87 / 104
国のことは国王に任せておきましょう
王城で 4
しおりを挟む
「それでは、ベルンハルト様に公爵の位を与えるべきだとお話になったのはお兄様ということですか?」
バルタザールとの謁見を終え客室に戻ったベルンハルトは、閉ざされた扉を前に、部屋の中から聞こえてくる会話に息を呑んだ。
部屋の中から聞こえてきたのはリーゼロッテの声。話の内容から、相手はエーリックに違いない。
「あぁ。だからそう言っているだろう」
まさか、エーリックが客室へ乗り込んでくるとは。王族を前にしては、アルベルトではどうしようもなかっただろう。
看過できないことが起これば、反逆罪を問われようとも、それなりの対処をする。
ベルンハルトは聞き耳をたてたまま、魔力石を手に握った。
「今さら何故ですか? そんなこと一言も……」
「王女である其方と結婚しておいて、伯爵のままだというのもおかしな話だろう。そもそも、ロイエンタール伯爵は辺境伯。侯爵と名乗っても良いだろうに」
「それは、確かにおかしいとは思いますけど」
「その件に関しては、それこそ今さらだ。だからこそ、今回のことで正すべきだと、それだけだ」
二人の会話はベルンハルトの爵位についてらしい。
結婚から二年も経過しての決断に、リーゼロッテはずっと納得していなかった。
「もう、二年も経ちますよ?」
「其方が王都に寄り付かないからだろう。この爵位は其方の存在があってこそだ。授与の場に其方が出席せずにどうする」
「ほ、本当にそれだけですか?」
「そうだ! いい加減しつこいぞ」
「ですが……」
「父様がどうお考えかはわからぬ。だが、ロイエンタール伯爵の存在は我が国にとってもかけがえのないものだと思う。それならば、それなりの待遇を用意するべきだ」
リーゼロッテの話では、バルタザールとだけではなく、兄であるエーリックとも仲はよくなかったと聞いた。
それなのに、この話はどういうことだろうか。
ベルンハルトに正式な爵位を与えようとしているのは、エーリックだというのは間違いではなかったようだ。
「お、お兄様はそうお考えだと?」
「あぁ。父様は本来あのような方ではないはずなのに、ロイエンタール伯爵のこととなると、どこか判断がおかしい。私が直せるところは直していきたいと思う」
「そうですか」
「もう少し早く気づくべきだったがな。王族として、正しい姿を見せていかねばならぬ。だから、今度の春は其方も城へ来い。わかったな」
エーリックの言葉を最後に、扉の前に立ち尽くすベルンハルトの耳に足音が近づいてくるのが聞こえる。
近くに身を隠すものもないこの場では、ベルンハルトが様子を伺っていたことは簡単にわかってしまうだろう。
どうしたものかと悩んでいるうちに、目の前の扉が開けられた。
「ロ、ロイエンタール伯爵、戻ってきていたのか」
「失礼しました。お話の最中でしたので、どうしたものかと」
何を言われるかわからず緊張を隠せないベルンハルトの手元に目を落としたエーリックは、その手に魔力石が握られていたことにも気がついただろう。
「ふっ。構わぬ。ロイエンタール伯爵はもう帰領するのだろう? 道中、気を付けろよ」
それでも何を咎めることもなくその場を立ち去っていくエーリックの後ろ姿を、ベルンハルトは頭を下げて見送った。
「ベルンハルト様っ」
「リーゼロッテ、そばにいてやれずすまなかった」
エーリックを見送り、そのまま部屋の中へと進んでいけば、困惑と安堵が混じり合ったような顔をしたリーゼロッテが出迎えてくれる。
部屋の中にはアルベルトが俯いたまま立ちすくんでおり、何を考えているのか手に取るようにわかる。
「アルベルト、頼んだとおりのこと、ご苦労だった」
「いえ。エーリック皇太子がお見えになって、私では何もできず。奥様には嫌な想いをさせてしまったかと。申し訳ありませんでした」
「あら、そんなことありません。アルベルトさんには感謝しております。あの部屋から出たわたくしをすぐに見つけ出して下さって、お兄様が来るまでずっとここで一緒にいてくれて」
頭を下げたアルベルトを庇うように、リーゼロッテがまくし立てる。
「一緒に……か。それは少し、羨ましいな」
リーゼロッテと一緒にいるのは自分だったはずなのにと、心の奥で嫉妬心に小さな火がつく。
(私と『一緒に』と言わせたい)
小さかった火は少しずつその威力を増していき、その嫉妬心を解消しようと、リーゼロッテの頬に触れた。もう片方の手はリーゼロッテの細い手首を掴み、そのままもう一歩距離を縮める。
ベルンハルトにされるがままのリーゼロッテの顔が、目の前にこれ以上ないくらい近づいて、そのまま自分の胸元に押し付けるように抱きしめた。
「エーリック皇太子に、何を言われた?」
聞かねばならないことを、リーゼロッテの耳元で囁けば、その顔が照れた表情を見せてくれるのはわかってる。
思った通りの反応と、リーゼロッテを腕に抱くことのできる自分の立場に、ようやく嫉妬心が消えていった。
そのままアルベルトに視線をやれば、慌てたように部屋から出ていくのが見える。
(これで邪魔なく、リーゼの話を聞ける)
「つ、次の春はベルンハルト様が公爵の位を受けるので、わたくしも王城へ来いと」
「それだけか?」
「お兄様は、王族として正しいことをすると」
リーゼロッテが口にしたことは、扉の前でベルンハルトが聞いたことと変わらない。
「そうか」
「お兄様のあのような目を見たのは、久しぶりです」
「目?」
「はい。王城にいた時は、ずっとお父様のことしか見ていなかったように感じておりました」
「リーゼがここを出てから、もう二年が経つからな。その間に何かあったのかもしれない」
リーゼロッテとの話の内容も、ベルンハルトへの対応も、特に気にかかることはなかった。
仲が良くなかったという話が、疑わしいぐらい。
『王族として』エーリックが心を動かす出来事があったのかもしれない。
「もう、二年ですものね」
「あぁ。それでは、そろそろ帰るか。ロイスナーに戻ればまた、やるべきことがある」
「そうですね。帰りましょう」
「そ、その前に、市場に寄って行かないか?」
「え? ふふっ。そうですね。一緒に、行きましょう」
ベルンハルトから体を離したリーゼロッテが、微笑みながらベルンハルトの顔を覗き込んだ。
ロイスナーで待ち受ける日々の前に、もう少しだけ『一緒に』
バルタザールとの謁見を終え客室に戻ったベルンハルトは、閉ざされた扉を前に、部屋の中から聞こえてくる会話に息を呑んだ。
部屋の中から聞こえてきたのはリーゼロッテの声。話の内容から、相手はエーリックに違いない。
「あぁ。だからそう言っているだろう」
まさか、エーリックが客室へ乗り込んでくるとは。王族を前にしては、アルベルトではどうしようもなかっただろう。
看過できないことが起これば、反逆罪を問われようとも、それなりの対処をする。
ベルンハルトは聞き耳をたてたまま、魔力石を手に握った。
「今さら何故ですか? そんなこと一言も……」
「王女である其方と結婚しておいて、伯爵のままだというのもおかしな話だろう。そもそも、ロイエンタール伯爵は辺境伯。侯爵と名乗っても良いだろうに」
「それは、確かにおかしいとは思いますけど」
「その件に関しては、それこそ今さらだ。だからこそ、今回のことで正すべきだと、それだけだ」
二人の会話はベルンハルトの爵位についてらしい。
結婚から二年も経過しての決断に、リーゼロッテはずっと納得していなかった。
「もう、二年も経ちますよ?」
「其方が王都に寄り付かないからだろう。この爵位は其方の存在があってこそだ。授与の場に其方が出席せずにどうする」
「ほ、本当にそれだけですか?」
「そうだ! いい加減しつこいぞ」
「ですが……」
「父様がどうお考えかはわからぬ。だが、ロイエンタール伯爵の存在は我が国にとってもかけがえのないものだと思う。それならば、それなりの待遇を用意するべきだ」
リーゼロッテの話では、バルタザールとだけではなく、兄であるエーリックとも仲はよくなかったと聞いた。
それなのに、この話はどういうことだろうか。
ベルンハルトに正式な爵位を与えようとしているのは、エーリックだというのは間違いではなかったようだ。
「お、お兄様はそうお考えだと?」
「あぁ。父様は本来あのような方ではないはずなのに、ロイエンタール伯爵のこととなると、どこか判断がおかしい。私が直せるところは直していきたいと思う」
「そうですか」
「もう少し早く気づくべきだったがな。王族として、正しい姿を見せていかねばならぬ。だから、今度の春は其方も城へ来い。わかったな」
エーリックの言葉を最後に、扉の前に立ち尽くすベルンハルトの耳に足音が近づいてくるのが聞こえる。
近くに身を隠すものもないこの場では、ベルンハルトが様子を伺っていたことは簡単にわかってしまうだろう。
どうしたものかと悩んでいるうちに、目の前の扉が開けられた。
「ロ、ロイエンタール伯爵、戻ってきていたのか」
「失礼しました。お話の最中でしたので、どうしたものかと」
何を言われるかわからず緊張を隠せないベルンハルトの手元に目を落としたエーリックは、その手に魔力石が握られていたことにも気がついただろう。
「ふっ。構わぬ。ロイエンタール伯爵はもう帰領するのだろう? 道中、気を付けろよ」
それでも何を咎めることもなくその場を立ち去っていくエーリックの後ろ姿を、ベルンハルトは頭を下げて見送った。
「ベルンハルト様っ」
「リーゼロッテ、そばにいてやれずすまなかった」
エーリックを見送り、そのまま部屋の中へと進んでいけば、困惑と安堵が混じり合ったような顔をしたリーゼロッテが出迎えてくれる。
部屋の中にはアルベルトが俯いたまま立ちすくんでおり、何を考えているのか手に取るようにわかる。
「アルベルト、頼んだとおりのこと、ご苦労だった」
「いえ。エーリック皇太子がお見えになって、私では何もできず。奥様には嫌な想いをさせてしまったかと。申し訳ありませんでした」
「あら、そんなことありません。アルベルトさんには感謝しております。あの部屋から出たわたくしをすぐに見つけ出して下さって、お兄様が来るまでずっとここで一緒にいてくれて」
頭を下げたアルベルトを庇うように、リーゼロッテがまくし立てる。
「一緒に……か。それは少し、羨ましいな」
リーゼロッテと一緒にいるのは自分だったはずなのにと、心の奥で嫉妬心に小さな火がつく。
(私と『一緒に』と言わせたい)
小さかった火は少しずつその威力を増していき、その嫉妬心を解消しようと、リーゼロッテの頬に触れた。もう片方の手はリーゼロッテの細い手首を掴み、そのままもう一歩距離を縮める。
ベルンハルトにされるがままのリーゼロッテの顔が、目の前にこれ以上ないくらい近づいて、そのまま自分の胸元に押し付けるように抱きしめた。
「エーリック皇太子に、何を言われた?」
聞かねばならないことを、リーゼロッテの耳元で囁けば、その顔が照れた表情を見せてくれるのはわかってる。
思った通りの反応と、リーゼロッテを腕に抱くことのできる自分の立場に、ようやく嫉妬心が消えていった。
そのままアルベルトに視線をやれば、慌てたように部屋から出ていくのが見える。
(これで邪魔なく、リーゼの話を聞ける)
「つ、次の春はベルンハルト様が公爵の位を受けるので、わたくしも王城へ来いと」
「それだけか?」
「お兄様は、王族として正しいことをすると」
リーゼロッテが口にしたことは、扉の前でベルンハルトが聞いたことと変わらない。
「そうか」
「お兄様のあのような目を見たのは、久しぶりです」
「目?」
「はい。王城にいた時は、ずっとお父様のことしか見ていなかったように感じておりました」
「リーゼがここを出てから、もう二年が経つからな。その間に何かあったのかもしれない」
リーゼロッテとの話の内容も、ベルンハルトへの対応も、特に気にかかることはなかった。
仲が良くなかったという話が、疑わしいぐらい。
『王族として』エーリックが心を動かす出来事があったのかもしれない。
「もう、二年ですものね」
「あぁ。それでは、そろそろ帰るか。ロイスナーに戻ればまた、やるべきことがある」
「そうですね。帰りましょう」
「そ、その前に、市場に寄って行かないか?」
「え? ふふっ。そうですね。一緒に、行きましょう」
ベルンハルトから体を離したリーゼロッテが、微笑みながらベルンハルトの顔を覗き込んだ。
ロイスナーで待ち受ける日々の前に、もう少しだけ『一緒に』
19
お気に入りに追加
882
あなたにおすすめの小説

きっと幸せな異世界生活
スノウ
ファンタジー
神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。
そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。
時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。
異世界レメイアの女神メティスアメルの導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?
毎日12時頃に投稿します。
─────────────────
いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。
とても励みになります。
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。

【完結】男爵令嬢は冒険者生活を満喫する
影清
ファンタジー
英雄の両親を持つ男爵令嬢のサラは、十歳の頃から冒険者として活動している。優秀な両親、優秀な兄に恥じない娘であろうと努力するサラの前に、たくさんのメイドや護衛に囲まれた侯爵令嬢が現れた。「卒業イベントまでに、立派な冒険者になっておきたいの」。一人でも生きていけるようにだとか、追放なんてごめんだわなど、意味の分からぬことを言う令嬢と関わりたくないサラだが、同じ学園に入学することになって――。
※残酷な描写は予告なく出てきます。
※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムに掲載中です。
※106話完結。

離婚したので冒険者に復帰しようと思います。
黒蜜きな粉
ファンタジー
元冒険者のアラサー女のライラが、離婚をして冒険者に復帰する話。
ライラはかつてはそれなりに高い評価を受けていた冒険者。
というのも、この世界ではレアな能力である精霊術を扱える精霊術師なのだ。
そんなものだから復職なんて余裕だと自信満々に思っていたら、休職期間が長すぎて冒険者登録試験を受けなおし。
周囲から過去の人、BBA扱いの前途多難なライラの新生活が始まる。
2022/10/31
第15回ファンタジー小説大賞、奨励賞をいただきました。
応援ありがとうございました!
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
【完結】追放された生活錬金術師は好きなようにブランド運営します!
加藤伊織
ファンタジー
(全151話予定)世界からは魔法が消えていっており、錬金術師も賢者の石や金を作ることは不可能になっている。そんな中で、生活に必要な細々とした物を作る生活錬金術は「小さな錬金術」と呼ばれていた。
カモミールは師であるロクサーヌから勧められて「小さな錬金術」の道を歩み、ロクサーヌと共に化粧品のブランドを立ち上げて成功していた。しかし、ロクサーヌの突然の死により、その息子で兄弟子であるガストンから住み込んで働いていた家を追い出される。
落ち込みはしたが幼馴染みのヴァージルや友人のタマラに励まされ、独立して工房を持つことにしたカモミールだったが、師と共に運営してきたブランドは名義がガストンに引き継がれており、全て一から出直しという状況に。
そんな中、格安で見つけた恐ろしく古い工房を買い取ることができ、カモミールはその工房で新たなスタートを切ることにした。
器具付き・格安・ただし狭くてボロい……そんな訳あり物件だったが、更におまけが付いていた。据えられた錬金釜が1000年の時を経て精霊となり、人の姿を取ってカモミールの前に現れたのだ。
失われた栄光の過去を懐かしみ、賢者の石やホムンクルスの作成に挑ませようとする錬金釜の精霊・テオ。それに対して全く興味が無い日常指向のカモミール。
過保護な幼馴染みも隣に引っ越してきて、予想外に騒がしい日常が彼女を待っていた。
これは、ポーションも作れないし冒険もしない、ささやかな錬金術師の物語である。
彼女は化粧品や石けんを作り、「ささやかな小市民」でいたつもりなのだが、品質の良い化粧品を作る彼女を周囲が放っておく訳はなく――。
毎日15:10に1話ずつ更新です。
この作品は小説家になろう様・カクヨム様・ノベルアッププラス様にも掲載しています。

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる