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幸せな日々って、多分こういうこと
閑話 黒龍の血の杖は、龍族の長の証〜壊したくなるぐらい貴女が愛おしい〜 2
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「クラウス。これ、戻してきてくれない?」
過去の偉人に通ずる湖の前で、レティシアが黒龍の血の杖を使ったのはそれからすぐのことだった。
杖を通して力を注げば、古の人物から知識を得られる湖。相当な力が必要なことと、龍自身の寿命が長く知識を蓄えられる時間があるからか、滅多に誰も使うことがない。そんな湖のほとりでレティシアが得たものは、やはりロイエンタール家のためのもの。
力を注ぎすぎたせいで、ふらつく体を壁にもたらせてレティシアがクラウスに渡したのは、黒龍の血の杖。
「かしこまりました」
そう言って受け取った杖が、今クラウスの手元にある。壊したくて、なくしたくて仕方なかったものが、手の中にある。その幸運をどう使おうか。クラウスの頭の中は、今すぐにでもそれを破壊したい衝動でいっぱいだった。
杖と共にこのまま逃げ出すこともできた。火を吐いて、燃やすこともできた。
だが、クラウスは杖が保管されていた部屋まで戻り、その床に杖を叩きつけた。わざとらしくなく杖を破壊するには一番良い方法だと思った。杖を壊してしまっても、わざとじゃなければ、今後もレティシアの側から離れる必要はないと、そんな打算が働いた。
「やっぱり、壊したかったのね」
クラウスの計画は上手くいくと、そう信じてやまなかった。レティシアの、その美しい声が後ろから聞こえてくるまでは。
「レティシア様……」
「そんなことじゃあ、その杖は壊れないわよ。どれだけ高いところから落としても、龍の姿で踏みつけても平気なんだもの」
「……」
「まただんまり? かわいくないわよ」
「……」
可愛くないと言われても、何を言えば良いかわからなかった。杖を破壊しようとしてることがバレた。それも、レティシア本人に。
「あなたのものになるって言ったのに、我慢できなかったの? 壊してしまいたくなるぐらい、それが欲しかった?」
「欲しくなど……ありません」
「あら? それじゃあ何で?」
何故かと聞かれれば、それはレティシアを長の立場から引き離したいからで。だけど杖を壊したからといってそれが実現するはずもなくて。気持ちの糸はクラウス自身もどう扱って良いかわからないぐらいに絡み合って、解くことはできない。
「……」
自分の中でこんがらがってしまったモノを、説明などできるわけもなく、レティシアの追求を前に、やはり黙り込んでしまう。
「困った子ね」
レティシアがため息と共にこぼした言葉は、クラウスのことを子供扱いしていて、そう言われても仕方ない現実と、言われたくない自尊心がまた新たに糸を絡ませる。
「黒龍の血の杖がなくなったとしても、私が長を辞めることはないわ。あれは、ただのおまけみたいなもので、それ自体に価値はないもの」
「……」
わかりきった事実を、もう一度レティシアの口から聞かせられた。クラウスのやったことは意味のないものだと、改めて突きつけられる。
「そんなに、長になりたかった?」
「違う!」
長になりたいわけではない。レティシアを長じゃなくさせたいだけだ。そのために、クラウス自身が長になれば良いと、そんな短絡的な考え。
「そう? 長の座はいいわよぉ。全ての龍たちが私の前で頭を下げる。私の指図で皆が動くわ……なんて。クラウスは、私に長を辞めさせたいのよね」
「気づいて?!」
「まぁね。これでも長生きしてるもの。黒龍を前に、盾になるのがイヤ? 魔獣の討伐に行くのがイヤ? それとも、私に指図されるのがイヤなのかしら?」
クラウスが床に叩きつけてもなお、傷一つつかなかった黒龍の血の杖を、結界の中に戻しながらレティシアがクラウスに問う。
その声は雪がやんだ後の空気の様に透き通って、その中に感じられる陽だまりの様に穏やかだった。
「貴女が、傷つくのが嫌なんです」
レティシアの声に導かれる様に、クラウスも自分の気持ちを素直に口にする。
「傷つかない……とは言えないわねぇ。そんな約束出来やしないし」
「……」
魔獣の討伐に行けば傷つくこともあるだろう。黒龍を前にすれば、傷つくだけでは済まない。
「仕方ないわね。長、辞めるわ」
「え?!」
クラウスが望んだはずの言葉だった。ただ、あまりに呆気なく告げられたその言葉に、耳を疑う。
杖を戻し終わったレティシアが、クラウスの方を振り返って続けた。
「もちろん、すぐには辞めないわよ。次回の選定で、私を倒してちょうだい。そして、貴方がこの杖の所有者になるの。それが条件」
レティシアを倒せば、レティシアの意思に関係なく長は辞めさせられるはずだ。条件などと言えば聞こえは良いが、レティシアはただ当たり前のことを口にしているだけ。
「それは……」
「ね。そうしたら、辞めてあげるわ」
「貴女を傷つけたくはないのですが」
「あら。それなら、いつまで経っても私が長を辞めることはないわね。クラウス以外の誰かに倒されるか、黒龍にやられるんだわ」
「そんなことは!」
「私が引導を渡しても良いと思ったのはクラウスだけよ。でもね、私、自分よりも強い相手に会いたいの。それまでは辞められない」
レティシアの紅い唇から告げられる言葉はクラウスの耳から入って、その頭を、心を揺さぶる。
もう何十年もの間、龍族の中で最も強い地位を維持し続けたレティシアよりも強くなること。それはクラウスだけじゃなく、多くの龍達の目標で。それを求められているのならば、応えないわけにはいかない。
「わかりました。必ず、その杖の所有者になってみせます」
レティシアが望むままに、言葉を紡ぎ出すクラウスは、どこか操られているようにも見えて、それでもそれはきっとクラウスにとって幸せなことで。
「約束ね。楽しみにしてるわ。その時は、人間相手の恋もやめて、龍族の中で相応しい相手を見つけられそう」
レティシアの言葉は、クラウスが以前放ったもの。レティシアに勝てもしないくせに何を言っているんだと、羞恥心が全身を襲う。
「申し訳ありませんでした」
「んふふ。それまでは、私が傷つけられないように、側にいてくれるんでしょう?」
クラウスが聞いたこともないようなレティシアの甘い声が、見たこともないような魅惑的な視線が、クラウスの気持ちを絡めとっていく。
「お側に、います。いつ、いかなる時も、貴女の側に」
「貴方が、杖を手に入れるまで」
杖を手に入れるまでだなんて冗談じゃない。その後は、側に仕えるのではなくて、隣に寄り添って。
「その後は!」
離れたくなんか、離されたくなんかない。そんな思いが、レティシアの白くて細い腕を掴んだ。
「その後も、側にいて良いですか」
「ふふ。それはその時にならないとわからないわね」
(この方は、どれだけ俺を惑わせれば気が済むんだ)
「側にいることを、認めていただきますから」
「待ってるわ。クラウスのこと」
いつか、レティシアのことさえも圧倒して、黒龍の血の杖を手に、大勢の龍の前に立つ。
その日は多分、遠くない未来で。そうなってもなお、レティシアに頭が上がることはないだろう。
憧れ続けたその人は、きっといつまでも美しく居続ける。
そんなレティシアの横に並ぶことができれば。
「クラウス。今年も魔獣の討伐の時期が来たみたい。行くわよ」
だが、今はただ、その若草色の翼をはためかせ、先頭を飛んでいく姿を追いかける。
目眩を起こしそうなぐらい眩しい未来図が、実現する日を待ち望みながら。
過去の偉人に通ずる湖の前で、レティシアが黒龍の血の杖を使ったのはそれからすぐのことだった。
杖を通して力を注げば、古の人物から知識を得られる湖。相当な力が必要なことと、龍自身の寿命が長く知識を蓄えられる時間があるからか、滅多に誰も使うことがない。そんな湖のほとりでレティシアが得たものは、やはりロイエンタール家のためのもの。
力を注ぎすぎたせいで、ふらつく体を壁にもたらせてレティシアがクラウスに渡したのは、黒龍の血の杖。
「かしこまりました」
そう言って受け取った杖が、今クラウスの手元にある。壊したくて、なくしたくて仕方なかったものが、手の中にある。その幸運をどう使おうか。クラウスの頭の中は、今すぐにでもそれを破壊したい衝動でいっぱいだった。
杖と共にこのまま逃げ出すこともできた。火を吐いて、燃やすこともできた。
だが、クラウスは杖が保管されていた部屋まで戻り、その床に杖を叩きつけた。わざとらしくなく杖を破壊するには一番良い方法だと思った。杖を壊してしまっても、わざとじゃなければ、今後もレティシアの側から離れる必要はないと、そんな打算が働いた。
「やっぱり、壊したかったのね」
クラウスの計画は上手くいくと、そう信じてやまなかった。レティシアの、その美しい声が後ろから聞こえてくるまでは。
「レティシア様……」
「そんなことじゃあ、その杖は壊れないわよ。どれだけ高いところから落としても、龍の姿で踏みつけても平気なんだもの」
「……」
「まただんまり? かわいくないわよ」
「……」
可愛くないと言われても、何を言えば良いかわからなかった。杖を破壊しようとしてることがバレた。それも、レティシア本人に。
「あなたのものになるって言ったのに、我慢できなかったの? 壊してしまいたくなるぐらい、それが欲しかった?」
「欲しくなど……ありません」
「あら? それじゃあ何で?」
何故かと聞かれれば、それはレティシアを長の立場から引き離したいからで。だけど杖を壊したからといってそれが実現するはずもなくて。気持ちの糸はクラウス自身もどう扱って良いかわからないぐらいに絡み合って、解くことはできない。
「……」
自分の中でこんがらがってしまったモノを、説明などできるわけもなく、レティシアの追求を前に、やはり黙り込んでしまう。
「困った子ね」
レティシアがため息と共にこぼした言葉は、クラウスのことを子供扱いしていて、そう言われても仕方ない現実と、言われたくない自尊心がまた新たに糸を絡ませる。
「黒龍の血の杖がなくなったとしても、私が長を辞めることはないわ。あれは、ただのおまけみたいなもので、それ自体に価値はないもの」
「……」
わかりきった事実を、もう一度レティシアの口から聞かせられた。クラウスのやったことは意味のないものだと、改めて突きつけられる。
「そんなに、長になりたかった?」
「違う!」
長になりたいわけではない。レティシアを長じゃなくさせたいだけだ。そのために、クラウス自身が長になれば良いと、そんな短絡的な考え。
「そう? 長の座はいいわよぉ。全ての龍たちが私の前で頭を下げる。私の指図で皆が動くわ……なんて。クラウスは、私に長を辞めさせたいのよね」
「気づいて?!」
「まぁね。これでも長生きしてるもの。黒龍を前に、盾になるのがイヤ? 魔獣の討伐に行くのがイヤ? それとも、私に指図されるのがイヤなのかしら?」
クラウスが床に叩きつけてもなお、傷一つつかなかった黒龍の血の杖を、結界の中に戻しながらレティシアがクラウスに問う。
その声は雪がやんだ後の空気の様に透き通って、その中に感じられる陽だまりの様に穏やかだった。
「貴女が、傷つくのが嫌なんです」
レティシアの声に導かれる様に、クラウスも自分の気持ちを素直に口にする。
「傷つかない……とは言えないわねぇ。そんな約束出来やしないし」
「……」
魔獣の討伐に行けば傷つくこともあるだろう。黒龍を前にすれば、傷つくだけでは済まない。
「仕方ないわね。長、辞めるわ」
「え?!」
クラウスが望んだはずの言葉だった。ただ、あまりに呆気なく告げられたその言葉に、耳を疑う。
杖を戻し終わったレティシアが、クラウスの方を振り返って続けた。
「もちろん、すぐには辞めないわよ。次回の選定で、私を倒してちょうだい。そして、貴方がこの杖の所有者になるの。それが条件」
レティシアを倒せば、レティシアの意思に関係なく長は辞めさせられるはずだ。条件などと言えば聞こえは良いが、レティシアはただ当たり前のことを口にしているだけ。
「それは……」
「ね。そうしたら、辞めてあげるわ」
「貴女を傷つけたくはないのですが」
「あら。それなら、いつまで経っても私が長を辞めることはないわね。クラウス以外の誰かに倒されるか、黒龍にやられるんだわ」
「そんなことは!」
「私が引導を渡しても良いと思ったのはクラウスだけよ。でもね、私、自分よりも強い相手に会いたいの。それまでは辞められない」
レティシアの紅い唇から告げられる言葉はクラウスの耳から入って、その頭を、心を揺さぶる。
もう何十年もの間、龍族の中で最も強い地位を維持し続けたレティシアよりも強くなること。それはクラウスだけじゃなく、多くの龍達の目標で。それを求められているのならば、応えないわけにはいかない。
「わかりました。必ず、その杖の所有者になってみせます」
レティシアが望むままに、言葉を紡ぎ出すクラウスは、どこか操られているようにも見えて、それでもそれはきっとクラウスにとって幸せなことで。
「約束ね。楽しみにしてるわ。その時は、人間相手の恋もやめて、龍族の中で相応しい相手を見つけられそう」
レティシアの言葉は、クラウスが以前放ったもの。レティシアに勝てもしないくせに何を言っているんだと、羞恥心が全身を襲う。
「申し訳ありませんでした」
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クラウスが聞いたこともないようなレティシアの甘い声が、見たこともないような魅惑的な視線が、クラウスの気持ちを絡めとっていく。
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「貴方が、杖を手に入れるまで」
杖を手に入れるまでだなんて冗談じゃない。その後は、側に仕えるのではなくて、隣に寄り添って。
「その後は!」
離れたくなんか、離されたくなんかない。そんな思いが、レティシアの白くて細い腕を掴んだ。
「その後も、側にいて良いですか」
「ふふ。それはその時にならないとわからないわね」
(この方は、どれだけ俺を惑わせれば気が済むんだ)
「側にいることを、認めていただきますから」
「待ってるわ。クラウスのこと」
いつか、レティシアのことさえも圧倒して、黒龍の血の杖を手に、大勢の龍の前に立つ。
その日は多分、遠くない未来で。そうなってもなお、レティシアに頭が上がることはないだろう。
憧れ続けたその人は、きっといつまでも美しく居続ける。
そんなレティシアの横に並ぶことができれば。
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