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ACT1:闘技場都市の支配者
黒い騎士姫
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操縦籠のハッチを開け、前方を直接見ながら自律歩行で前進――鞍は前方にスライドされ一般的な渉猟械の操縦席に似せてある。
長者一行との遭遇を教訓に、俺はカイルダインに乗り込んだ状態でブルゼンへと向かっていた。パキラはフェルディナンドで先行している。
入り組んだ山あいの風景が急に途切れ、谷というにはあまりに巨大な、見渡す限りの大峡谷が目の前に現れた。水の流れに削られ階段状になったその谷底には、轟々と音を立てて流れる巨大な川が蛇行している。
雄大な風景に圧倒されつつもさらに進み、俺たちはブルゼンの西門前にたどり着いた。
「これはまた、凄いな……」
ブルゼンの市壁は、暗い色の火成岩を高々と積み上げて築かれていた。四方に開かれた城門以外からの出入りはカイルダインでも難しそうだ。
その威容は峡谷の風景の中にあってなおかき消されない、強烈な印象を与えるものだった。
どれほどの労働力を費やしたかと一瞬暗い気持ちになったが、すぐにその考えは頭から追い払われた――この世界には護令械が存在するのだ。この程度の建設作業は冷却水さえあれば何のこともなく行えるに違いない。
門をくぐり内側に入ると、郊外型巨大スーパーマーケットの駐車場を思わせる、砕石を敷き詰めた広大な広場があった。
「何だ、ここ」
すぐに騎雉にまたがった男が数人やってきた。その後ろには女性や子供を含めてかなりの数の群集がついてきている。騎雉の男たちの一人が口に手を当てて叫んだ。
「市域に大型の護令械は入れん! この駐械場に停めてくれ、料金は一日20ディアス、後払いだ」
やはり駐車場的なものだった。俺の印象は間違っていなかったわけだ。
別の男が、広場の所々に立つやぐら状のものを指差した。
「そこの乗械壇を使え。上り口の鍵は駐械場を出る時に預かろう」
よく見ると、方々にあるそうしたやぐらのところには、ひざまずいた姿勢で護令械が停められ、見張りらしきものがいた。
妙な既視感。まるで本当に21世紀の駐車場だ。俺は指示されたやぐらにカイルダインを寄せ、同じようにひざまずかせた。この状態だと乗械壇とやらの最上段部分が、ちょうど操縦籠の高さになる。
(ちょっと心配ですが、仕方ありません。お帰りをお待ちしていますよ、佩用者ヴォルター)
(俺はむしろお前が心配だぞ、カイルダイン。盗まれたりしないだろうな?)
(ご安心ください。あなた以外がこの操縦籠に侵入したら、その者は肉片一つ残さずに食いつくします)
(……ちょっと待て)
なにそれこわい。そっちのほうがよほど心配じゃないか。
(冗談です。まあ、佩用者が戻るまで出さずに閉じ込めて、頭の中に直接怖い話とか送り込むくらいですね。あ、床が汚れると嫌ですし失禁したりはしない程度に)
「わ、わかった。いろいろと言いたいことはあるが、とにかく留守中は気を付けて、かつ穏便に……」
そういいながら乗械壇の梯子を下りる。最後に、カイルダインの思念が一言だけ伝わってきた。
(なんなら本当に食べてしまっても――)
聞かなかったことにしよう。俺は首を振って鍵を係員に渡し、『ヴォルター・カイルダイン』と名前を告げるとパキラのところへ向かった。
駐械場へ入ってきた群衆は、興奮に顔を輝かせて俺たちを見つめていた。
――何処の騎士様であろうか。ずいぶんと埃にまみれておられるが。
――俺も早く出世して騎士になりたいなあ。
――すげえ、あの渉猟械、かっこいい!
羨望漂うものから子供の無邪気な憧れまで、様々なつぶやきや叫びが飛び交い、無数の視線が突き刺さる。
「騎士様、うちの宿へ如何ですか!」
「お食事がまだなら、挽いたばかりの粉で焼いた餅はいかが?」
大胆に手を引いてくる物売りも少なくない。俺は逃げるように広場を走り抜け、輜重械フェルディナンドの縄梯子を駆け上がった。
喜捨を求めて集まってくる者がいない分まだましだが、これは本当に、伝え聞くインドやイスラム圏の様子を思わせる。
この世界に放り込まれるまでの数ヶ月ろくに講義にも出ず、人に直接話しかけられることといえばバイトでくらいだった俺には、ちょっと厳しかった。
幸い、輜重械のほうは市内の大通りを通ることができた。街路は頑丈に舗装された輜重械用の通り道と、人や騎雉のそれに分かれていて、ちょうど日本の都会の道のようだ。
ただし道の両脇に林立する建物は、切り出した岩を漆喰で固めたせいぜい三階建てまでのもの。色染めの布や鉢植えの花がどちらかといえば無秩序に窓辺を彩り、煙突の周りが煤で黒く汚れて強烈な生活感が漂っていた。そんな中を大小何台もの輜重械が進んでいく。
「さて、まずどこへ行く?」
「械匠ギルドで廃部品を売りましょ。あんまり高値にはならないだろうけど、少なくとも今後のために顔をつなげるわ」
「よし、じゃあそれだ」
道行く人の中から親切そうな中年の男を探し、ギルドの場所を聞く。
「中央広場から西に入ったとこにある、黒い屋根の建物だよ。ハンマーの形をした看板があるから、すぐにわかるはずだ」
「ありがとう、おじさん!」
パキラが手持ちの小銭の中から、少し大きめの銅貨を一枚握らせた。1マルドン、おおよそ500円ほどの貨幣価値だと聞いていた。相好を崩して手を振る男を後に、パキラが縄梯子で戻ってくる。
「よかったのか?」
「大丈夫。ギルドで多分、30ディアスは手に入れられるわ」
「駐械場1日の使用料よりちょっと多いくらいか……1ディアスって何マルドンだ?」
「1ディアスで5マルドンよ」
「うわ、駐械料金、クソ高けえ……」
「仕方ないでしょ、騎士には大体高い身分が伴うのよ。長者ほどではないにしても喜捨や気前のいい金遣いが求められるわ」
「むむむ」
となると、例え流賊からの分捕り品が高く売れても、このままではあまりこの町に長居はできない。
「本気で稼がなきゃならないみたいだな。闘技場も視野に入れるか……」
ギルドの建物は、言われた通りすぐに見つかった。普通の家屋三階分の高さの壁の上にいきなり黒い瓦屋根が載った、いささか殺風景な建物だ。
その周りを大きく取り囲む敷地には灰色の布で覆われた大きなテントがいくつか立てられ、金物を叩く音が響いてくる。
輜重械フェルディナンドを停め、パキラとともに降りて近づいていくと、その瓦屋根の奥からけたたましい騒音と、若い娘の険しい声が響いてきた。
「ええい、このような危急存亡の秋に新たな護令械の勧請ができぬなどと! 理由を申せ、理由を!」
隣を歩くギルドの役員らしき初老の男に怒鳴り散らしながら姿を現したのは、豪華な板金鎧に身を固めた金髪の少女だった。
身長こそパキラよりも低いが、そのがっしりとした首筋や、装甲におおわれていない手首や足首といった生身の肉体は、彼女が並々ならぬ戦士であると告げている。
鎧の表面は漆のような黒い塗料でつややかに仕上げられていて、いかにも身分や財力をうかがわせるものだ。
「申し訳ございません。ですが当地のご領主様が、保存護令械『モルドヴォス』からの新規勧請は、別命あるまで一切まかりならぬとの仰せで。そむけば首が飛びますし、そもそもお許しなしには安置所へ近づくこともできませぬ」
領主とやらの言い条の是非はともかく、このギルド役員の弁明はしごくまっとうに思えた。だが、それすらもこの少女にとっては、火に油を注いだだけらしかった。
「役立たずどもめ!! 妾(わらわ)を誰だと思うておるのじゃ……! たかが闘技場の元締め風情だった男が、領主などと!」
少女を何とかなだめようと、初老の男がおろおろしながら彼女の腕に取りすがる。
「なにとぞ、なにとぞ穏便に! やんごとない身分のお方とは供の方々から承りましたが、その、名は明かせぬ、とおっしゃったのは騎士様ではございませなんだか?!」
「きぇえええッ! ああ言えばこう言う! 仕方ない、斧が研ぎあがっておるだけでも良しとしてやる、今日のところはな。もう帰る!」
そう言って、なにか目に見えない重量物を肩に担ぐような動き――その右手が空であることに気が付き、少女の顔が一瞬朱く、そして次の瞬間蒼黒く染まった。
――斧はこちらでございます、騎士様。
建物の中から声がかかり、少女は物凄い勢いで取って返すと、身の丈の1.5倍はある長大な戦斧を担いで再び戸口へ現れて――俺と、盛大にぶつかった。
長者一行との遭遇を教訓に、俺はカイルダインに乗り込んだ状態でブルゼンへと向かっていた。パキラはフェルディナンドで先行している。
入り組んだ山あいの風景が急に途切れ、谷というにはあまりに巨大な、見渡す限りの大峡谷が目の前に現れた。水の流れに削られ階段状になったその谷底には、轟々と音を立てて流れる巨大な川が蛇行している。
雄大な風景に圧倒されつつもさらに進み、俺たちはブルゼンの西門前にたどり着いた。
「これはまた、凄いな……」
ブルゼンの市壁は、暗い色の火成岩を高々と積み上げて築かれていた。四方に開かれた城門以外からの出入りはカイルダインでも難しそうだ。
その威容は峡谷の風景の中にあってなおかき消されない、強烈な印象を与えるものだった。
どれほどの労働力を費やしたかと一瞬暗い気持ちになったが、すぐにその考えは頭から追い払われた――この世界には護令械が存在するのだ。この程度の建設作業は冷却水さえあれば何のこともなく行えるに違いない。
門をくぐり内側に入ると、郊外型巨大スーパーマーケットの駐車場を思わせる、砕石を敷き詰めた広大な広場があった。
「何だ、ここ」
すぐに騎雉にまたがった男が数人やってきた。その後ろには女性や子供を含めてかなりの数の群集がついてきている。騎雉の男たちの一人が口に手を当てて叫んだ。
「市域に大型の護令械は入れん! この駐械場に停めてくれ、料金は一日20ディアス、後払いだ」
やはり駐車場的なものだった。俺の印象は間違っていなかったわけだ。
別の男が、広場の所々に立つやぐら状のものを指差した。
「そこの乗械壇を使え。上り口の鍵は駐械場を出る時に預かろう」
よく見ると、方々にあるそうしたやぐらのところには、ひざまずいた姿勢で護令械が停められ、見張りらしきものがいた。
妙な既視感。まるで本当に21世紀の駐車場だ。俺は指示されたやぐらにカイルダインを寄せ、同じようにひざまずかせた。この状態だと乗械壇とやらの最上段部分が、ちょうど操縦籠の高さになる。
(ちょっと心配ですが、仕方ありません。お帰りをお待ちしていますよ、佩用者ヴォルター)
(俺はむしろお前が心配だぞ、カイルダイン。盗まれたりしないだろうな?)
(ご安心ください。あなた以外がこの操縦籠に侵入したら、その者は肉片一つ残さずに食いつくします)
(……ちょっと待て)
なにそれこわい。そっちのほうがよほど心配じゃないか。
(冗談です。まあ、佩用者が戻るまで出さずに閉じ込めて、頭の中に直接怖い話とか送り込むくらいですね。あ、床が汚れると嫌ですし失禁したりはしない程度に)
「わ、わかった。いろいろと言いたいことはあるが、とにかく留守中は気を付けて、かつ穏便に……」
そういいながら乗械壇の梯子を下りる。最後に、カイルダインの思念が一言だけ伝わってきた。
(なんなら本当に食べてしまっても――)
聞かなかったことにしよう。俺は首を振って鍵を係員に渡し、『ヴォルター・カイルダイン』と名前を告げるとパキラのところへ向かった。
駐械場へ入ってきた群衆は、興奮に顔を輝かせて俺たちを見つめていた。
――何処の騎士様であろうか。ずいぶんと埃にまみれておられるが。
――俺も早く出世して騎士になりたいなあ。
――すげえ、あの渉猟械、かっこいい!
羨望漂うものから子供の無邪気な憧れまで、様々なつぶやきや叫びが飛び交い、無数の視線が突き刺さる。
「騎士様、うちの宿へ如何ですか!」
「お食事がまだなら、挽いたばかりの粉で焼いた餅はいかが?」
大胆に手を引いてくる物売りも少なくない。俺は逃げるように広場を走り抜け、輜重械フェルディナンドの縄梯子を駆け上がった。
喜捨を求めて集まってくる者がいない分まだましだが、これは本当に、伝え聞くインドやイスラム圏の様子を思わせる。
この世界に放り込まれるまでの数ヶ月ろくに講義にも出ず、人に直接話しかけられることといえばバイトでくらいだった俺には、ちょっと厳しかった。
幸い、輜重械のほうは市内の大通りを通ることができた。街路は頑丈に舗装された輜重械用の通り道と、人や騎雉のそれに分かれていて、ちょうど日本の都会の道のようだ。
ただし道の両脇に林立する建物は、切り出した岩を漆喰で固めたせいぜい三階建てまでのもの。色染めの布や鉢植えの花がどちらかといえば無秩序に窓辺を彩り、煙突の周りが煤で黒く汚れて強烈な生活感が漂っていた。そんな中を大小何台もの輜重械が進んでいく。
「さて、まずどこへ行く?」
「械匠ギルドで廃部品を売りましょ。あんまり高値にはならないだろうけど、少なくとも今後のために顔をつなげるわ」
「よし、じゃあそれだ」
道行く人の中から親切そうな中年の男を探し、ギルドの場所を聞く。
「中央広場から西に入ったとこにある、黒い屋根の建物だよ。ハンマーの形をした看板があるから、すぐにわかるはずだ」
「ありがとう、おじさん!」
パキラが手持ちの小銭の中から、少し大きめの銅貨を一枚握らせた。1マルドン、おおよそ500円ほどの貨幣価値だと聞いていた。相好を崩して手を振る男を後に、パキラが縄梯子で戻ってくる。
「よかったのか?」
「大丈夫。ギルドで多分、30ディアスは手に入れられるわ」
「駐械場1日の使用料よりちょっと多いくらいか……1ディアスって何マルドンだ?」
「1ディアスで5マルドンよ」
「うわ、駐械料金、クソ高けえ……」
「仕方ないでしょ、騎士には大体高い身分が伴うのよ。長者ほどではないにしても喜捨や気前のいい金遣いが求められるわ」
「むむむ」
となると、例え流賊からの分捕り品が高く売れても、このままではあまりこの町に長居はできない。
「本気で稼がなきゃならないみたいだな。闘技場も視野に入れるか……」
ギルドの建物は、言われた通りすぐに見つかった。普通の家屋三階分の高さの壁の上にいきなり黒い瓦屋根が載った、いささか殺風景な建物だ。
その周りを大きく取り囲む敷地には灰色の布で覆われた大きなテントがいくつか立てられ、金物を叩く音が響いてくる。
輜重械フェルディナンドを停め、パキラとともに降りて近づいていくと、その瓦屋根の奥からけたたましい騒音と、若い娘の険しい声が響いてきた。
「ええい、このような危急存亡の秋に新たな護令械の勧請ができぬなどと! 理由を申せ、理由を!」
隣を歩くギルドの役員らしき初老の男に怒鳴り散らしながら姿を現したのは、豪華な板金鎧に身を固めた金髪の少女だった。
身長こそパキラよりも低いが、そのがっしりとした首筋や、装甲におおわれていない手首や足首といった生身の肉体は、彼女が並々ならぬ戦士であると告げている。
鎧の表面は漆のような黒い塗料でつややかに仕上げられていて、いかにも身分や財力をうかがわせるものだ。
「申し訳ございません。ですが当地のご領主様が、保存護令械『モルドヴォス』からの新規勧請は、別命あるまで一切まかりならぬとの仰せで。そむけば首が飛びますし、そもそもお許しなしには安置所へ近づくこともできませぬ」
領主とやらの言い条の是非はともかく、このギルド役員の弁明はしごくまっとうに思えた。だが、それすらもこの少女にとっては、火に油を注いだだけらしかった。
「役立たずどもめ!! 妾(わらわ)を誰だと思うておるのじゃ……! たかが闘技場の元締め風情だった男が、領主などと!」
少女を何とかなだめようと、初老の男がおろおろしながら彼女の腕に取りすがる。
「なにとぞ、なにとぞ穏便に! やんごとない身分のお方とは供の方々から承りましたが、その、名は明かせぬ、とおっしゃったのは騎士様ではございませなんだか?!」
「きぇえええッ! ああ言えばこう言う! 仕方ない、斧が研ぎあがっておるだけでも良しとしてやる、今日のところはな。もう帰る!」
そう言って、なにか目に見えない重量物を肩に担ぐような動き――その右手が空であることに気が付き、少女の顔が一瞬朱く、そして次の瞬間蒼黒く染まった。
――斧はこちらでございます、騎士様。
建物の中から声がかかり、少女は物凄い勢いで取って返すと、身の丈の1.5倍はある長大な戦斧を担いで再び戸口へ現れて――俺と、盛大にぶつかった。
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