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ACT2:妖魔王の旌旗
脅威の魔甲兵
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その渉猟械の前には新たな敵が迫りつつあった。峠へから北へ伸びる街道の、むき出しの路面から立ちのぼる砂煙に半ば隠されつつ、隊伍を組んで進んでくるいくつもの人形がある。
「あれは……護令械か?」
〈似ていますが、別物のようですね。『令呪錦』に特有の反応も、熱晶石の熱も感知できません。そのかわり、霊力に類似した何らかの力が内部を循環していますね。人間でいえば腰のあたりにその中心が存在するようです〉
「ゴーレムか何かの一種か……いかにもファンタジー世界の魔王軍って感じだが、陳腐この上ないぜ!」
〈陳腐でも、戦力としてはなかなかのようです。損傷した渉猟械があの数と接触すれば、おそらく一分持たないでしょう〉
「ここまで来て、むざむざやらせるか。カイルダイン、欺陽槍だ! 必要な魂跡華は使って構わん、命中しても消えないやつを頼む!」
〈了解!〉
操縦籠に立つ俺の手の中に、光り輝く槍のイメージが生み出された。
「行けぇ! 真・欺陽槍!」
その一閃は、今まさに渉猟械に向かって大剣を振り下ろそうとした敵の、腰の中心をつらぬいて大地に縫いとめた。
動きを止めて一瞬痙攣するように震えたそのゴーレムに、渉猟械が右手の剣を振り下ろす。金属光沢を持つにもかかわらず、敵の巨体は土器のように割れ崩れた。
だがそれと同時に、渉猟械の手にした剣も、ついに軋みを上げて鍔元から大きく曲がりへし折れた。
一か月にわたって戦いを支えた武器を失い、騎士の心は一種のつまづきを起こしたに違いない。剣を振り下ろしたその形のまま、渉猟械の動きが止まる。
そして、光の槍を放った者を探すように、渉猟械が頭部をわずかに廻らせた。
瞬間、新手のゴーレムが渉猟械に突進した。キノコの笠をかたどったように拡がる頭部のフォルムが目を射る。
「だっしゃああああ!」
衝動に導かれるままの叫びとともに、俺はそのゴーレムに突っ込んでいた。空中から斜めの軌道を描く落下蹴り。それがキノコの傘に突き刺さり、巨像がぐらりと傾いだ。
着地と同時に逆側の足を振り上げ、足背部での蹴りを叩き込む。人体であれば蹴り足を痛めかねない悪手だが、カイルダインのその部位にはノミかたがねの刃のような、分厚い鉄塊が装備されている。
同様のものは一部の戦闘用護令械にはしばしば見られ、一般にも流布するその名称を、俺はパキラから教えられていた――
「足尖鏨刃!」
足に還ってくる。ひどく重く硬い感触。振り抜いた足の軌跡にそって笠が大きく裂け、ゴーレムは数歩下がって仰向けに倒れた。
〈か、かたじけない! 何処のどなたかは存ぜぬが礼を言う……!〉
渉猟械の操縦籠から、伝声管を通して騎士の声が響いた。俺はカイルダインを彼のほうへ向きなおらせた。
「俺はヴォルター。このカイルダインの佩用者だ」
〈カイルダイン……聞かぬ名だが、素晴らしい護令械だな。私は騎士レンボス。この渉猟械マクガヴァンとともに、ボルミから落ち延びてきた〉
「ああ。難民たちが感謝していたよ――レンボス卿、あなたは十分すぎるほど戦った。後は俺に任せて退がってくれ!」
〈うむ、口惜しいがこの械体もそろそろ限界……危ない!〉
叫びとともに、渉猟械マクガヴァンは右腕を伸ばしてカイルダインを引き寄せていた。たたらを踏んでそちらへよろめいたカイルダインの後ろを、何かが高速で通り抜ける。
〈気を付けろ、その魔甲兵はまだ生きている!〉
レンボスの警告と同時に、操縦籠の映像面には先ほどのゴーレムがクローズアップされていた。横なぎに振り抜かれた形になったその腕には、大剣が保持されたままだ。
ゴーレムの銀灰色の笠にはドクロのそれに似た暗く落ちくぼんだ眼窩があり、その奥には鬼火のような青白い光が灯っていた。その光が眼窩からしみ出すように全身を覆い、損傷部に集まる。
ひび割れたその部位が水銀のように流動し、ふくれあがって滑らかに復元されていく様に、俺は目を瞠った。
「こいつは……自己修復してやがるのか」
〈先ほど腰部を槍で貫いた個体とはダメージの受け方が全く違います。恐らくあの霊力中心を破壊しない限り――〉
〈さよう、魔甲兵は核を破壊しなければ倒せんのだ〉
レンボスがぎり、と歯噛みをする音が伝声管から俺の耳にまで届いた。
「欺陽槍、もう一本だ!」
〈了解!〉
形成された光槍を、今度は投げずにそのまま巨像の下腹部へ突き入れる。バターを箸で刺すように光槍が手元まで埋まり、ゴーレム――魔甲兵は先ほどと同様に、痙攣して動きを止めた。
前方からはさらに二十体以上の魔甲兵が接近しつつあった。その斜め後方には狂暴そうな四足獣にまたがった、異形の騎兵たちが駈けてくるのが見える。
(この数を前にしては、すり抜けられてしまうかもしれないな)
俺はカイルダインの左腕をマクガヴァンのほうへと向けた。その指はマーガンディの剣を吊り鎖ごと掴んだままだ。
「レンボス卿、こいつを。ガラヴェイン卿から託されたものだ」
「おお、ガラヴェイン卿が……ありがたや、これならば今しばらくは戦える……!」
渉猟械のやや華奢な指が、豪壮なその柄を握りこんだ。
「しかし、こいつはなかなか、苦労しそうだな」
どうするか?
欺陽槍を使えば確実だが、この局面でさらなる霊力の消費は避けたい。それに今の状態でまともに使うならば、貴重なリソースであるらしい『魂跡華』までいたずらに浪費することになる――
「カイルダイン。『共振拳』について教えてくれ。何をどれだけ消費する?」
(はい。正式解禁済みなので魂跡華は消費せず、霊力10を費やすごとに5分間、私の格闘攻撃を強化します。佩用者もご存知の私の能力で標的の固有振動数を特定し――)
「なるほど。費用対効果の良さそうな武器だ、それでいこう!」
(説明が途中だったので少々不満ですが、まあ起動しますね)
「ああ、能力については解放されたときに聞いたからな」
(おい、どうなっている? 戦いならまず私を降ろしてくれ、外が見えんのは神経に堪えるぞ)
タラスの声が械体越しに響く。俺はあわててタラスの入った左貨物庫に腕を伸ばした。
「すまん、忘れるところだった!」
蓋が内側から跳ね上げられ、白い顔をやや青くして術師が姿を現した。
「かなり激しい、ひどい戦いになると思う。今のうちに戦場を俯瞰できる場所へ移動してくれ」
「む、わかった」
屈みこんで地面すれすれにタラスをリリースする。彼は乗り込んだ時と同じく敏捷な動きで近くの岩場に駆け上がった。
〈接触までほとんど時間がありません、行きますよ〉
カイルダインがそういうと同時に、操縦籠で構えをとる俺の両手と肘、膝、それに足の先端が白い光を帯びた。
腰を低く落として構える俺とカイルダインの前に、三体目の魔甲兵が迫っていた。
「はぁあああああああ……!」
呼気とともに体内で何かが高まっていく。背筋を駆け上がっていく熱い塊は、この体がメレグ修道僧の戦闘呼吸法によって、意識と神経、筋肉そして内臓諸器官の高度なシンクロ状態を作り上げていることを示している。
練る、という言葉は独り歩きして門外の一般人にも知れ渡っている。だが、それはファンタジー的に語られる『気』がどうのというような神秘的なものではない。研ぎ澄まされた集中力と積み重ねた鍛錬とが連結されて生まれる、人体が持つ可能性の具現だ。
それは俺に、あたかも神経の伝達が加速されたような効果さえもたらす。
魔甲兵の剣が鋭く振り下ろされる。常人には知覚できない速度の斬撃をカイルダインの左腕は難なく受け止めた。剣を掴んだ敵の手首を、踏み込んで下から拳で弾いた形だ。
次の一瞬、甲高い不快な音響とともに手首が細かく砕け散った。
二つの驚きがあった。
魔甲兵の内部には、いかなる機械的な構造も駆動系もない! それは単なる無垢の金属塊なのだ。
そして共振拳を発動したカイルダインの拳は、その緻密な金属組織を砂糖菓子か何かのように抵抗もなく粉々に打ち砕いた!
「いける!」
〈当然です!〉
快哉を叫ぶ俺に、カイルダインがこの上なく誇らしげに和した。弓を引くように右拳を溜め、魔甲兵の腹部めがけて渾身のストレート。
「レゾスマッシャー・パンチ!」
魔甲兵の下半身に、大穴があいた。科学的には到底説明のつかない妖魔王の巨大兵器は、その原動力と形成力をともに失って積み木を蹴飛ばしたように崩れ落ちた。
「あれは……護令械か?」
〈似ていますが、別物のようですね。『令呪錦』に特有の反応も、熱晶石の熱も感知できません。そのかわり、霊力に類似した何らかの力が内部を循環していますね。人間でいえば腰のあたりにその中心が存在するようです〉
「ゴーレムか何かの一種か……いかにもファンタジー世界の魔王軍って感じだが、陳腐この上ないぜ!」
〈陳腐でも、戦力としてはなかなかのようです。損傷した渉猟械があの数と接触すれば、おそらく一分持たないでしょう〉
「ここまで来て、むざむざやらせるか。カイルダイン、欺陽槍だ! 必要な魂跡華は使って構わん、命中しても消えないやつを頼む!」
〈了解!〉
操縦籠に立つ俺の手の中に、光り輝く槍のイメージが生み出された。
「行けぇ! 真・欺陽槍!」
その一閃は、今まさに渉猟械に向かって大剣を振り下ろそうとした敵の、腰の中心をつらぬいて大地に縫いとめた。
動きを止めて一瞬痙攣するように震えたそのゴーレムに、渉猟械が右手の剣を振り下ろす。金属光沢を持つにもかかわらず、敵の巨体は土器のように割れ崩れた。
だがそれと同時に、渉猟械の手にした剣も、ついに軋みを上げて鍔元から大きく曲がりへし折れた。
一か月にわたって戦いを支えた武器を失い、騎士の心は一種のつまづきを起こしたに違いない。剣を振り下ろしたその形のまま、渉猟械の動きが止まる。
そして、光の槍を放った者を探すように、渉猟械が頭部をわずかに廻らせた。
瞬間、新手のゴーレムが渉猟械に突進した。キノコの笠をかたどったように拡がる頭部のフォルムが目を射る。
「だっしゃああああ!」
衝動に導かれるままの叫びとともに、俺はそのゴーレムに突っ込んでいた。空中から斜めの軌道を描く落下蹴り。それがキノコの傘に突き刺さり、巨像がぐらりと傾いだ。
着地と同時に逆側の足を振り上げ、足背部での蹴りを叩き込む。人体であれば蹴り足を痛めかねない悪手だが、カイルダインのその部位にはノミかたがねの刃のような、分厚い鉄塊が装備されている。
同様のものは一部の戦闘用護令械にはしばしば見られ、一般にも流布するその名称を、俺はパキラから教えられていた――
「足尖鏨刃!」
足に還ってくる。ひどく重く硬い感触。振り抜いた足の軌跡にそって笠が大きく裂け、ゴーレムは数歩下がって仰向けに倒れた。
〈か、かたじけない! 何処のどなたかは存ぜぬが礼を言う……!〉
渉猟械の操縦籠から、伝声管を通して騎士の声が響いた。俺はカイルダインを彼のほうへ向きなおらせた。
「俺はヴォルター。このカイルダインの佩用者だ」
〈カイルダイン……聞かぬ名だが、素晴らしい護令械だな。私は騎士レンボス。この渉猟械マクガヴァンとともに、ボルミから落ち延びてきた〉
「ああ。難民たちが感謝していたよ――レンボス卿、あなたは十分すぎるほど戦った。後は俺に任せて退がってくれ!」
〈うむ、口惜しいがこの械体もそろそろ限界……危ない!〉
叫びとともに、渉猟械マクガヴァンは右腕を伸ばしてカイルダインを引き寄せていた。たたらを踏んでそちらへよろめいたカイルダインの後ろを、何かが高速で通り抜ける。
〈気を付けろ、その魔甲兵はまだ生きている!〉
レンボスの警告と同時に、操縦籠の映像面には先ほどのゴーレムがクローズアップされていた。横なぎに振り抜かれた形になったその腕には、大剣が保持されたままだ。
ゴーレムの銀灰色の笠にはドクロのそれに似た暗く落ちくぼんだ眼窩があり、その奥には鬼火のような青白い光が灯っていた。その光が眼窩からしみ出すように全身を覆い、損傷部に集まる。
ひび割れたその部位が水銀のように流動し、ふくれあがって滑らかに復元されていく様に、俺は目を瞠った。
「こいつは……自己修復してやがるのか」
〈先ほど腰部を槍で貫いた個体とはダメージの受け方が全く違います。恐らくあの霊力中心を破壊しない限り――〉
〈さよう、魔甲兵は核を破壊しなければ倒せんのだ〉
レンボスがぎり、と歯噛みをする音が伝声管から俺の耳にまで届いた。
「欺陽槍、もう一本だ!」
〈了解!〉
形成された光槍を、今度は投げずにそのまま巨像の下腹部へ突き入れる。バターを箸で刺すように光槍が手元まで埋まり、ゴーレム――魔甲兵は先ほどと同様に、痙攣して動きを止めた。
前方からはさらに二十体以上の魔甲兵が接近しつつあった。その斜め後方には狂暴そうな四足獣にまたがった、異形の騎兵たちが駈けてくるのが見える。
(この数を前にしては、すり抜けられてしまうかもしれないな)
俺はカイルダインの左腕をマクガヴァンのほうへと向けた。その指はマーガンディの剣を吊り鎖ごと掴んだままだ。
「レンボス卿、こいつを。ガラヴェイン卿から託されたものだ」
「おお、ガラヴェイン卿が……ありがたや、これならば今しばらくは戦える……!」
渉猟械のやや華奢な指が、豪壮なその柄を握りこんだ。
「しかし、こいつはなかなか、苦労しそうだな」
どうするか?
欺陽槍を使えば確実だが、この局面でさらなる霊力の消費は避けたい。それに今の状態でまともに使うならば、貴重なリソースであるらしい『魂跡華』までいたずらに浪費することになる――
「カイルダイン。『共振拳』について教えてくれ。何をどれだけ消費する?」
(はい。正式解禁済みなので魂跡華は消費せず、霊力10を費やすごとに5分間、私の格闘攻撃を強化します。佩用者もご存知の私の能力で標的の固有振動数を特定し――)
「なるほど。費用対効果の良さそうな武器だ、それでいこう!」
(説明が途中だったので少々不満ですが、まあ起動しますね)
「ああ、能力については解放されたときに聞いたからな」
(おい、どうなっている? 戦いならまず私を降ろしてくれ、外が見えんのは神経に堪えるぞ)
タラスの声が械体越しに響く。俺はあわててタラスの入った左貨物庫に腕を伸ばした。
「すまん、忘れるところだった!」
蓋が内側から跳ね上げられ、白い顔をやや青くして術師が姿を現した。
「かなり激しい、ひどい戦いになると思う。今のうちに戦場を俯瞰できる場所へ移動してくれ」
「む、わかった」
屈みこんで地面すれすれにタラスをリリースする。彼は乗り込んだ時と同じく敏捷な動きで近くの岩場に駆け上がった。
〈接触までほとんど時間がありません、行きますよ〉
カイルダインがそういうと同時に、操縦籠で構えをとる俺の両手と肘、膝、それに足の先端が白い光を帯びた。
腰を低く落として構える俺とカイルダインの前に、三体目の魔甲兵が迫っていた。
「はぁあああああああ……!」
呼気とともに体内で何かが高まっていく。背筋を駆け上がっていく熱い塊は、この体がメレグ修道僧の戦闘呼吸法によって、意識と神経、筋肉そして内臓諸器官の高度なシンクロ状態を作り上げていることを示している。
練る、という言葉は独り歩きして門外の一般人にも知れ渡っている。だが、それはファンタジー的に語られる『気』がどうのというような神秘的なものではない。研ぎ澄まされた集中力と積み重ねた鍛錬とが連結されて生まれる、人体が持つ可能性の具現だ。
それは俺に、あたかも神経の伝達が加速されたような効果さえもたらす。
魔甲兵の剣が鋭く振り下ろされる。常人には知覚できない速度の斬撃をカイルダインの左腕は難なく受け止めた。剣を掴んだ敵の手首を、踏み込んで下から拳で弾いた形だ。
次の一瞬、甲高い不快な音響とともに手首が細かく砕け散った。
二つの驚きがあった。
魔甲兵の内部には、いかなる機械的な構造も駆動系もない! それは単なる無垢の金属塊なのだ。
そして共振拳を発動したカイルダインの拳は、その緻密な金属組織を砂糖菓子か何かのように抵抗もなく粉々に打ち砕いた!
「いける!」
〈当然です!〉
快哉を叫ぶ俺に、カイルダインがこの上なく誇らしげに和した。弓を引くように右拳を溜め、魔甲兵の腹部めがけて渾身のストレート。
「レゾスマッシャー・パンチ!」
魔甲兵の下半身に、大穴があいた。科学的には到底説明のつかない妖魔王の巨大兵器は、その原動力と形成力をともに失って積み木を蹴飛ばしたように崩れ落ちた。
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