44 / 65
ACT2:妖魔王の旌旗
芋と竜のゲーム・2
しおりを挟む
〈佩用者、お下がりください!! やっぱり出し惜しみは無しです、炎など噴かせるかおんどりゃあああ星幽光翼ッ!!〉
物騒な思念波がいきなり脳に飛び込んできた。見上げればエメラルドグリーンの空を切り裂いて、巨大な黒い人型の影がまっしぐらに降下してくる。その背中からは花開くような光の翼――
「カイルダイン! 魂跡華使ったのか……」
あんなに消費を渋ってたのに。だが、その降りてくる軌跡に非常に危険なものを感じて、俺は叫んだ。
「ストーップ! だめだカイルダイン、空中で止まれ! 着地禁止!」
《何ですとぉ!?》
「そのまま降りると――芋がつぶれる!」
《あっ》
一瞬空中で止まった後、カイルダインは後方へ20m程ずれて、俺の近くに着地した。
〈くっ、何という締まらない。正拳突きで吹っ飛ばそうと思ったんですが〉
「そこまでやるのかよ。お前一応搭乗型ロボットだろ。それとも何か、俺は操縦籠に居ればいいだけか、実は?」
〈え、えー、いえいえいえ! 決してそんなことはっ!〉
何となくカイルダインのこめかみのあたりに、でっかい汗の玉が浮かんでそうな雰囲気。まさか図星ではあるまいな。
〈ほう……芋の大切さがわかるか。私にとっての芋の大切さを尊重する心が、少しはあるようだな、お前には。人間にしては見どころがある〉
少し感心したようなモールヴァックの思念が流れてきた。しめた。これはもしかすると、何とか交渉できるパターンかもしれない。
〈そりゃあもう、この私の佩用者ですからね! この世に正義と平和をもたらし邪神を封じる英雄ですからね!〉
〈む、何かと思えばこれは。ホムタラが作り出したからくり仕掛けの一体か。まだこんな完全な形で残っていたとはな〉
モールヴァックが首を持ち上げて、カイルダインを見つめた。何となく、面白がっているような雰囲気。
〈なるほど。道理で最近我が住まいの近隣が妙に騒がしいと思った。邪神を奉じる妖魔どもが人間の真似ごとをして、戦の準備をしておるのはそういうことか……〉
その瞬間、カイルダインがモールヴァックの喉元にその鉄の指を食い込ませた。
〈こっ、こら! なにをする! 吐くぞ、炎吐くぞ!!〉
〈……確かにガラ=ザダンの封印は失敗しました。ですが今妖魔が暴れてるのは私の――私たちのせいではありません。余計なことを吹き込まないでくださいねぇ、この芋ドラゴン! 奴らと同じに私たちをののしるのなら……〉
「や、やめろカイルダイン! 俺たちはともかく周りを見ろ!」
芋群生地の周囲には、この時すでに芋探しの兵士たちが思念波を手掛かりに集まってきてしまっていた。巨大ロボット対超巨大ドラゴンの対峙を前に、芋も掘らずに呆然と見守っている。
彼らに向かって炎など吐かれては大惨事だ。
「収めてくれ、“蔵書多き”モールヴァックよ! カイルダインが失礼をしたな、あんたにとってその芋が得難い美味で、この上なく貴重なものであることはわかった。だが、俺たちもこの山中で食に事欠きかけているし、このあたりにはほかに食えそうなものも見当たらない。どうだ、一つ取引などできないか? 俺たちにはその芋が10個かそこらもあれば、それで街道に出るまで何とか食い延ばせるだろう。代わりになにか、こちらから提供できるものはないかな?」
誠意をこめて呼びかけてみた。蔵書多きと冠するからにはこのドラゴン、もしや人間の書物に興味があるのでないか――
〈……面白いやつだな、お前は。ふむ、もしや今、そこに何か書物を持っているか? もし私がこれまでに読んだことがないものなら、それと芋10個を交換してやってもいいな。つまらんものならダメだが〉
おお、食いついてきた。問題は、俺のこっちでのボディ素体である修道僧ヴォルターが、私物をほとんど持たない生活を旨としてきたということだ。今となっては我が事ながら、この清貧クソ野郎のミニマリストめ(やかましいわ)。
「というわけで誰か、書物を持ってないか……? どんなものでもいい」
――書物はありませんが……子供のころから聞かされて諳んじてる物語がひとつあります。
兵士の一人が、おずおずと手を挙げた。
* * * * * * *
人の頭ほどの、大きな塊。地中から掘り出したそれには粘土質の赤い土がこびりついていて、根塊そのものは重なり合ったうろこ状の皮に覆われていた。水気は少ないようだがずっしりと重い。
「これは見事なドゥル芋だ。こいつの皮をむいて薄く切り、鉄板で焼くとな……実に美味いのだ」
ガラヴェインが相好を崩した。ドラゴンを魅了するほどのものだ、人間にとっても相当に味わい深いに違いない。
さっそく鉄板が熱され、芋が人数分切り分けられる。脂を引いて熱した鉄板の上に厚さ1cm少々にスライスされた芋を載せると、バターの焦げるような芳香とともに、芋そのものの独特の香りが立ちのぼった。
「もっと小さく切ったものを食べたことはあったけど、こんな風に山の中で取れるものだったのね」
しみじみとそういいながら、パキラが芋を両手で支えてかじりついた。
俺も芋を手に取る。指を火傷しそうに熱いが、香ばしく焼けた表面の歯ごたえと、その内側のホクホク感がなんとも言えない。里芋によく似ている。
そしてやや粘りが薄く、甘みが強い。そろそろ薄焼きの粉物には食傷しかけたところで、これはなかなか新鮮な味覚だった。
「も、もっとないのか?」
芋を食べ終わったユルルドニュッネが、灰緑色の顔をわずかに紅潮させてそういった。兵士たちから失笑が漏れ、沼妖精はうつむいて情けなさそうな表情になった。よほど美味かったらしい。
――図々しい捕虜だな、おい。
そんな声がだれからともなく上がる
モールヴァックは、先ほど名乗り出た兵士の前で地面に頭を横たえ、彼の語る古い物語を聞いていた。
物語の大筋としては、少しエロティックに脚色された「長靴をはいた猫」といったところか。
相続から遠ざけられ不遇の身をかこつ、うら若い公子パミロのために、彼の飼い猫が旅芸人の美少女シャジャルに化けて様々な冒険をともにし、やがてめでたく立身を成し遂げたパミロと結ばれ子をなすまでに至る、というのが前半の内容だ。
〈ううむ……シャジャルちゃん可愛い……パミロ公子けなげ……もう無理、しんどい。無理〉
語彙力の低下しきった様子で首を左右にひねるモールヴァック。かなり満足してくれたらしい。なおカイルダインは俺たちの食料にする分の芋を手で掘らされて、ちょっとむくれていた。
〈はあ……良い物語だった……だが書籍になっておらんのがじつに惜しいな。どこかで書物を扱う商人にでも会ったら、今の物語を書き留めさせたいものだ〉
「あ、商人とは違うが、そういう話に乗ってきそうなやつを一人知ってるぞ。南東の方にある渓谷の、ブルゼンって街に書記がいる。デモスって名前だがこいつがなかなか気の利いた話を作れそうなやつで」
〈ほう。それは興味を惹かれるな。一度訪ねてみるか〉
「ちょっとごたごたがあってそのあと会えてないんで、生きてるかどうかが怪しいけどな」
いろいろとあったが、デモスは実のところそんなに悪いやつじゃなかった。生きていれば案外、現地に残ったペイリス卿に取り入って、うまみのある仕事をしているかもしれない。
〈感謝するぞ、人間。私もよい助言をしてやろう。火の神ホムタラの神殿があったら注意するがいい……あのからくり仕掛けが封印し損ねた邪神、おそらく各地のホムタラ神殿に、部位ごとに分けて封印されたはずだ。場所までは特定できんがな」
「へえ……!」
〈……言われてみれば確かに、それが一番確実かもしれませんね〉
カイルダインも相槌を打つ。どうやらホムタラは神械を生み出した存在で、邪神との戦いで重要な役割を負っていたらしい。
はて、するとカイルダインは、そのホムタラ神殿への封印にはかかわってないのか?
〈私と先代佩用者が眠りについた後のことみたいですね。おそらく〉
「そうか」
ダンバーでマリオンと再会したときにでも、詳しく聞いてみるか。
焚火のそばではパミロ公子と猫の物語が後段に入っていた。夜が深々と更けていく。
モールヴァックは翌日、俺たちが出発した後もドゥル芋の群生地で楽しそうに芋を焼き続けていた。
物騒な思念波がいきなり脳に飛び込んできた。見上げればエメラルドグリーンの空を切り裂いて、巨大な黒い人型の影がまっしぐらに降下してくる。その背中からは花開くような光の翼――
「カイルダイン! 魂跡華使ったのか……」
あんなに消費を渋ってたのに。だが、その降りてくる軌跡に非常に危険なものを感じて、俺は叫んだ。
「ストーップ! だめだカイルダイン、空中で止まれ! 着地禁止!」
《何ですとぉ!?》
「そのまま降りると――芋がつぶれる!」
《あっ》
一瞬空中で止まった後、カイルダインは後方へ20m程ずれて、俺の近くに着地した。
〈くっ、何という締まらない。正拳突きで吹っ飛ばそうと思ったんですが〉
「そこまでやるのかよ。お前一応搭乗型ロボットだろ。それとも何か、俺は操縦籠に居ればいいだけか、実は?」
〈え、えー、いえいえいえ! 決してそんなことはっ!〉
何となくカイルダインのこめかみのあたりに、でっかい汗の玉が浮かんでそうな雰囲気。まさか図星ではあるまいな。
〈ほう……芋の大切さがわかるか。私にとっての芋の大切さを尊重する心が、少しはあるようだな、お前には。人間にしては見どころがある〉
少し感心したようなモールヴァックの思念が流れてきた。しめた。これはもしかすると、何とか交渉できるパターンかもしれない。
〈そりゃあもう、この私の佩用者ですからね! この世に正義と平和をもたらし邪神を封じる英雄ですからね!〉
〈む、何かと思えばこれは。ホムタラが作り出したからくり仕掛けの一体か。まだこんな完全な形で残っていたとはな〉
モールヴァックが首を持ち上げて、カイルダインを見つめた。何となく、面白がっているような雰囲気。
〈なるほど。道理で最近我が住まいの近隣が妙に騒がしいと思った。邪神を奉じる妖魔どもが人間の真似ごとをして、戦の準備をしておるのはそういうことか……〉
その瞬間、カイルダインがモールヴァックの喉元にその鉄の指を食い込ませた。
〈こっ、こら! なにをする! 吐くぞ、炎吐くぞ!!〉
〈……確かにガラ=ザダンの封印は失敗しました。ですが今妖魔が暴れてるのは私の――私たちのせいではありません。余計なことを吹き込まないでくださいねぇ、この芋ドラゴン! 奴らと同じに私たちをののしるのなら……〉
「や、やめろカイルダイン! 俺たちはともかく周りを見ろ!」
芋群生地の周囲には、この時すでに芋探しの兵士たちが思念波を手掛かりに集まってきてしまっていた。巨大ロボット対超巨大ドラゴンの対峙を前に、芋も掘らずに呆然と見守っている。
彼らに向かって炎など吐かれては大惨事だ。
「収めてくれ、“蔵書多き”モールヴァックよ! カイルダインが失礼をしたな、あんたにとってその芋が得難い美味で、この上なく貴重なものであることはわかった。だが、俺たちもこの山中で食に事欠きかけているし、このあたりにはほかに食えそうなものも見当たらない。どうだ、一つ取引などできないか? 俺たちにはその芋が10個かそこらもあれば、それで街道に出るまで何とか食い延ばせるだろう。代わりになにか、こちらから提供できるものはないかな?」
誠意をこめて呼びかけてみた。蔵書多きと冠するからにはこのドラゴン、もしや人間の書物に興味があるのでないか――
〈……面白いやつだな、お前は。ふむ、もしや今、そこに何か書物を持っているか? もし私がこれまでに読んだことがないものなら、それと芋10個を交換してやってもいいな。つまらんものならダメだが〉
おお、食いついてきた。問題は、俺のこっちでのボディ素体である修道僧ヴォルターが、私物をほとんど持たない生活を旨としてきたということだ。今となっては我が事ながら、この清貧クソ野郎のミニマリストめ(やかましいわ)。
「というわけで誰か、書物を持ってないか……? どんなものでもいい」
――書物はありませんが……子供のころから聞かされて諳んじてる物語がひとつあります。
兵士の一人が、おずおずと手を挙げた。
* * * * * * *
人の頭ほどの、大きな塊。地中から掘り出したそれには粘土質の赤い土がこびりついていて、根塊そのものは重なり合ったうろこ状の皮に覆われていた。水気は少ないようだがずっしりと重い。
「これは見事なドゥル芋だ。こいつの皮をむいて薄く切り、鉄板で焼くとな……実に美味いのだ」
ガラヴェインが相好を崩した。ドラゴンを魅了するほどのものだ、人間にとっても相当に味わい深いに違いない。
さっそく鉄板が熱され、芋が人数分切り分けられる。脂を引いて熱した鉄板の上に厚さ1cm少々にスライスされた芋を載せると、バターの焦げるような芳香とともに、芋そのものの独特の香りが立ちのぼった。
「もっと小さく切ったものを食べたことはあったけど、こんな風に山の中で取れるものだったのね」
しみじみとそういいながら、パキラが芋を両手で支えてかじりついた。
俺も芋を手に取る。指を火傷しそうに熱いが、香ばしく焼けた表面の歯ごたえと、その内側のホクホク感がなんとも言えない。里芋によく似ている。
そしてやや粘りが薄く、甘みが強い。そろそろ薄焼きの粉物には食傷しかけたところで、これはなかなか新鮮な味覚だった。
「も、もっとないのか?」
芋を食べ終わったユルルドニュッネが、灰緑色の顔をわずかに紅潮させてそういった。兵士たちから失笑が漏れ、沼妖精はうつむいて情けなさそうな表情になった。よほど美味かったらしい。
――図々しい捕虜だな、おい。
そんな声がだれからともなく上がる
モールヴァックは、先ほど名乗り出た兵士の前で地面に頭を横たえ、彼の語る古い物語を聞いていた。
物語の大筋としては、少しエロティックに脚色された「長靴をはいた猫」といったところか。
相続から遠ざけられ不遇の身をかこつ、うら若い公子パミロのために、彼の飼い猫が旅芸人の美少女シャジャルに化けて様々な冒険をともにし、やがてめでたく立身を成し遂げたパミロと結ばれ子をなすまでに至る、というのが前半の内容だ。
〈ううむ……シャジャルちゃん可愛い……パミロ公子けなげ……もう無理、しんどい。無理〉
語彙力の低下しきった様子で首を左右にひねるモールヴァック。かなり満足してくれたらしい。なおカイルダインは俺たちの食料にする分の芋を手で掘らされて、ちょっとむくれていた。
〈はあ……良い物語だった……だが書籍になっておらんのがじつに惜しいな。どこかで書物を扱う商人にでも会ったら、今の物語を書き留めさせたいものだ〉
「あ、商人とは違うが、そういう話に乗ってきそうなやつを一人知ってるぞ。南東の方にある渓谷の、ブルゼンって街に書記がいる。デモスって名前だがこいつがなかなか気の利いた話を作れそうなやつで」
〈ほう。それは興味を惹かれるな。一度訪ねてみるか〉
「ちょっとごたごたがあってそのあと会えてないんで、生きてるかどうかが怪しいけどな」
いろいろとあったが、デモスは実のところそんなに悪いやつじゃなかった。生きていれば案外、現地に残ったペイリス卿に取り入って、うまみのある仕事をしているかもしれない。
〈感謝するぞ、人間。私もよい助言をしてやろう。火の神ホムタラの神殿があったら注意するがいい……あのからくり仕掛けが封印し損ねた邪神、おそらく各地のホムタラ神殿に、部位ごとに分けて封印されたはずだ。場所までは特定できんがな」
「へえ……!」
〈……言われてみれば確かに、それが一番確実かもしれませんね〉
カイルダインも相槌を打つ。どうやらホムタラは神械を生み出した存在で、邪神との戦いで重要な役割を負っていたらしい。
はて、するとカイルダインは、そのホムタラ神殿への封印にはかかわってないのか?
〈私と先代佩用者が眠りについた後のことみたいですね。おそらく〉
「そうか」
ダンバーでマリオンと再会したときにでも、詳しく聞いてみるか。
焚火のそばではパミロ公子と猫の物語が後段に入っていた。夜が深々と更けていく。
モールヴァックは翌日、俺たちが出発した後もドゥル芋の群生地で楽しそうに芋を焼き続けていた。
0
お気に入りに追加
255
あなたにおすすめの小説


姫騎士様と二人旅、何も起きないはずもなく……
踊りまんぼう
ファンタジー
主人公であるセイは異世界転生者であるが、地味な生活を送っていた。 そんな中、昔パーティを組んだことのある仲間に誘われてとある依頼に参加したのだが……。 *表題の二人旅は第09話からです
(カクヨム、小説家になろうでも公開中です)

食うために軍人になりました。
KBT
ファンタジー
ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。
しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。
このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。
そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。
父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。
それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。
両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。
軍と言っても、のどかな田舎の軍。
リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。
おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。
その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。
生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。
剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる