことないわ。それだけ私が魅力的ってことね」
「其方……」
レティシアとリーゼロッテの間に繰り広げられた一幕に、口を出すこともできなかったベルンハルトが、大きくため息をついた。
「さ、いつまでもこんなことやってる場合じゃないわ。話を始めましょ」
「誰のせいだと……」
「ベルンハルト、人払いをしてもらえるかしら? 私の話の後で、貴方達が誰に伝えるかは好きにすればいいわ」
レティシアの言葉で、ベルンハルトは部屋の隅に控えるアルベルトに体を向けた。
「アルベルト、すまない」
先程ヘルムート相手にリーゼロッテが感じたものと、同じ感情をベルンハルトも抱えていたのかもしれない。
アルベルトに対し、頭を下げるベルンハルトの声は、どこか苦しそうにも聞こえる。
「ベルンハルト様が頭を下げてはいけないのですよ。執事に対し、罪悪感を感じる必要もございません。外で控えておりますので、何かありましたらお声掛け下さい」
恭しく腰を折り、扉の先へとその姿を隠したアルベルトも、ヘルムートと同様の思いでベルンハルトに仕えているのだろう。
「レティシア、用意は整った。話を聞かせてもらえるだろうか」
アルベルトに頭を下げたときとも、リーゼロッテの前でどもっているときとも違う。
レティシアからもたらされる話が吉報であれ、凶報であれ、ロイスナーの領主として受け止める覚悟を決めたベルンハルトが、真っ直ぐにレティシアを見据えた。
「わかったわ。まずは魔獣の状況だけど、前回よりも結界の力が弱まってる可能性があるわ。その弱まりを察知したのか、結界を越えられないはずの魔獣達が暴れ始めてる。討伐する気なら、冬になる前ね」
「あぁ」
「もし討伐に向かうなら声をかけてちょうだい。これまで以上の数の龍達を連れて行くわ」
「あぁ」
「魔力石が必要なら、先にリーゼに作って貰ったほうが良いわよ」
「あぁ。わかっているだろう? 聞きたいことはそんなことじゃない」
ベルンハルトが聞きたいことを、レティシアが気づいていないはずがない。わかっていて、気づいていて、それでも遠回しにしたくなる理由。
そんなもの、一つしかない。
レティシアの態度から、それが凶報であることなど、ベルンハルトもリーゼロッテも察していた。
「そうよね。結界の魔力石のことよね」
「あぁ。国の結界を維持するためのものだ。相当な大きさとなるであろう。それをどうやって手に入れるか、聞きたいことはそれだけだ」
「簡単に言ってくれちゃって。あれ、結構大変なんだから」
レティシアが大変だと言ったのは、過去の知恵を得る方法だろうか。
一体、どういう手段でそんなことができるのか、リーゼロッテには想像もつかない。
息を呑んでレティシアの言葉を待った。
「手間を、かけたな」
「本当にね。どうお礼をしてもらおうかしら」
「其方はもう、欲しいものを決めているのだろう?」
「それは、ずっと言い続けているでしょう?」
レティシアの細い指先が、ベルンハルトの唇をなぞる。
それを止めるどころか、ベルンハルトはなぞられた唇の端を上げ、あの隙のない笑顔を作る。
「その冗談は、もう通じない。其方が心を寄せる相手は、既にロイエンタールではなくなっているからな」
「何でっ」
「さぁ。勘、だろうか」
顔を崩すこともなく、レティシアに言葉を返すベルンハルトの態度に、レティシアが背を向けてしまわないかと緊張させられたのはリーゼロッテだけのようで。
それでも、こんなじゃれ合いを見ても、その仲を疑うような心は、もう湧き上がりもしない。
レティシアが本気じゃないことも、ベルンハルトがそれに応えることなどないことも、リーゼロッテはわかってる。それはきっと信頼という感情で、その想いを寄せる相手がアマーリエだけでなくなった現状は、リーゼロッテの心にほんのり明かりを灯す。
「そんなに余裕のある貴方をからかっても楽しくないわね……」
ほんの少しがっかりしたように、レティシアが目を伏せた。
そして、ひと息息を吸い込むと、その視線はリーゼロッテを捕らえた。
「リーゼ。本当は、もっと良い内容を伝えにくるつもりだったの。でもね、私ができることは知り得た内容を伝えることだけ。結局、何もできることがなかったわ」
「レティシア。そんな風に言わないで下さい。これまでも目一杯助けられています。それに、私達では知りようもなかったことですから、どのようなことでも受け止めます」
本当は、受け止められる自信なんてない。
レティシアがこれほど言いづらそうにする内容。
リーゼロッテにとって、どれだけ辛い内容が待ち受けているのか。
それでも、それに向かっていかなければならない。
執務室に入ったレティシアの後を追うように、リーゼロッテも庭から執務室へとその身を移した。
「あらぁ? レティシアって呼んでって、そう言ったわよ」
「す、すいません」
執務室に入るなり、思わず口から出てしまったこれまでと同じ呼び方に、遠慮なく文句をつけるのは、流石である。
「レティシア、呼び方など早々慣れるものでもあるまい」
咄嗟のこととはいえ、何度か練習を重ねたにもかかわらず対応しきれなかった自分が惨めで、顔色を悪くさせながら俯いたリーゼロッテを慰める様にベルンハルトが話に割って入った。
「そお? 私はもう慣れちゃったわよ」
「リーゼに呼び方を押し付けたのは其方であろう? 少しぐらい見逃してもいいものを」
「見逃せないわ。貴方のその呼び方だって誰のおかげだと思ってるのよ。ねぇ、リーゼ。レティシアって呼んで?」
ベルンハルトの言葉を聞き逃すこともなく、レティシアの口元には不敵な笑みが浮かぶ。
龍の体と同じ若草色の髪の間に見える胡桃色の瞳。妖艶さを引き立たせる真紅の唇が、リーゼロッテの視線をくぎ付けにした。
「レティシア」
まるで操られるように、リーゼロッテの唇がレティシアの名前を紡ぐ。
「ふふ。ありがとう」
レティシアの笑い声に、我に返ったリーゼロッテの顔が真っ赤に染まる。
「わ、わたくし、どうかしてしまったみたいです」
「そんなことないわ。それだけ私が魅力的ってことね」
「其方……」
レティシアとリーゼロッテの間に繰り広げられた一幕に、口を出すこともできなかったベルンハルトが、大きくため息をついた。
「さ、いつまでもこんなことやってる場合じゃないわ。話を始めましょ」
「誰のせいだと……」
「ベルンハルト、人払いをしてもらえるかしら? 私の話の後で、貴方達が誰に伝えるかは好きにすればいいわ」
レティシアの言葉で、ベルンハルトは部屋の隅に控えるアルベルトに体を向けた。
「アルベルト、すまない」
先程ヘルムート相手にリーゼロッテが感じたものと、同じ感情をベルンハルトも抱えていたのかもしれない。
アルベルトに対し、頭を下げるベルンハルトの声は、どこか苦しそうにも聞こえる。
「ベルンハルト様が頭を下げてはいけないのですよ。執事に対し、罪悪感を感じる必要もございません。外で控えておりますので、何かありましたらお声掛け下さい」
恭しく腰を折り、扉の先へとその姿を隠したアルベルトも、ヘルムートと同様の思いでベルンハルトに仕えているのだろう。
「レティシア、用意は整った。話を聞かせてもらえるだろうか」
アルベルトに頭を下げたときとも、リーゼロッテの前でどもっているときとも違う。
レティシアからもたらされる話が吉報であれ、凶報であれ、ロイスナーの領主として受け止める覚悟を決めたベルンハルトが、真っ直ぐにレティシアを見据えた。
「わかったわ。まずは魔獣の状況だけど、前回よりも結界の力が弱まってる可能性があるわ。その弱まりを察知したのか、結界を越えられないはずの魔獣達が暴れ始めてる。討伐する気なら、冬になる前ね」
「あぁ」
「もし討伐に向かうなら声をかけてちょうだい。これまで以上の数の龍達を連れて行くわ」
「あぁ」
「魔力石が必要なら、先にリーゼに作って貰ったほうが良いわよ」
「あぁ。わかっているだろう? 聞きたいことはそんなことじゃない」
ベルンハルトが聞きたいことを、レティシアが気づいていないはずがない。わかっていて、気づいていて、それでも遠回しにしたくなる理由。
そんなもの、一つしかない。
レティシアの態度から、それが凶報であることなど、ベルンハルトもリーゼロッテも察していた。
「そうよね。結界の魔力石のことよね」
「あぁ。国の結界を維持するためのものだ。相当な大きさとなるであろう。それをどうやって手に入れるか、聞きたいことはそれだけだ」
「簡単に言ってくれちゃって。あれ、結構大変なんだから」
レティシアが大変だと言ったのは、過去の知恵を得る方法だろうか。
一体、どういう手段でそんなことができるのか、リーゼロッテには想像もつかない。
息を呑んでレティシアの言葉を待った。
「手間を、かけたな」
「本当にね。どうお礼をしてもらおうかしら」
「其方はもう、欲しいものを決めているのだろう?」
「それは、ずっと言い続けているでしょう?」
レティシアの細い指先が、ベルンハルトの唇をなぞる。
それを止めるどころか、ベルンハルトはなぞられた唇の端を上げ、あの隙のない笑顔を作る。
「その冗談は、もう通じない。其方が心を寄せる相手は、既にロイエンタールではなくなっているからな」
「何でっ」
「さぁ。勘、だろうか」
顔を崩すこともなく、レティシアに言葉を返すベルンハルトの態度に、レティシアが背を向けてしまわないかと緊張させられたのはリーゼロッテだけのようで。
それでも、こんなじゃれ合いを見ても、その仲を疑うような心は、もう湧き上がりもしない。
レティシアが本気じゃないことも、ベルンハルトがそれに応えることなどないことも、リーゼロッテはわかってる。それはきっと信頼という感情で、その想いを寄せる相手がアマーリエだけでなくなった現状は、リーゼロッテの心にほんのり明かりを灯す。
「そんなに余裕のある貴方をからかっても楽しくないわね……」
ほんの少しがっかりしたように、レティシアが目を伏せた。
そして、ひと息息を吸い込むと、その視線はリーゼロッテを捕らえた。
「リーゼ。本当は、もっと良い内容を伝えにくるつもりだったの。でもね、私ができることは知り得た内容を伝えることだけ。結局、何もできることがなかったわ」
「レティシア。そんな風に言わないで下さい。これまでも目一杯助けられています。それに、私達では知りようもなかったことですから、どのようなことでも受け止めます」
本当は、受け止められる自信なんてない。
レティシアがこれほど言いづらそうにする内容。
リーゼロッテにとって、どれだけ辛い内容が待ち受けているのか。
それでも、それに向かっていかなければならない。
20
お気に入りに追加
882
あなたにおすすめの小説

きっと幸せな異世界生活
スノウ
ファンタジー
神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。
そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。
時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。
異世界レメイアの女神メティスアメルの導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?
毎日12時頃に投稿します。
─────────────────
いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。
とても励みになります。
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。

離婚したので冒険者に復帰しようと思います。
黒蜜きな粉
ファンタジー
元冒険者のアラサー女のライラが、離婚をして冒険者に復帰する話。
ライラはかつてはそれなりに高い評価を受けていた冒険者。
というのも、この世界ではレアな能力である精霊術を扱える精霊術師なのだ。
そんなものだから復職なんて余裕だと自信満々に思っていたら、休職期間が長すぎて冒険者登録試験を受けなおし。
周囲から過去の人、BBA扱いの前途多難なライラの新生活が始まる。
2022/10/31
第15回ファンタジー小説大賞、奨励賞をいただきました。
応援ありがとうございました!
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
【完結】追放された生活錬金術師は好きなようにブランド運営します!
加藤伊織
ファンタジー
(全151話予定)世界からは魔法が消えていっており、錬金術師も賢者の石や金を作ることは不可能になっている。そんな中で、生活に必要な細々とした物を作る生活錬金術は「小さな錬金術」と呼ばれていた。
カモミールは師であるロクサーヌから勧められて「小さな錬金術」の道を歩み、ロクサーヌと共に化粧品のブランドを立ち上げて成功していた。しかし、ロクサーヌの突然の死により、その息子で兄弟子であるガストンから住み込んで働いていた家を追い出される。
落ち込みはしたが幼馴染みのヴァージルや友人のタマラに励まされ、独立して工房を持つことにしたカモミールだったが、師と共に運営してきたブランドは名義がガストンに引き継がれており、全て一から出直しという状況に。
そんな中、格安で見つけた恐ろしく古い工房を買い取ることができ、カモミールはその工房で新たなスタートを切ることにした。
器具付き・格安・ただし狭くてボロい……そんな訳あり物件だったが、更におまけが付いていた。据えられた錬金釜が1000年の時を経て精霊となり、人の姿を取ってカモミールの前に現れたのだ。
失われた栄光の過去を懐かしみ、賢者の石やホムンクルスの作成に挑ませようとする錬金釜の精霊・テオ。それに対して全く興味が無い日常指向のカモミール。
過保護な幼馴染みも隣に引っ越してきて、予想外に騒がしい日常が彼女を待っていた。
これは、ポーションも作れないし冒険もしない、ささやかな錬金術師の物語である。
彼女は化粧品や石けんを作り、「ささやかな小市民」でいたつもりなのだが、品質の良い化粧品を作る彼女を周囲が放っておく訳はなく――。
毎日15:10に1話ずつ更新です。
この作品は小説家になろう様・カクヨム様・ノベルアッププラス様にも掲載しています。

【完結】男爵令嬢は冒険者生活を満喫する
影清
ファンタジー
英雄の両親を持つ男爵令嬢のサラは、十歳の頃から冒険者として活動している。優秀な両親、優秀な兄に恥じない娘であろうと努力するサラの前に、たくさんのメイドや護衛に囲まれた侯爵令嬢が現れた。「卒業イベントまでに、立派な冒険者になっておきたいの」。一人でも生きていけるようにだとか、追放なんてごめんだわなど、意味の分からぬことを言う令嬢と関わりたくないサラだが、同じ学園に入学することになって――。
※残酷な描写は予告なく出てきます。
※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムに掲載中です。
※106話完結。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話7話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる