愛がない異世界でも生きるしかない

夕露

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第二章:変わる、代わる

132.「お願い」

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驚いて目を開ければ梓は教会を思わせる場所に立っていた。石造りの建物はステンドグラスから差し込む光に彩られ神秘的な雰囲気を醸しだしている。ここがどこだと思った瞬間、見覚えのある光景にゾクリとして後ずさってしまう。梓が召喚された場所だ。そして、その中心には梓ではなく見知らぬ女性が立っていた。血だらけの手を握り締めながら天を見上げて叫ぶ女性の周りには大勢の人間がいて彼女を取り押さえようとしている。伸びてくる手をよける華奢な身体。血に彩られた白いワンピースが長い黒髪と一緒に揺れていて、逃げる裸足が痛々しい。涙で濡れた怒りの形相は……。
──麗巳、さん?
見覚えのある顔に助けようと走り出した梓の身体が固まる。そんな梓の身体を誰かが通り抜けていって驚きに声をあげてしまうが誰も梓に気がつかない。ありえない現象に怯えた心臓が忙しなくなり始める。厭う魔法かと思ったがそもそも周りの人間には梓の姿が見えていないらしい。それにあの女性が麗巳だというのならいま起きていることは過去のことだ。
梓が使える、知りたいと思ったものを夢という形で見ることができる魔法が発動している。
──これは夢だ。でもこれって本当に夢?
森の中を歩くテイルとヴィラが魔物の話をしている夢は現在だった可能性が高いが、神子召喚に抗議するウィドとテイルが戦う光景はウィドと話している最中に映像として見たものだ。この世界の女性や神子のことを知りたいと思った日は伸びてくる男の手に襲われる夢を見た。
知りたいと思ったものを見ることができる夢と便利に考えていたが、ここまでくるとおかしいものになってくる。現在起きている別の場所のことを見ることができて過去さえも見ることができる。それに、おかしいのだ。麗巳が叫ぶ言葉はもちろんそんな麗巳を捕まえろと叫ぶ男たちの言葉がなぜか分かる。
──それなら秘密の場所にいた男の子がいるあの夢は?あのとき私はなにを知りたがった?
呆然とする梓の目の前で男が麗巳の手を捕まえて怒りに叫ぶ口さえ押さえつけてしまう。それでも神に怒りを叫ぶ麗巳を男は力任せに床におさえつけて。


「止めて!麗巳さんから離れてっ!」


叫んで、今度こそ梓は走り出す。麗巳をおさえつける男をどうにかしてやりたかった。許せない。あの男……ああそうだ、魔法がある。意味の分からない、けれど、ありえないことができる魔法。正しい使いかたがあるなんて知りはしないが梓は使える。目の前には許せない人たち。早くあの手から麗巳を助けてやりたくて焦る心に沸いたのはルトに命令したときのような残酷な気持ちだ。傷つけてやりたい気持ちが、怒りが、恨みが積もりに積もって囁いてくる。

「あ……」

願いに応えるように麗巳を取り押さえていた男たちが吹き飛んで壁に身体を打ち付ける。広がる動揺はそのままか突風が吹いたほうを、梓を見て目を見開いた。麗巳も梓を見て目を見開いている。
──私が、見えてる?
望んでしたこととはいえ恐怖で息が詰まる。静まり返る場所は緊張に満ちていて誰もが動けないでいた。ああそれでももう誰も麗巳に触れていない。それだけは安心して梓は情けない笑みを浮かべる。

「麗巳さん」

呼びかけてみれば麗巳は見開いた目から涙をボタボタと流して、戦慄く口を血だらけの手で隠した。

「ゆ、悠斗……」
「え?」
「なんでここ……?悠斗も連れてこられたの?」

放心したように呟き続ける麗巳は梓を見ているようで見ていない。梓を見て違う誰かを、悠斗という人を見ているようだ。麗巳の声を聞いて時間が動き出したように周りの人間もそれぞれおかしなことを言い始める。
あれはなんだ。あれは誰だ。なんて美しい。死んだはずだ。
聞いたことがある話に思い出すのは店主の震えた声。
『その光は儂には球体に見えたんだがね、他の人には違うものに見えていたらしい。絶世の美女だと言う者も雄々しい肉体を持つ男だと言う者もいた。亡くなったはずの人物や動物なんて言う者もいた』
見る者によって姿を変える、神という存在。
思わず振り返るが梓の目にはなにも映らない。

「いや、いやあああ!見ないで!いやよ、うぁっ」

悠斗を見て話し続けていた麗巳は突然泣き叫んで自身の身体を抱きしめる。血がついた手を見て否定に首をふり破れた服を隠す姿は見ていられない。
──私、なにもできない。
過去だと分かってはいるがどうにかして助けたくて……けれど声をかけることさえできない。無力さに俯くしかできない自分が悔しくて、神を見ているだろう周りの存在が嫌でたまらなくてどうにかしてやりたくてどうにか──どうにか?
拳を握る梓は暗い瞳で辺りを見渡す。さきほどから偉そうに命令をだす奴らがいることには気がついていた。疑問を持たず指示に従うだけの奴らも咽び泣く麗巳に眉をひそめる奴らも自分がしたことを忘れて神に膝をつき自身の願いを吐く奴らもいる。

「ふふっ」

笑い声。
広い空間を端から端まで埋める喧噪のなかいやによく聞こえた男の笑い声は梓のすぐ近くで聞こえた。
──私から、聞こえた?
ぞっとして梓は口をおさえる。けれど、笑い声の主は姿を見せないまま梓を通すように話し出した。

「私は君が望む者じゃないよ」
「ゆう……じゃない?」
「この世界の奴らがいうところの神というものだ」

神の言葉に周りの人間は顔を見合わせ畏れ慄いたように後ずさる。
何人かは膝をつき、けれど多くは信じられず言葉を飲み込む。

「悠斗……悠斗は?なんでそんな」
「私は望んだ姿になっているはずだが?」
「もう会えない……会い……ふふ、会いたくなんかないわよっ!偽物なんて意味がっ!もう私は会えない!こんな私見せられない……っ」
「ふむ、それで?君の願いを聞こうか」
「ははっあははは!」

噛み合わない会話にも関わらず神は話を続けていく。周りの人間は神が口にした願いという言葉に反応して身体を固くした。気が狂ったように笑う麗巳の声がなにを言いだすか分からない。どんなことを言ってもおかしくはなかった。捕まえろ。命令に初めてうろたえる兵士はおそらく神を見て動かなくなる。命令を出していた者も恐怖を顔に浮かべながら固まった。
梓は自分の唇がつりあがるのを自覚する。ざまあみろ。残酷な気持ちが笑って、けれど彼らを見る目は泣きそうに下がって。

「願いなんてもう叶わない。アンタがこの世界に私を連れ去った時点でもう!アンタのせいで!」
「そうか」

帰りたくても帰れない。1番叶えたかった願いはもう絶対に叶わないのだ。
苦しくて苦しくて、でもここで生きなければならない。

「こんな奴らのいいようにされて死んで終わりなんて許せない。できないわ。私は……あの子のぶんまで同じ苦しみを味あわせてやりたい。死んでなんかやるか。絶対に生きてこいつらの最期を見てやる……っ。魔法を」
「魔法?」
「ええそうよ、魔法。あいつらが使うものが私たちにも使えるようにしなさい」
「私たちというと?」
「アンタが原因でこの世界に連れてこられた私たちよ!アンタのせいで私たちは酷い目に遭ってきた!」
「そのようだ」
「責任をとりなさい!こんな糞みたいな世界に連れてこられてきた私たちを……助けてよ……」

泣き崩れる麗巳に神は手を伸ばす。
白い華奢な手。
梓は自分の身体から出た手に心臓が凍り付いたような錯覚に陥る。これはきっと梓が見る神の姿だ。同時に思い出すのは秘密の場所でタオが突然目の前に現れたときのこと。


「……つまらない身体だ」


神の手は麗巳の身体に触れることなく透り抜ける。面白くなさそうに呟く神から飛びのいた麗巳は震える喉がそのまま泣いてしまわないように唇を噛み締めた。

「この者たちの死を望みはしないのか」
「こいつらは私が殺す」

神の言葉に悲鳴があがり、逃げようとしたものがそのままの姿勢で固まる。
意味の分からない麗巳の固い声に怯えるも、神の微笑みに安堵して。

「あの子は自業自得だって言ってたけどあの子を殺したのはこいつらよ。私自身……こいつらを許せない。駄目よ、私が殺す。アンタにさせてたまるか……っ」
「それは面白い」
「いい身分よね。高みの見物して気まぐれで助けてその結果さえ楽しんでずっと見てるだけ」
「楽しませてもらっているよ。ずいぶんとね」
「アンタが死ねばいいのに。神様なんてずいぶん偉そうな名前をつけて」
「そう名付けたのは君たちだ」

感情を押し殺す麗巳の非難を神は楽しそうに聞いていてものともしない。麗巳は憎々しげに舌打ちするが、しばらくして静かに問いかける。

「願いを叶えてくれるの叶えてくれないの、どっちよ」
「いいだろう、君に祝福を」
「馬鹿じゃない?」
「こういうと君たちは喜んだが」
「この世界の奴らがでしょう……どうでもいいわ。ねえ、本当に私は魔法が使えるようになったの」
「試すといい」
「使いかたとか、あ……ははっ、欲しがるわけねえ」

破れた服を一瞬で元に戻した麗巳は暗い笑みを浮かべる。嬉しくてたまらないと震える口はそのまま神を見上げて言葉を紡ぎだす。

「ねえ、どうせまた見てるだけなんでしょ。だったらもう少し楽しくしましょうよ」
「つまり?」
「もう願いは聞いてくれないのよね」
「君のことは気に入っているが何度も聞くのは公平じゃないだろう」
「使えないわ。でもまあ別にいいわよ。今から私が言うことを叶えなくてもいいからただ了承してくれない?アンタの存在を信じ切って縋りついてる奴らがアンタに見限られたってなったら……ふふっ、それだけでいい気分よ。絶望するでしょうねえ」
「ふむ」

悩むように相槌をうつ神は笑い続ける麗巳をどんな顔で見ているのだろう。顔の見えない存在に梓は唯一動く目だけで探すが、やはり見ることが出来ない。梓にとって神に望む姿は見えない者なのか。
思案する梓より先に答えが出ただろう神が麗巳の提案に頷いた。

「麗巳、君の望みを聞こう」
「……私の名前を呼ばないでちょうだい。悠斗の顔で!悠斗の声で!私の名前なんか呼ばないでよ!」
「面白い。君はなぜ泣きながら怒っている?」
「五月蠅い!アンタなんか言われるまま頷いてればいいのよ!」
「そうしよう」

神が素直に頷いた瞬間見えない拘束から解かれた者たちがよろめき、そのうちの1人が素早く麗巳を取り押さえようと動く。けれど男はバランスを崩したのかふりあげた手の力を抜いて、そのまま膝をついた。一瞬のことだった。胸にあいた空洞を見た男は呆然と麗巳を見上げて血を吹き出しながら床に倒れる。痙攣する身体はしばらくしてぴくりとも動かなくなって。

「絶望してしまえばいい。大事な人を奪って私を物として扱ったこいつらも同じような目に遭えばいい。奪われる辛さを思い知ればいい」

悲鳴が、痛みに苦しむ声が、恐怖に泣き叫ぶ声が聞こえる。神聖にも見えた場所は血に濡れて凄惨な場所へと姿を変えていった。突然分かるようになった麗巳の言葉にそれぞれが恐怖し祈りを奉げる。麗巳が自身の力を証明するたび人は死に、そのたびに残った者は膝をついてただただ祈りを奉げる。王が死んでも残った者は麗巳と神だけを見続けて祈り、麗巳が説くルールを神託のように聞き命乞いに涙を流す。神は麗巳がなにかいうたびに楽しそうな声で同意していて、祈りを奉げる者たちを見もしなかったようだ。麗巳も、神から目をそらさない。
梓は目の前の麗巳を見て、今とはまるで違う姿を消すように目を閉じる。それでも覚めない夢に血の気は引いて手はどんどん冷たくなっていく。悲鳴、祈り、最初から最後まで分かったそれぞれの言葉、過去の出来事、梓のなかに隠れるようにしていた神の存在、血の匂い。
──これは夢なんかじゃないし、過去のことを単に見ているわけでもない。テイルやヴィラさんたちを見ていたときと同じなんだ。きっと。

「しかし、絶望とはなにをさすのだろう」

麗巳の言葉に同意し続けていた神が疑問を口にする。
眉をひそめる麗巳に神はそのまま話を続け、



「君はどう思う?」



声が後ろから聞こえる。
振り返る梓が最後に見たのは視界を覆っていく白い華奢な手。すべてが白く染まっていって……





「梓っ!」





飛び起きた瞬間聞こえた声に戻ってきたのだと分かった。身体を支えた手に華奢な手を重ねてヒヤリとしたが、シェントの顔を見れば肩の力が抜けていく。苦し気に顔を歪めるシェントはもの言いたげだ。暗がりに見える顔に手を伸ばしかけて、ふと、気がつく。

「髪、切ったんですか……?」
「……はい」
「似合ってます」
「……ありがとうございます。水を」
「ありがとうございます」

後ろでひとつに括られていた長い髪がなくなっている。それだけで女性を連想させた雰囲気が消えているのだから不思議なものだ。渡された水を飲みながら不思議な状況をぼんやりとした頭で整理する。なにか考えていないとまた眠ってしまいそうだった。眠ってしまったら、また、嫌な夢を見てしまう。なにか。
『どこで寝てんだよ』
テイルの声を、床に転がっていた花を思い出す。
──あのときも、夢を見ていたわけじゃなくてその場所に行ってたんだろうな。
布団の中で寝ていたはずなのにテイルが声をかけたときに梓は冬には見ない花まで連れ帰って布団の上で丸くなって眠っていた。

「もしかして私はここにいませんでしたか」
「ええ。いま……ここで眠る前の姿で戻ったんですよ」
「ふふ、だったら飛び起きて余計驚いたでしょう」
「驚きましたよ……本当に」

飲み終わったコップが奪われて抱きしめられる。温かい身体。服が擦れて痛む目はきっと泣きすぎたせいだろう。
──やっぱり身体ごとそのまま移動してるんだ。ああでも、それならなんで。
ぼおっとしていたら頭を撫でられる。優しい手。安心して微睡みながらも恐怖にシェントの服を握り締める。たくさんのことを知ったうえ考えなければならないことがある。召喚をなくす方法──召喚を権威としてきたこの国の行く末──滅んでしまえばいい──リリアさんたちは──この世界で生きていくということ──この国がなくなったらどこで──神様に会えたら──どうしよう──私は。

「梓、眠ってください」
「……」
「身体は休まっていませんから、どうかこのまま眠ってください」

ヤトラも同じようなことを言っていた。そのうえシェントは同じ表情をしながら梓の頭を撫で続ける。温かく、優しい手にまたもや目は閉じそうになって。


「いや」


眠るのが怖い。知りたくないと拒めば夢を見ることはなくなったが、それでもふとしたとき強く望んでいないにもかかわらず夢を見ることはあった。
麗巳の泣く声が、死んでいく人が、匂いが声が笑う声がまとわりついて離れない。
『君はどう思う?』
憎たらしいあの声が頭から離れない。他人ごとに楽しむ声。謝罪してほしいわけでも反省してほしいわけでもない。いや、そうだろうか。分からない。ただ、好奇心のまま人の心を覗き込むあの存在が憎くてしょうがなかった。
『人の心を踏み荒らしたことに気がつきもせず考えもせず責任も持たない』
そのとおりだ。許せない。
どうしようもない怒りで心が苦しくて悲しくて、泣いてもしょうがないのに涙がでてきて嫌になってしまう。

「梓」
「いやっ、嫌だ……シェントさん」

もう嫌だった。なにも考えたくない。せめて今だけはなにも考えたくなかった。考えなければならないことはたくさんある。望みを達成させたいのならば逃げられないこともたくさんある。

けれど今だけは。





「お願い、忘れさせて」







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