上 下
28 / 215

日曜日前編

しおりを挟む
ーーーーーーーーーー
名前 ウィル
性別 男
年齢15
誕生日2月1日

LV.16

HP.158(+7)
VIT.139(+7)
INT.70(+4)
CRI.75(+4)
STR.110(9)
DEF.86(+5)
MND.52(+3)
DEX.52(2)
AGI.124(+4)
MP.54(+10)
LUK.61(+1)


ジョブ【見習い戦士LV16】
サブジョブ【見習い武闘家1】

スキル【身体強化9】【観察10】【投擲2】【ダッシュ7】【剛力4】【見切り4】【採取2】【採掘4】

パッシブスキル【魔力操作】【集中】

職業スキル【スラッシュ】【早斬り】【チャージ】【兜割り】    【魔力拳】


装備

フォレストキャットのリング
鉄の長剣  (STR+2)
見習い冒険者の服
見習い冒険者のズボン
見習い冒険者の靴

称号
【フィリアの心の友】【森のクマさん討伐隊】【モブの敵】
ーーーーーーーーーー
説明

【魔力拳】 両手に魔力を集め攻撃する
【モブの敵】
    一定時間内にモブを大量に倒したものに送られる称号
    モブに対する攻撃力が1.2倍


ーーーーーーーーーーーーーーーー

 今日は日曜日。

「よっと。おっまた釣れた!」
「おっ、やるなぁ。俺も負けてられん!」

 僕らは釣りをしていた。

 この世界の釣りはリアルで、それでいて、とても楽しいものだった。今日は大物の予感がする……。

 ……時間は遡る。

「ねぇ。お兄ちゃん本当に行かないの?」
「うん。やめとこうかな。食材の買い出しとか色々やっておきたいし」
「そっかぁ。じゃあ私達の出番は無さそうね。残念だけど留守番よろしくね」
「じゃあお兄ちゃん。また夜ね!」
「「行ってきまぁす」」
「行ってらっしゃい。おばさんに迷惑かけんなよ!」

 ガチャン……。

 ふぅ。助かった。

 アレにまきこまれたら死にかねないからな。

 携帯が鳴る。メールみたいだ。

「タスケテ。ニゲキレナイミタイダ。」

 おじさんからのメールを見て苦笑し、「ドンマイ、ボクニハドオスルコトモデキナイ。」と送っておく。

 そう。今日はユイ、姉さん、千紗、香織さん、おばさんの5人での恒例の買い物だ。勿論SP付きで。実は学校のときなども遠巻きにSPはいる。因みに僕らの家の両側の家は山下家のSP及び秘書などの仕事兼待機場だ。

 話を戻す。

 5人は良く一日中買い物に出掛ける。朝早くから出かけて夜帰ってくる。ほとんど休まずだ。男からしたらこの時間は何もできず、ただ振り回される。買い物中の女性は森のクマさんより手強い。
 まぁ女性たちの買い物に付き合えるのは変態だけだ。彼女とかならしも、姉妹や幼馴染家族ともなれば。それに好きで付き合いたいのは変態だと僕は思っている。

 僕は皆との買い物をした時のことを思い返す……。

「お兄ちゃんどっちが似合う??」
「うーん。どっちも似合うけどどちらかというとこっちかなぁ」
「だよねぇ!流石お兄ちゃん!でも高いから買わないんだ!」

 なら、なぜ聞いた?

「やーちゃんこのデザインどお思う?」
「んー。いいんじゃない?」
「そっかぁ。でもなんかしっくりこないのよねぇ」

 なら、なぜ聞いた?

「ん。弥生、このバッグどう?」
「少し派手だけど大人っぽくみえるよ」
「そう。ありがとう。じゃあこっちは?」
「いいんじゃない?清楚なお嬢様って感じて」
「そう?嬉しい。ありがとう。でもこのブランドあんまり好きじゃないからいいや」

 なら、何故入った?

「弥生。このブランドどう思う?」
「確かパリが本社のブランドだよね?キャリアウーマンとか似合いそうかな」
「そうね。ちゃんと勉強してるわね。ただこの場合のどう思う?は私に私に似合うかしら?が隠れているの。もっと女心をわかるようになりなさい。あっあとこれ持って」

 イエス、マム!!

「ねぇねぇ弥生君!これどおかしら?オバさんには少し若すぎるかしら?」
「そんな事ないよ?おばさん綺麗だし似合うってるよ?」
「あらうれしい!そうかしら!でもあっちも気になって……あら店員さん!これなんだけど……あらやだぁ。姉妹だなんて!私はこの子の未来のお母さんなの!そうそう。うちの娘がね……」

 店員さんはマシンガントークを始めたおばさんに困り、こっちに助けを求めるような眼を向けてくる。店員さん。ボクニハドオスルコトモデキナイョ。ガンバレ。あと僕男ね?


 上記のが一日中続く。終わらない会話。終わらない買い物。終わらない荷物持ち。終わらない待機時間。答えのない質問…。

 これが永遠と続くのだ。

 永遠と。

 エーイエンに。

 永っ遠と。

 あぁ。永遠と……。

 ……永遠とは一体なんなのだろう。僕は買い物中よく人生について考える。

 思い出しただけで気が遠くなっていく。

 ただ一つだけ救いがあるとすれば、一週間以上前には買い物に行くという情報を得ておじさんと共有する。そしてこの日に合わせて外せない用事を作る。僕は買い出しや家事といえば大体逃げられる。

 この日のために冷蔵庫もほぼ空にしておいた。

 しかしこの日おじさんは致命的なミスをした。忘れてたのだ。後で聞いた話では、焦って咄嗟に「足がダルいしからいい」と適当に答えたため「あら、それは運動不足よ。なら買い物に付き合いなさい。いい運動になるわよ。」と鶴の一言でおじさんの運命が決まった。

 哀れなり。


 さてさて、だがほんとうに家事をしなければならないのでまずは朝のタイムセールへ行く。その後風呂掃除や洗濯などをした辺りで雨が降ってきた。

 梅雨の始まりだな。

 午前中には家事が終わり、1人なので簡単なインスタントラーメン。たまに食べると美味しく感じるのは何故だろう。

 今日の夕食はジィジの家で山下家と一緒にご飯だ。夕方には行けばいいからまだ時間があるな。

 さて……。

「ダイブイン」

 ダイブするとすぐにタクからのフレンド通話がはいる。

「どうした?」
「おう!今から予定あるか?」
「今からクエストを受けに行く予定だけど?」
「まじか。ん?今1人か?ならとりあえず合流しようぜ!すぐいくわ!」

 ここか?とは聞けずに切られる。
 相変わらず勝手なやつだ。

 とりあえず広場で待つ。

「おう!お待たせ!」

 オリバー、リタ、ライリー、フランジェシカがこちらに走ってくる。

「あれ?フランジェシカもいるんだ」
「もちろん。二人のイチャイチャする姿を見逃したくないからね」
「何言ってんのよ。タクはそんな人じゃないわよ」
「僕も違うからな」
「もう。世界平和のためなのに……」
「僕はそんな世界いやだなぁ」

 僕も嫌だなぁ。

「そんなことより一人は珍しいな」
「ああ。他は買い物だ」
「おっ。ってことはうまくやったんだな?」
「ああ。だがおじさんは捕まったけどな」
「あはは!おじさんんは相変わらずわきが甘いねぇ」
「ところでみんなはどうしたんだ?」
「あぁ。クマさんを倒したんだがお前と同じで武器が壊れちゃったんだよ」
「そういうこと。昨日あなたたちが鉱石を沢山とってきてくれたおかげで私たちも武器を作ってもらうことになったのよ」
「つまりはその間暇なんだぁ!そしたらウィルがダイブしてきたからついていこうとしたの!!」
「私は素材がなくなっちゃったから」

「なるほどな。つまりは暇なんだな?」
「「「「暇」」」

 ということで五人でパーティを組む。

 因みに昨日鉱石は売れるだけ売った。そして見つけた金の塊はギルドで10万Gで売れた。あそこは昔金山だったらしいがもうほとんどとりつくされてしまった。が、たまにこうやって見つかるそうだ。どの世界でも人は金が大好きらしい。

 そして今までのモンスター討伐数に森のクマさん、鉱石の売却によりランクがDになった。

 所持金も186500Gとなった。
 鉱石は不足していたそうで通常より高めで売れた。

 僕らの武器は今晩、オリバーたちの武器は明日になるそうだ。

「これから釣りクエストを受けようと思うんだけどいいか?」
「お前が釣り?珍しいな」
「まぁな。昨日鉱石採掘が思いのほか楽しくてな。せっかくだしリアルでできないことをやろうと思ってな」
「へぇ。なんかいいわねそういうの」
「だねー!僕もそういう考え好きだよ!」
「そうね。確かにせっかくのもう一つの人生だしね」

「クエストに関しては調べてあるのか?」
「ああ。でもその前にジンのとこよっていいか?」
「「「「じん?」」」」」

とりあえず僕らはジンの所に行くことにした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

処理中です...