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ACT2:妖魔王の旌旗
タラスの恐るべき術
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〈佩用者、次が来ます。複数なのでお気をつけて〉
「おう!」
渉猟械に比べると魔甲兵はわずかに小ぶりだが、その分動きは鋭く速い。
剣を構えず両手がら空きで飛び込んできた一体が、カイルダインの腰に横から組み付いた。20m級の金属塊がその重量でずっしりと俺たちを足止めする。
「しまった!?」
〈ああもう、言ってるそばから!〉
もう一体が剣を腰だめに構えて眼前に迫る。空いた右手を突き出してその剣を掴んでひねると、共振拳の効果で掴んだ部分から粉々になった。
が、魔甲兵の修復能力は武器にも及ぶようだ。先ほどと同様、青白い光が集まって剣身が滑らかに再形成されていく。
赤銅色の影が俺の左側をすり抜け、前へ出た――騎士レンボスとその乗械マクガヴァンだ。
手にしたマーガンディーの剣で魔甲兵を貫き、そのまま下腹部から股下へと斬り下す。
〈うむ、良い剣だ――ヴォルター殿、この傀儡どもに無手でかかるのは無謀だぞ〉
「すまん、助かった――欺陽槍!」
魂跡華の消費を惜しんでもいられないらしい。右手に発生させた光槍で、腰にしがみついた魔甲兵を背中側から突き徹す。
「こいつはしばらく投げずに使いまわそう」
〈ええ。ですが間合いには気を付けてください。共振拳の効果は私の拳と肘、膝、足底部とビュランにしか発生しません〉
「ロボに乗っても寝技は鬼門か。まあ、仕方ないな」
苦笑いしながらマクガヴァンを横目に一歩前へ。この男をこれ以上危険にさらせない。
(何としても生還させてみせる……!)
魔甲兵の戦列が前方に展開し、盾と剣を並べて横一列の陣形をとった。原始的だが防御重視の堅実な戦法、圧倒的に少数のこちらには、絶望的とも感じられる。
だが、俺は敵の動きの中に逆に光明を見出していた。
「カイルダイン、斥力球をマクガヴァンの腕と操縦籠に展開できるか?」
〈魂跡華を新たに5消費します。残り72。霊力は戦闘継続一分ごとに1を消費〉
リソース的には微妙な感じになってきた。だが構わない。
「この有機的で敏捷な動き……魔甲兵とやらはただ自律的に動いてるわけじゃなさそうだ。間違いなく、どこかに指揮官機に相当するものや、こいつらを集中してコントロールする術者がいる。そいつを探そう」
斥力球は、その間マクガヴァンを失わないための方策だ。
〈了解。そうですね、十分ください。それだけあれば走査可能な範囲をしらみつぶしにできるはずです〉
十分。ずいぶん控えめな申告だが、その慎重さが普段のアッパーぶりからすれば逆に頼もしい。そのくらいはカイルダインの助言に頼らずとも、もたせて見せようじゃないか。
一気に走り出す。ただし直進ではなく、街道わきにそそり立った手ごろな岩塊に目標を定めてだ。
その岩はこの械体の突進による衝撃を受け止めるにおよそ十分な強度があると分析済みだった。
岩壁に向かってジャンプ。垂直に近い角度で切り立つその壁面で踏み切り、逆方向へ鋭角的に――身長30mの巨人が演じる、完璧な三角跳びだ。魔甲兵の側面からスピードを利して奇襲――2kmを五歩で駆け抜けるカイルダインの重力制御能力がそれを可能にした。
かかとで魔甲兵の傘状頭部を踏み砕き、剣を持った右腕をビュランで斬り飛ばした。
よろめいた敵に光槍を突き込み、活動停止させる。投げなくても一定時間で減衰して消える光槍ではあるが、もう数合くらいはもつ。
隊列の奥のほうがばらりと解けるように動き、数体がこちらを包囲しようと殺到してきた。
「何度も同じ手を食らうか!」
元来た方向、関所側へ向かって横走りに移動し、距離をあける。それはマクガヴァンのカバーも兼ねてのものだった。魔甲兵の後方から展開していた敵騎兵部隊が、渉猟械に接近しつつあったのだ。
人間より一回り大きな体躯を持つ異形の騎兵たちは、アースラの使うものに似た重厚な戦斧を片手で掲げ、喚き声を上げながら突進してくる。それを運ぶのは異様にたくましい肩と腰を持つ、雄牛とオオカミを一つにしたような魔獣だった。
(マクガヴァンがあいつらにたかられたら、ちょっとやばそうだぞ!)
護令械の巧妙に設計された各部の装甲は、それ自体には可動のための機構を備えず、重力に従うだけであらゆる姿勢に応じた適切な位置をとるように作られている。同様なサイズの敵が相手なら、生半な攻撃は通らない。
だが隙間はどうしてもできる。そこを狙った攻撃には脆いのだ。絹糸束筒の何本かでも破損すれば、マーガンディーと同じく擱座の運命をたどることになる。
サイズが人間に近い戦士や騎獣はカイルダインにとっても対処しにくい相手だ。俺は思わず、先ほど地上に下ろした術師タラスをすがるような気持ちで目探ししていた。
少し離れた岩棚の上に、彼はいた。
いつの間にかその白皙の細面を、黒漆を施したあの奇妙なマスクが覆っていた。最初に出会った時と同じく、青銅の飾りをきらめかせた奇妙な杖を掲げている。
それが擬竜の骨を削り出した強力な呪物であることを、俺はすでに教えられて知っていた。
タラスは白い長髪を歌舞伎の連獅子のように振り立て、呪文を詠唱し始めた。
――エレンセン ヴィロヴォダシ テスティス ア ヴィル! 怨念の忌み子、無念の落とし子らよ、その血肉集いて我が直視しがたき従者となるべし――
マクガヴァンの足元、折り重なった魔獣の骸が半ば融け崩れてぬるりと渦を巻き、フォークに巻き取られたパスタのように盛り上がった。
――ラ! ガルバ・ナ!
死肉と骨で形作られ、攻城兵器の残骸や魔甲兵の破片を取り込んで装甲代わりにちりばめた、グロテスクな肉体がそこにかりそめの姿を現した。
それは材料とはうらはらに、腐敗と崩壊からはもっとも無縁な物に見えた。身長およそ5m。マリオンが使った輜重械に匹敵するサイズの、ゴリラに似たシルエットが三つだ。
従者が腕を振り回すと青い光がその軌道に沿って残る。先陣を切って駈けこんだ敵騎兵が、その拳風に巻き込まれて吹き飛んだ。
「ありがたい、タラス!」
俺は素直に叫んだ。彼の術は傍目に奇怪で恐ろしく、邪悪なものとも見えるが、彼の寡黙で理知的な態度はそれが必ずしも正しい見方でないことを教えてくれる。
――グラァアアアアアア!
怒号とともに振るわれた騎兵の斧が、一体を断ち割った。
だがすでに生命を持たない死肉には何の影響もないらしい。周囲の死体や残骸から新たな素材を補充し、分断されたサーヴァントはそれぞれ一体づつに再生を遂げた。
一体の腕から黒光りする棘が伸び、腕の一振りとともに射出される。それは背中を見せて関所のほうへ走り去る騎兵を、鎧ごと貫いた。
――ここは任せるがいい! 術の触媒は奴らが自分で持ってきてくれる、不自由することはあるまい。
こちらへ振り向いたタラスがグッと頷いて見せる。そのマスクの下の顔は、きっと凄味のある微笑みを形作っていると思えた。
擬竜の骨杖を振りかざし、彼はさらに新たな呪文を紡ぐ。
――ドゥグ レス フェルフゥク! ホヒィ ホヅァ ア メリキィス! 彼より出でよ、裡なる罪過! 溢れて走れ、輝く屍毒――悪疫の雲!
サーヴァントによって破壊され地上に散らばった騎兵の肉体に、ベールのように舞い降りた緑色の光が食らいついた。
――ナ・ガソア・ム!
詠唱が完成した次の瞬間、それらは内へとつぶれるように爆ぜ、紫に輝くじっとりした蒸気を噴きだした。
紫の毒雲は速やかに周辺50m半径ほどに広がり、うかつにもその圏内に飛び込んだ騎兵数体が、口と鼻からどす黒い血を噴きだして倒れた。
なるほど。犠牲者を新たな毒雲に変えるならば、彼が触媒に不自由することはない。さすがに騎兵たちは突撃を中止し、遠巻きに旋回を始める。
(味方でよかったぜ……)
そんな感慨を抱きながら、俺は再び魔甲兵の集団に向かう。レンボスとマクガヴァンの護りはタラスに任せておけば大丈夫だろう。敵の動きはわずかに精彩を欠き始めて見えた。
「おう!」
渉猟械に比べると魔甲兵はわずかに小ぶりだが、その分動きは鋭く速い。
剣を構えず両手がら空きで飛び込んできた一体が、カイルダインの腰に横から組み付いた。20m級の金属塊がその重量でずっしりと俺たちを足止めする。
「しまった!?」
〈ああもう、言ってるそばから!〉
もう一体が剣を腰だめに構えて眼前に迫る。空いた右手を突き出してその剣を掴んでひねると、共振拳の効果で掴んだ部分から粉々になった。
が、魔甲兵の修復能力は武器にも及ぶようだ。先ほどと同様、青白い光が集まって剣身が滑らかに再形成されていく。
赤銅色の影が俺の左側をすり抜け、前へ出た――騎士レンボスとその乗械マクガヴァンだ。
手にしたマーガンディーの剣で魔甲兵を貫き、そのまま下腹部から股下へと斬り下す。
〈うむ、良い剣だ――ヴォルター殿、この傀儡どもに無手でかかるのは無謀だぞ〉
「すまん、助かった――欺陽槍!」
魂跡華の消費を惜しんでもいられないらしい。右手に発生させた光槍で、腰にしがみついた魔甲兵を背中側から突き徹す。
「こいつはしばらく投げずに使いまわそう」
〈ええ。ですが間合いには気を付けてください。共振拳の効果は私の拳と肘、膝、足底部とビュランにしか発生しません〉
「ロボに乗っても寝技は鬼門か。まあ、仕方ないな」
苦笑いしながらマクガヴァンを横目に一歩前へ。この男をこれ以上危険にさらせない。
(何としても生還させてみせる……!)
魔甲兵の戦列が前方に展開し、盾と剣を並べて横一列の陣形をとった。原始的だが防御重視の堅実な戦法、圧倒的に少数のこちらには、絶望的とも感じられる。
だが、俺は敵の動きの中に逆に光明を見出していた。
「カイルダイン、斥力球をマクガヴァンの腕と操縦籠に展開できるか?」
〈魂跡華を新たに5消費します。残り72。霊力は戦闘継続一分ごとに1を消費〉
リソース的には微妙な感じになってきた。だが構わない。
「この有機的で敏捷な動き……魔甲兵とやらはただ自律的に動いてるわけじゃなさそうだ。間違いなく、どこかに指揮官機に相当するものや、こいつらを集中してコントロールする術者がいる。そいつを探そう」
斥力球は、その間マクガヴァンを失わないための方策だ。
〈了解。そうですね、十分ください。それだけあれば走査可能な範囲をしらみつぶしにできるはずです〉
十分。ずいぶん控えめな申告だが、その慎重さが普段のアッパーぶりからすれば逆に頼もしい。そのくらいはカイルダインの助言に頼らずとも、もたせて見せようじゃないか。
一気に走り出す。ただし直進ではなく、街道わきにそそり立った手ごろな岩塊に目標を定めてだ。
その岩はこの械体の突進による衝撃を受け止めるにおよそ十分な強度があると分析済みだった。
岩壁に向かってジャンプ。垂直に近い角度で切り立つその壁面で踏み切り、逆方向へ鋭角的に――身長30mの巨人が演じる、完璧な三角跳びだ。魔甲兵の側面からスピードを利して奇襲――2kmを五歩で駆け抜けるカイルダインの重力制御能力がそれを可能にした。
かかとで魔甲兵の傘状頭部を踏み砕き、剣を持った右腕をビュランで斬り飛ばした。
よろめいた敵に光槍を突き込み、活動停止させる。投げなくても一定時間で減衰して消える光槍ではあるが、もう数合くらいはもつ。
隊列の奥のほうがばらりと解けるように動き、数体がこちらを包囲しようと殺到してきた。
「何度も同じ手を食らうか!」
元来た方向、関所側へ向かって横走りに移動し、距離をあける。それはマクガヴァンのカバーも兼ねてのものだった。魔甲兵の後方から展開していた敵騎兵部隊が、渉猟械に接近しつつあったのだ。
人間より一回り大きな体躯を持つ異形の騎兵たちは、アースラの使うものに似た重厚な戦斧を片手で掲げ、喚き声を上げながら突進してくる。それを運ぶのは異様にたくましい肩と腰を持つ、雄牛とオオカミを一つにしたような魔獣だった。
(マクガヴァンがあいつらにたかられたら、ちょっとやばそうだぞ!)
護令械の巧妙に設計された各部の装甲は、それ自体には可動のための機構を備えず、重力に従うだけであらゆる姿勢に応じた適切な位置をとるように作られている。同様なサイズの敵が相手なら、生半な攻撃は通らない。
だが隙間はどうしてもできる。そこを狙った攻撃には脆いのだ。絹糸束筒の何本かでも破損すれば、マーガンディーと同じく擱座の運命をたどることになる。
サイズが人間に近い戦士や騎獣はカイルダインにとっても対処しにくい相手だ。俺は思わず、先ほど地上に下ろした術師タラスをすがるような気持ちで目探ししていた。
少し離れた岩棚の上に、彼はいた。
いつの間にかその白皙の細面を、黒漆を施したあの奇妙なマスクが覆っていた。最初に出会った時と同じく、青銅の飾りをきらめかせた奇妙な杖を掲げている。
それが擬竜の骨を削り出した強力な呪物であることを、俺はすでに教えられて知っていた。
タラスは白い長髪を歌舞伎の連獅子のように振り立て、呪文を詠唱し始めた。
――エレンセン ヴィロヴォダシ テスティス ア ヴィル! 怨念の忌み子、無念の落とし子らよ、その血肉集いて我が直視しがたき従者となるべし――
マクガヴァンの足元、折り重なった魔獣の骸が半ば融け崩れてぬるりと渦を巻き、フォークに巻き取られたパスタのように盛り上がった。
――ラ! ガルバ・ナ!
死肉と骨で形作られ、攻城兵器の残骸や魔甲兵の破片を取り込んで装甲代わりにちりばめた、グロテスクな肉体がそこにかりそめの姿を現した。
それは材料とはうらはらに、腐敗と崩壊からはもっとも無縁な物に見えた。身長およそ5m。マリオンが使った輜重械に匹敵するサイズの、ゴリラに似たシルエットが三つだ。
従者が腕を振り回すと青い光がその軌道に沿って残る。先陣を切って駈けこんだ敵騎兵が、その拳風に巻き込まれて吹き飛んだ。
「ありがたい、タラス!」
俺は素直に叫んだ。彼の術は傍目に奇怪で恐ろしく、邪悪なものとも見えるが、彼の寡黙で理知的な態度はそれが必ずしも正しい見方でないことを教えてくれる。
――グラァアアアアアア!
怒号とともに振るわれた騎兵の斧が、一体を断ち割った。
だがすでに生命を持たない死肉には何の影響もないらしい。周囲の死体や残骸から新たな素材を補充し、分断されたサーヴァントはそれぞれ一体づつに再生を遂げた。
一体の腕から黒光りする棘が伸び、腕の一振りとともに射出される。それは背中を見せて関所のほうへ走り去る騎兵を、鎧ごと貫いた。
――ここは任せるがいい! 術の触媒は奴らが自分で持ってきてくれる、不自由することはあるまい。
こちらへ振り向いたタラスがグッと頷いて見せる。そのマスクの下の顔は、きっと凄味のある微笑みを形作っていると思えた。
擬竜の骨杖を振りかざし、彼はさらに新たな呪文を紡ぐ。
――ドゥグ レス フェルフゥク! ホヒィ ホヅァ ア メリキィス! 彼より出でよ、裡なる罪過! 溢れて走れ、輝く屍毒――悪疫の雲!
サーヴァントによって破壊され地上に散らばった騎兵の肉体に、ベールのように舞い降りた緑色の光が食らいついた。
――ナ・ガソア・ム!
詠唱が完成した次の瞬間、それらは内へとつぶれるように爆ぜ、紫に輝くじっとりした蒸気を噴きだした。
紫の毒雲は速やかに周辺50m半径ほどに広がり、うかつにもその圏内に飛び込んだ騎兵数体が、口と鼻からどす黒い血を噴きだして倒れた。
なるほど。犠牲者を新たな毒雲に変えるならば、彼が触媒に不自由することはない。さすがに騎兵たちは突撃を中止し、遠巻きに旋回を始める。
(味方でよかったぜ……)
そんな感慨を抱きながら、俺は再び魔甲兵の集団に向かう。レンボスとマクガヴァンの護りはタラスに任せておけば大丈夫だろう。敵の動きはわずかに精彩を欠き始めて見えた。
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