狂った勇者が望んだこと

夕露

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第三章 化け物

166.「会ってみたかったな」

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溜め息吐いて気持ちを切り替える。出てきた本はぐっと減ったんだからさっさと終わらせよう。さっきイメラの検索をかけたときにも出た無題の本から見てみれば……ああ、これラスさんの日記だ。出てきた本を見ればラスさんを真似てスーラさんが始めた日記もその息子大地さんが始めた日記もある。
ページを、めくった。
最初はスーラさんの日記に書かれていた内容とほぼ同じだった。魔物への恐怖、決断を迫られる毎日、死んでいく人達、終わりのない絶望……。


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魔物はどのようにして生まれるのだろう。どれだけ倒しても次から次に現れる。
彼の偉人はどのように魔物を退けたのだ。

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地を変え魔物を喚んだ大戦は女王の死と引き替えに終わりを迎えたが女王が守った国も今ではこの有様だ。そもそもあの大戦でラミアは人が住めるような場所ではなくなった。残った幾人かで出来たことは国の再建ではなく過去の姿を懐かしむ村を作るだけ。ラミア建国記のようにいかず、増え続ける魔物との戦い――また滅びを迎えようとしているのだろう。

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神話にすがるのは愚かなことだと分かっていても【神木】という話しが忘れられない。人々が願いを託したという異色な木。本当に願いが叶うのだとしたら?だからこそみんな祈ったのだとしたら?

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【亡国の女王】リティアラ=メルビグダ=ラディアドルも神木をその目で見て祈ったのだという。彼女のことを記したリオ=ラーティンによると彼女はダラク=カーティクオという男と神木を見て願ったのだそうだ。その願いは最後まで教えてはもらえなかったが、きっと廻ると微笑んだそうだ。

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ラミア建国記が2冊あった。どうやら1冊は捏造したものらしいが民衆に聞かせるのならこちらがいいだろう。歴史はむごいものだ。実の親を含め一国の民全てを殺したイグリティアラ=メルビグダ=ラディアドル。彼女が最期に言おうとした言葉は……私は最期なにを言うのだろう。

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イグリティアラとリティアラは隠れ姫と呼ばれていたらしい。イグリティアラは国を滅ぼすほどの力を加護として使うため民衆に姿をさらすことなく隠されてきた存在だったようだが、リティアラには詳しい記述はない。生まれてすぐに息をひきとったと国外に知らせてまで彼女の存在を隠したのは何故だろう。そのうえ彼女が公の場に姿を現して半年で彼女は死に、国は滅んだ。イグリティアラが持っていた力を彼女も持っていたのか?
国を滅ぼすほどの力。それさえあれば魔物を一掃できるかもしれない。

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私も彼女たちと同じ血を継いでいるはずなのに何も出来ない。父上、母上、私は無力だ。あなた達を死なせ兄も弟も死なせてしまった。私はまだ死ねないのだろうか。スーラを死なせたくはない。スーラを最後の当主にはしたくない。私は、死ねない。

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皆死んでしまった。

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次のページは破られていた。となると梅がちぎったのはここなんだろう。梅が持ち帰ったものと合わせると案の定破れ方が一致した。けど、少しおかしい。ラスさんの日記はその日あったことを記入したあと線を引いて枠組みを作っている。書き方も統一されているし几帳面さが伺えるのに梅が持ち帰ったページは片面白紙だ。ただ書かなった?消された?隠してる?魔法が使われてる?
──見たい。
ないものを望んだせいで魔力の消費は大きかったけれど、望み通り浮かび上がった言葉は私の予想を裏付けるものだった。


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禁呪を使おう。使えば災いが起きると伝えられてきたがもうこれ以上の地獄なんてありはしないだろう。この力がイグリティアラ達が持っていた国を滅ぼす力なのだとしても、もうこれしか術はない。

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使ったら、どうなるのだろう。この力が原因でスーラを殺してしまったら……

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私より幼いものが魔物と戦って命を落としていく。もう耐えられない。もう。
お願いだ、誰か助けてほしい。
どうしたらこの村を救える。どうしたら

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禁呪を使ってしまった。

しかしこれは本当に禁呪なのだろうか。助けて下さいと誰かを祈ったせいか荻野空という男が目の前に現れた。彼は私より若く、私と同じ人間のようだ。彼の言動から違う場所にいた彼を禁呪で私が呼び寄せたのだということを知った。私は地獄に人を招き入れてしまっただけなのか。

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隠された内容はここまでだった。
そして破られた内容に続き、空さんの異常な魔法や空さんによって禁呪は勇者召喚という名前がつけられたこと、苦しい日々に起きるようになったおかしなことが綴られている。スーラさんと空さんの関係に喜ぶラスさんや、洞窟のなか交わした話、神殿をリフォームする余裕ができた話、魔物との攻防……そして2度目の召喚をするという言葉を最後に日記は終わる。


「ラスさんの日記はまだあるのかもな」


ハトラの私室になかったことを考えるとラスさん自身が持っているのかもしれない。気になる。勇者召喚をしたあとに神木や守人やリオ=ラーティンの話が出たことも気になる。勇者召喚と関連付けられることがあるとするのならやっぱり召喚ということだろうか。神木に願いをかけたことで彼女は戻ってこれた。

「オルヴェンを救った……」

彼女とは【亡国の王女】リティアラ?彼女の命でもって大戦を終わらせたのだとしたならそうとも言えそうだ。ただ神木とやらは本当にあるんだろうか。このときのラスさんは苦しみのあまり神話を信じすぎてるように思う。願いを叶えてくれるだろう神木に願いをかけたリティアラ。救いを望んだラスさん。
夢のような話だと思って、あ、と気がついた。


「そもそも魔法が使えるこの世界自体が夢物語だ」


私の常識で考えるのは止めたほうがいいだろう。なにせ英雄伝は本当にあったことで実際に聖剣が眠る場所もあった。それなら神話も少なからず本当のことが混ざっているのかもしれないし、もしかしたら全て実話なのかもしれない。
……それはそれで夢のある話だ。
『私たちがこの世界を救う誰かを祈ってしまったばかりに禁呪を、召喚魔法を使ってしまいました。……すみません。だから私たちは魔物に殺されるんです。人を巻き込んで呪いのように廻っていく』
だけど夢のような話では終わらせられない。

「きっと廻るってなんのことでしょうね、リティアラさん」

呪いのように廻ると言ったラスさんは勇者召喚をすることでこの世界を恨む勇者が魔物を生むことを言ったんだろうか。それなら勇者召喚ではなくて禁呪としただろうリティアラさんは何を思って廻るなんて言ったのか。廻る、めぐる、まわる……。

「分かんね」

答えを探すのは諦めていま分かるものを探すことにする。
リオ=ラーティン。彼はラミア国に仕えていた魔導師であり守人の1人だったらしい。魔導師。思い出すのはフィラル王国筆頭魔導師キューオだ。まだ魔法解くの頑張ってんのかな。じくりと痛む気がする肩を押さえながら馬鹿みたいなことを考える。

「ラミア国王女リティアラとリオ=ラーティン。それとダラク=カーティクオか」

ダラク=カーティクオの情報は一切なかった。ただの一般人ということだろうか?でもこの面子でただの一般人ってのはありえるのか?リティアラと一緒に神木で願いをかけた間柄ということは友人、もしくは恋人だったのかもしれないけど……。

「最後は【ラミア建国記】で……これは真実のほうなんだろうな」

検索で最後に出た本を手に取る。年代を感じるが豪華な装丁がされていて中身以上の厚みがある。建国記ともなれば仰々しくするものなのかと思ったけれど、【ラミア建国記】は歴史を記しているもののはずなのに始まりは絵本の【神木】のような感じだった。客観的に書かれているんだろうけれど、どこか違和感。
物語はイメラが国を滅ぼした日のことだ。







-------


昔、美しい女がいた。 
  
華奢な身体に白い肌を持ち、腰ほどもある美しい金の髪を持っているその女はなによりも強い意志を感じさせる瞳で人々を魅了する。その姿は言葉に表すには難しく、ただ誰もが感嘆の息を吐くのだという。女を見た少年はこう言うのだ。女神だ、と。 
女は容姿のみならず魔の力にも恵まれていた。それは天地をも揺るがす力で小さな身体には余りあるものであった。風を操り空を舞い地と話し生命を蘇らせる。限りない魔力──だがそれを知る者はいない。女だけがその力が善にも悪にもなりうることを知っていた。ありすぎる力はときに災いを呼び起こす。それが起こらなかったのはひとえに女が意識し、害を避けていたことに他ならない。 
  
しかしその日は来た。 
  
もはや異常とも賞賛できる精神力で女は堪えてきたが、愛する者を奪われた女は真実に怒り狂い力を使った。 
音が消えた。 
光が消えた。 
その場にいたものが最後に聞いたのは女の発した声。最後に見えたのは女の涙、壊れた世界。 
一瞬にしてその国は消えた。 
国を滅ぼした力はそれに止まらず大地を震わせ、他の国にも大陸にも影響を与え災害を招いた。 
(この災害に関しては別紙に記載済み) 
  
  
  
……そしてそれからおよそ数時間後、その国が存在したはずの場所に幾人の者たちが示し合わせたように訪れた。彼らは一様に、訳の分からぬままなにかに導かれるようにやってきたのだという。彼らがそこで見たものは、どこまでも続く骸と瓦礫の中心で、骸を手に涙を流しながら空を見続ける女の姿。乱れてはいるがこの状態の中でも光り輝く金色の髪は鮮やかで、血にまみれた傷だらけの女をより美しくさせていた。 
女のことは誰もが知っていた。 
多くの人々に囲まれ、幸せそうに生きていたあの美しい女だった。 
  
「これは」 
  
一人の男がたまらずそう呟く。いったいなにがどうなっているというのか。 
女はその声にビクリと肩を震わせると、壊れた玩具のようにゆっくりと顔を動かした。風がざわめき辺りに充満していた腐臭が否応なく襲い掛かってくる。あまりにきつい匂いに顔を歪めていると、いつのまにか女は立ち上がっていた。片腕で大事そうに骸を抱く女の顔はまるで人形のようで、その美しさと危うさが女がこの世のものではないように思わせる。女が掠れた声で呟いた。 
  
「もう、私には」 
  
涙がまた零れ落ちるが、女はそれを拭うことなくただ骸を見続ける。 
  
「私には……いなくなってしまった。私の場所も、もう、ない」 
 
淡々と話しているのにも関わらず、どこか悲鳴のような言葉が響いていく。 
そして女は誰も聞いたことがないような言葉を紡ぎ出した。長い詠唱だ。強者ならばすぐに逃げる判断をしただろう。けれど女を見る彼らは動くことが出来なかった。詠唱が終わってしまう。そして女は自分を見続ける者たちを見下ろし、微笑む。 
  
「この国を滅ぼしたのは私。その力はまだ私の中に宿っている。あなた達に……」 
  
女は言いかけて言葉を飲み込む。 
そして誰もが女の動向を見守るなか、女は全てを振り切るように空を見上げて手を伸ばした。何かを掴もうとした手が宙を切る。女は悲しげに笑うと立ち尽くす者たちに頭を下げた。 
  
「さようなら」 
  
女はもう戸惑う彼らを見ることはなかった。
腕に抱く骸を見て嬉しそうに微笑み浮かべ、光りを放つ手を自身の胸に当てる。 
  
  
「     」 
  
  
女は呪を唱えた。誰もが聞いたことのなかった、見たことのなかった呪文。 
大地のうねりが底から響き風が吹き荒れる。砂埃はいま起きていること全てを覆いつくしていった。骸も、女の鮮やかな金髪も、この現状に似合わないほどに晴れ渡る空でさえも視界から消えていく。きっとそれでよかったのだろう。立ち尽くす彼らの目前を、全てを超越した存在が横切った。なにかよく分からないソレが、呆気にとられて立ち尽くす彼らの手の届くギリギリのところまで訪れて、その存在を地面に刻み込むようにして去った。 
その存在が“なに”かだなんて知らない、知っているはずがない。しかし彼らはソレに恐怖した。足元に視線を移せばそこから一歩でも前に出ていたのなら死んでいたであろう。えぐられた地面が存在していた。 
一瞬の出来事だった。 
その場に居合わせた者達は声もなくその光景を見入る。風が吹き止み開けた視界に映ったのは──抉られた地面を境に、骸も、瓦礫も、女さえも消えてしまった荒野だけが広がる場所だった。 
ふと、涙を流した美しい女を思い出す。 
あの涙はいったいなにを思って流されたのか。声無き叫びとなって、どこへと行くのか。 
  
「っ……!」 
  
空から小さくて白いものが振ってきた。風が甘い香りを運んでくる。……ラシュラルの花だ。花は雪のように人の肌に触れた瞬間形を無くして、まるで涙のように伝っていく。空から落ちてきたそれは溶けて大地と交わり、かけ離れた存在同士をつなぎ合わせていた。 
誰かが言葉にならない声を上げる。空から降り注がれたそれが大地に溶け込んだ瞬間小さな芽が出てきたのだ。何個も、何百も、何千も芽生えたその命は目にも止まらぬ速さで成長し、あるものは木へと、あるものは花へと育っていった。荒野は気がつけば緑溢れる豊かな土地へと変わった。 
後に彼らはここに国を立ち上げる。 
最初は小さな村のようなものだったが、時の速さと同じくして目覚しい発展を遂げ、百年後には人があふれ栄える強国へと成長した。 
  
その国の名は──ラミア。 
  
  
  
---------- 
  




著者不明のこの本を書いたのは誰なんだろう。まるでロディオのようにその光景を見たかのように書いている。その場に居合わせた彼らの1人が書いたんだろうか。でもそれならその人はイメラが国を滅ぼすほどの力に悩んでいたことを知っていた人になるけど、その割には彼女に対する思い入れある言葉は少ない。あるとすれば異常とも賞賛できる精神力、だろうか。
しかもページを挟んで続けられた文章は違う人が書いたのではと思うぐらい違う。というより、字体が違う。





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ラミア建国歴史 第一部 
  
女、イグリティアラ=メルビグダ=ラディアドルの消息は不明。死んだものと思われる。 
女が腕に抱いていた骸は、一時身を隠していた折、知り合った男という説が有効。尚、この男の出生の村は当時の皇帝アガサル=メルビグダ=ラディアドルの命によって滅ぼされた。村には強力な守りの魔法があるためその後誰もその地を侵すことはできなかった模様。現在もその場所の発見は報告されていない。早急にこの村の発見に務めること。この場所は報告どおりならば、守人を配置すべき。闇の者の発生に備えること。 
ラミア国創設にあたり“彼ら”の働きは目覚しく、異常な速さで国を創り上げたことから、女が“あなた達”に望んだことは国の再建だったのではないだろうかという説がある。 
ここに記した記録は実際に忠実に作られている。 
  
  
尚、この記録は秘密裏に保管すること。 



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きっとイメラが持っていた骸はロイさんなんだろう。イメラはあの村の惨劇があったあと村に戻ってしまったんだ。
そしてこの日が来た。リヒトくんが言っていた弾かれるというのは多分この守りの魔法のことだ。ということは村と神聖な場所は近いのかもしれない……いや、どうだろうな。分からない。
分かったのは守人である彼らがこうした惨劇によって闇の者が生まれることを知っていて討伐にあたっていたことだ。討伐出来ないものは神殿に閉じ込めてその番人となる。
『あの場所は禁じれた森にあたる場所だという判断に至りました』
ジルドが言っていたことを思い出す。今までのことも重ねれば禁じられた場所というのはこの時代から既にあったらしい。その中で生き続ける闇の者サバッド。

「そういやラスさんの日記にはサバッドと会話したことが書いてなかったな」

となるとやっぱりラスさんの日記はまだあるということだ。ああもう、分からないことだらけで嫌になるし落ち込むことばかり分かって嫌になる。イメラの絶望を知れば知るほどイメラが叫んだ恨みに込める想いが分かるし、分かるからこそ……オーズが言うように救えない存在だって分かる。
でも愚痴を言ってもしょうがない。ラスさんの日記に出ていた言葉を確かめるために出てきた本を読み飛ばさずに最初から最後まで読んでいく。【亡国の女王】も【守人】も【ラミア建国記】も【オルヴェン】もラスさんの日記も……そして分かったのはラスさんの日記に書かれたことは確かにこれらの本を元にしていたんだということだ。最初から持ってる本を読んでいたら真相に早く近づけてことに落ち込むけど次からは気をつけよう。
それに読み直していたら面白いことを知った。どうやらロディオさんが最初にこの世界のことをオルヴェンと言った人らしい。ロディオさんはこの世界の歴史書を書くにあたってこの世界を表す名前を考えあぐねていたとのこと。そんな折見つけたのがオルヴェンという人に宛てられたラブレター。どうやらオルヴェンという男性は不自由な身の上だったらしく関わる人が限られていた。そんなオルヴェンにラブレターを書いた女性は手紙の中で何度もオルヴェンと呼び、オルヴェンと呼ぶ人が増えますようにと彼の幸せを願っていたそうなのだ。だからロディオはこの世界の名前をオルヴェンにしたとのこと。存外ロマンチストだったらしい。


「会ってみたかったな」


本を閉じて伸びをする。
なにせ図書室のドアを開けて腰に手を置きながら仁王立ちするコーリアさんを見つけてしまったからだ。時間はいつのまにか夕方になってしまっている。どうりで目がしょぼしょぼするし疲れてるわけだ。

「リーシェ様、私が何を言いたいか分かりますか?」
「……すみません。ちゃんとご飯食べます」
「そうなさって下さい。それから、くれぐれも、無理はなさいませんように」
「……はい」

闇の者と対峙したときとは違う恐ろしさだ。乾いた笑いをする私を見てコーリアさんはにっこり微笑んで動かない。
諦めて、本を片付けることにした。








 
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