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本編
第7話 理由
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ミーナが追い出された聖堂に朝が訪れた。
コリンが目覚めると、共に眠ったはずのカミラの姿が見えないことに気付く。
気ままな彼女のことだ……やっと手に入れたこの聖堂の散歩でもしているのだろうと、コリンは思った。
情熱的な一晩を過ごしたためか、やや体が重い。
ここは元々、ミーナが生活していた部屋だ。
天蓋があるものの装飾があまりない作りのベッド。
部屋の中はほとんど何も無い。ミーナは何も望まなかったのだ。
一日中癒やしやら悪魔払いをしたあと、ここで眠るだけの生活をしていたことが分かる。
「ミーナ……私は追い出してしまったのか」
自分の口から出て行けと言ったのにも関わらず、コリンは強烈な喪失感を抱いていた——。
初めてミーナに会ったときはとても可愛らしい女の子だと思った。この子が妻になるなら悪くない。
婚約破棄をされた傷物だと聞いていたが、その予想を覆す美貌にコリンの心は躍ったものだ。
覇気が無く、両親やコリンが言うことに殆ど刃向かわない。
そんな従順な性格であることが分かると、今度はミーナを都合のいい女だと思い始める。
コリンは、王家に婚約破棄されたとは言え、聖女であるため王家の監視があるのではと考えていた。
案の定、彼女を近くに呼び寄せるために聖堂を建てると、そこに王家付きの侍女を派遣すると口を出してきた。
ぞんざいな扱いはできない。結婚前に手を出すことも叶わず、悶々と過ごす日々が続く。
そんな時に現れたのがカミラだ。
清楚なミーナと違い、カミラは妖艶な美しさを放っていた。
身寄りがなく遠い親戚であるコリンの両親を頼って、伯爵家の館にやってきたという。
調べると血筋も確からしいし、不思議と両親と打ち解けるのも早かった。そのため彼女を養女として館に住まわせることになる。
その数日後の夜。コリンの部屋に肌着のみを身につけたカミラがやって来た。
「こんばんは。私はコリン様を慕っております」
「そんな格好で……それに、私には、ミーナが——」
言いかけたコリンの唇を、カミラの唇が塞ぐ。
驚くコリンを前に、カミラは胸元を大きくはだけ、薄黒い聖女の証を見せた。
「私にも……ほら、聖女の証が」
なんだ、ミーナ以外にも聖女がいるではないか。コリンは思う。
義妹ではなく、女として見ていたカミラが目の前に現れると、コリンは自らの欲望を彼女にぶつけた。
嬲るようにカミラを抱く。まるで、それができないミーナの代わりというように。
「わ……私はいったい何を……」
結局、行為の後に出た言葉は、後悔をしたフリに過ぎない。自らの欲望を、まるで過ちだったとしたいだけの、勝手な振る舞い。
「後悔などしてはいけませんわ。私が正妻でいいではありませんか。どうせ、あの女は抵抗しないでしょう?」
「ああ……そうだな……」
カミラの瞳が青から金色に変化して輝いた。
その目に吸い寄せられるように、再び二つの影が一つになる。
聖堂の中央の部屋にある聖女の座。
そこにカミラがふんぞり返って座っている。まるで、ようやく手にした場所だと誇示するかのように。
コリンは彼女の姿を見つけ、足早に近づいていく。
「おはよう……ここにいたんだね。聖女の衣には着替えないのかい?」
「うん、そうね……この格好の方が布が少なくて動きやすいし」
「そうか……でも着替えた方が……」
「いいえ、この服の方が、聖女の証がよく見えるわ」
鮮やかな赤色で肌の露出が多い、まるでパーティーに出席するようなドレス。大きく胸元が見えるデザインのため、聖女の証と呼ばれる痣がよく見えた。
薄黒色の聖女の証は、コリンが初めて夜を共にしたときに見たものより濃くなっている。
聖女は同時期に複数存在し得ることは、古い歴史書にも記されている。
ただ、最終的に、本当の聖女の力を得る者はただ一人であること、そしてどうやら「白の聖女」と「黒の聖女」なるものがあるらしいことが分かっている。
しかし、それらがどんな役割を持つのか、どの歴史書にも記されていなかった。まるで何者かが削除したかのように、どこにも残ってはいないのだ。
「そ……うだな……じゃあ……そのまま……の格好で」
コリンの思考になにか別の者が入り込んでいるのか、言葉がおぼつかないことがあった。
カミラはその様子を見ても動じず、口元の笑みを絶やさなかった。
「ええ」
「……今日から本格的に聖女としての務めを……果たしてもらうわけだが……平気かな?」
聖堂の前には複数の馬車が並び、その日の「客」を連れてきていた。目当ては聖女による癒やしや悪魔払いだ。
今まではミーナが応対してきたことである。
「もちろん」
カミラは顔を上げ、自信たっぷりにコリンに言ったのだった。
「聖女殿はどちらかな?」
「いらっしゃいませ。こちらです」
太った中年の男が、入り口に控えている侍女に聞く。
その指にはたくさんの指輪が輝き、服もキラキラとやや下品な光を放っていた。
癒やしの間に案内されると、そこにいた女の顔を見て、その男は首をかしげる。
「おや、初めて見る顔だが、これはまた……。今日は君が癒やしてくれるのかね?」
「はじめまして。先代に代わり今日から私が担当させて頂きます。カミラと申します。お見知りおきを」
「……ふむ。まあ、病気が癒えるのであれば、誰でも良いが……。早く、癒やしておくれ」
「分かりました。どこが痛みますか?」
「腹が、少々張っておるのだ」
中年の男に見えないようにして、しかめっ面をするカミラ。
醜い肉塊を直視できない。仕方なく、目を背けながら腹に触れ、呪文を唱える。
「【傷治癒】!」
しかし……何も変化がない。それは当然のことだった。
太った中年男性の症状は、単純に不摂生による体調不良なのだから。
病気ではなく、単に食事の管理が出来ていないだけだ。
もちろん、ミーナはこういう事例も把握していた。
こんな場合は気分を落ち着かせるために香を焚き、食事に気をつけてくださいと伝え、治療は行っていなかった。
気分が落ち着くように話をし、時には歌を歌って心を癒やす。
それだけで、男は満足し、聖堂に多額の寄付をしていたのだ。
「……何も変わらないではないか……」
新聖女の治療を受けて、太った中年男性は不満を漏らした。
治療を受けたはずの男は、帰り際にコリンに詰め寄る。
「前の聖女殿はどこか? 新しい聖女ではまったく癒やされぬ。手際も雑で……会話も及ばず、かえってストレスが溜まったわ!」
「ま、まだ慣れておりませぬゆえ」
「御託はいい。前の聖女殿を呼んでくれ!」
「もうおりませぬ。罪を犯したため、追放いたしました」
「なんと……あれほどの力を持った聖女殿を追い出したのか。愚かなことを」
その日の「客」の感想は、どれも同じようなものだった。寄付額も当然少なくなっていた。
散財が続く両親の小遣いを稼ぐためにも、客は減らしたくない。
にもかかわらず、誰も彼も、まともに金を置いていかず、ミーナを出せとの不満をコリンにぶつけてくる。
会話だけが目的でやってきた者もいた。
精神の癒やしをもミーナは司っていたのだった。
彼女の笑顔を見て会話を交わすだけで救われた気分になる者も多くいた。
それは、決して聖女の力だけではない、ミーナ特有の真の力。
聖女の務めにまったく興味が無かったコリンが知る由も無かった。
「カミラ、クレームが結構……来ていて……丁寧に務めを果たすことは……できないかい?」
もう少しなんとかならないかカミラに聞くコリンだったが……。
「そんな……一生懸命やっているのに。私だって聖女ですわ」
カミラも心身共に疲れていて、どうにもならない様子だった。
二人とも、どうしてこうなったのか理解が出来ない。
散々な一日が終わり、肩を落とし一人で自室に戻るコリンの姿があった。
ミーナを追い出したときに比べ覇気が無く、顔も青ざめている。
「クソっ。なぜこんなことに……。ミーナがいた時はこんな事なかったのに、なぜ……。いったい、どうしたらいいんだ……?」
逃げ出したい。コリンは、今の状況が辛くて、涙を流す。
しかし、自身の因果応報などと考えはしなかった。
もちろん、事態はこの程度で収まるわけがない。
破滅への足音が近づいていることを、コリンが知る由も無かった。
コリンが目覚めると、共に眠ったはずのカミラの姿が見えないことに気付く。
気ままな彼女のことだ……やっと手に入れたこの聖堂の散歩でもしているのだろうと、コリンは思った。
情熱的な一晩を過ごしたためか、やや体が重い。
ここは元々、ミーナが生活していた部屋だ。
天蓋があるものの装飾があまりない作りのベッド。
部屋の中はほとんど何も無い。ミーナは何も望まなかったのだ。
一日中癒やしやら悪魔払いをしたあと、ここで眠るだけの生活をしていたことが分かる。
「ミーナ……私は追い出してしまったのか」
自分の口から出て行けと言ったのにも関わらず、コリンは強烈な喪失感を抱いていた——。
初めてミーナに会ったときはとても可愛らしい女の子だと思った。この子が妻になるなら悪くない。
婚約破棄をされた傷物だと聞いていたが、その予想を覆す美貌にコリンの心は躍ったものだ。
覇気が無く、両親やコリンが言うことに殆ど刃向かわない。
そんな従順な性格であることが分かると、今度はミーナを都合のいい女だと思い始める。
コリンは、王家に婚約破棄されたとは言え、聖女であるため王家の監視があるのではと考えていた。
案の定、彼女を近くに呼び寄せるために聖堂を建てると、そこに王家付きの侍女を派遣すると口を出してきた。
ぞんざいな扱いはできない。結婚前に手を出すことも叶わず、悶々と過ごす日々が続く。
そんな時に現れたのがカミラだ。
清楚なミーナと違い、カミラは妖艶な美しさを放っていた。
身寄りがなく遠い親戚であるコリンの両親を頼って、伯爵家の館にやってきたという。
調べると血筋も確からしいし、不思議と両親と打ち解けるのも早かった。そのため彼女を養女として館に住まわせることになる。
その数日後の夜。コリンの部屋に肌着のみを身につけたカミラがやって来た。
「こんばんは。私はコリン様を慕っております」
「そんな格好で……それに、私には、ミーナが——」
言いかけたコリンの唇を、カミラの唇が塞ぐ。
驚くコリンを前に、カミラは胸元を大きくはだけ、薄黒い聖女の証を見せた。
「私にも……ほら、聖女の証が」
なんだ、ミーナ以外にも聖女がいるではないか。コリンは思う。
義妹ではなく、女として見ていたカミラが目の前に現れると、コリンは自らの欲望を彼女にぶつけた。
嬲るようにカミラを抱く。まるで、それができないミーナの代わりというように。
「わ……私はいったい何を……」
結局、行為の後に出た言葉は、後悔をしたフリに過ぎない。自らの欲望を、まるで過ちだったとしたいだけの、勝手な振る舞い。
「後悔などしてはいけませんわ。私が正妻でいいではありませんか。どうせ、あの女は抵抗しないでしょう?」
「ああ……そうだな……」
カミラの瞳が青から金色に変化して輝いた。
その目に吸い寄せられるように、再び二つの影が一つになる。
聖堂の中央の部屋にある聖女の座。
そこにカミラがふんぞり返って座っている。まるで、ようやく手にした場所だと誇示するかのように。
コリンは彼女の姿を見つけ、足早に近づいていく。
「おはよう……ここにいたんだね。聖女の衣には着替えないのかい?」
「うん、そうね……この格好の方が布が少なくて動きやすいし」
「そうか……でも着替えた方が……」
「いいえ、この服の方が、聖女の証がよく見えるわ」
鮮やかな赤色で肌の露出が多い、まるでパーティーに出席するようなドレス。大きく胸元が見えるデザインのため、聖女の証と呼ばれる痣がよく見えた。
薄黒色の聖女の証は、コリンが初めて夜を共にしたときに見たものより濃くなっている。
聖女は同時期に複数存在し得ることは、古い歴史書にも記されている。
ただ、最終的に、本当の聖女の力を得る者はただ一人であること、そしてどうやら「白の聖女」と「黒の聖女」なるものがあるらしいことが分かっている。
しかし、それらがどんな役割を持つのか、どの歴史書にも記されていなかった。まるで何者かが削除したかのように、どこにも残ってはいないのだ。
「そ……うだな……じゃあ……そのまま……の格好で」
コリンの思考になにか別の者が入り込んでいるのか、言葉がおぼつかないことがあった。
カミラはその様子を見ても動じず、口元の笑みを絶やさなかった。
「ええ」
「……今日から本格的に聖女としての務めを……果たしてもらうわけだが……平気かな?」
聖堂の前には複数の馬車が並び、その日の「客」を連れてきていた。目当ては聖女による癒やしや悪魔払いだ。
今まではミーナが応対してきたことである。
「もちろん」
カミラは顔を上げ、自信たっぷりにコリンに言ったのだった。
「聖女殿はどちらかな?」
「いらっしゃいませ。こちらです」
太った中年の男が、入り口に控えている侍女に聞く。
その指にはたくさんの指輪が輝き、服もキラキラとやや下品な光を放っていた。
癒やしの間に案内されると、そこにいた女の顔を見て、その男は首をかしげる。
「おや、初めて見る顔だが、これはまた……。今日は君が癒やしてくれるのかね?」
「はじめまして。先代に代わり今日から私が担当させて頂きます。カミラと申します。お見知りおきを」
「……ふむ。まあ、病気が癒えるのであれば、誰でも良いが……。早く、癒やしておくれ」
「分かりました。どこが痛みますか?」
「腹が、少々張っておるのだ」
中年の男に見えないようにして、しかめっ面をするカミラ。
醜い肉塊を直視できない。仕方なく、目を背けながら腹に触れ、呪文を唱える。
「【傷治癒】!」
しかし……何も変化がない。それは当然のことだった。
太った中年男性の症状は、単純に不摂生による体調不良なのだから。
病気ではなく、単に食事の管理が出来ていないだけだ。
もちろん、ミーナはこういう事例も把握していた。
こんな場合は気分を落ち着かせるために香を焚き、食事に気をつけてくださいと伝え、治療は行っていなかった。
気分が落ち着くように話をし、時には歌を歌って心を癒やす。
それだけで、男は満足し、聖堂に多額の寄付をしていたのだ。
「……何も変わらないではないか……」
新聖女の治療を受けて、太った中年男性は不満を漏らした。
治療を受けたはずの男は、帰り際にコリンに詰め寄る。
「前の聖女殿はどこか? 新しい聖女ではまったく癒やされぬ。手際も雑で……会話も及ばず、かえってストレスが溜まったわ!」
「ま、まだ慣れておりませぬゆえ」
「御託はいい。前の聖女殿を呼んでくれ!」
「もうおりませぬ。罪を犯したため、追放いたしました」
「なんと……あれほどの力を持った聖女殿を追い出したのか。愚かなことを」
その日の「客」の感想は、どれも同じようなものだった。寄付額も当然少なくなっていた。
散財が続く両親の小遣いを稼ぐためにも、客は減らしたくない。
にもかかわらず、誰も彼も、まともに金を置いていかず、ミーナを出せとの不満をコリンにぶつけてくる。
会話だけが目的でやってきた者もいた。
精神の癒やしをもミーナは司っていたのだった。
彼女の笑顔を見て会話を交わすだけで救われた気分になる者も多くいた。
それは、決して聖女の力だけではない、ミーナ特有の真の力。
聖女の務めにまったく興味が無かったコリンが知る由も無かった。
「カミラ、クレームが結構……来ていて……丁寧に務めを果たすことは……できないかい?」
もう少しなんとかならないかカミラに聞くコリンだったが……。
「そんな……一生懸命やっているのに。私だって聖女ですわ」
カミラも心身共に疲れていて、どうにもならない様子だった。
二人とも、どうしてこうなったのか理解が出来ない。
散々な一日が終わり、肩を落とし一人で自室に戻るコリンの姿があった。
ミーナを追い出したときに比べ覇気が無く、顔も青ざめている。
「クソっ。なぜこんなことに……。ミーナがいた時はこんな事なかったのに、なぜ……。いったい、どうしたらいいんだ……?」
逃げ出したい。コリンは、今の状況が辛くて、涙を流す。
しかし、自身の因果応報などと考えはしなかった。
もちろん、事態はこの程度で収まるわけがない。
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