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プロローグ、ペンは剣よりも強し編

昇級試験。

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 3人と1匹はシルガモレル帝が言った石板の台座を囲んでいた。石板の台座を横にずらした3人がその下に保管されている15センチ四方の小さな箱を見つけた。

「コニーが好きそうなものか~?なんだろうね~?」

 美裸に聞かれたコニーが元気良く声を上げる。

「コニー、おかしがいい!!おかし、いちばんすき!!」
「いや~、お菓子はないでしょ(笑)?古代からある物だからお菓子だと腐っちゃうし(笑)」
「まぁ、取り敢えず開けて見ますか(笑)?何が出るかな~♪何が出るかな~♪」

 美裸が歌い出したので、コニーもそれを真似て歌い始める。

「なにがでるかな~♪なにがでるかな~♪」

 エリスが小さな箱を拾い上げて開く。3人の目に入ったのは、黒に黄色い稲妻の様なデザインの小さなミスリル製のナックルガードだった。

「…ほほぅ、名前は『雷轟らいごう』。雷属性のナックルガードか。小さいからコニーにぴったりだね~」

 エリスに雷轟を渡されたコニーが躊躇う事無く左手に装備してみる。

「…おかし、ちがう。けどこれ、かっこいい!!」

 コニーが気に入ったので二人は雷轟をコニーに持たせる事にした。美裸のレベルは71になった。エリスはレベル32、コニーのレベルは66、だいふくはレベル25になっていた。

 遺跡修復と戦闘を終えた3人と1匹は報告の為にギルドへと戻った。



「…確かに確認した。完全再現かどうかはともかく、ほぼ元に戻っていると言って良いだろう…」

 信頼出来る男、ヒューガーからの報告にギルドマスター、ガルロは唸る事しか出来なかった。

「…うぅむ、そうか…」

 ガルロは美裸達が遺跡修復に向かった後、密かにヒューガーに3人の調査を依頼した。

 若い頃からガルロと共に、ギルドを引っ張ってきた男である。

 ギルドに所属するヒューガー・ロイドはレベル61のSランクハンターである。ギルドで長く経験を積んできたヒューガーなら気配を消して3人の調査をする事など容易いだろうと依頼をしたのである。

「…アレは…美裸だったか?アイツの能力は今まで見て来たスキルの範疇を超えているぞ?」

 それから、といいつつ報告を続けるヒューガー。

「あのちっこいお嬢ちゃんなんだが、オーラが子供のそれじゃない。しかも結構強力なゴーストをボコボコにしてたな…」
「…他ならぬお前が言うんだ。信じ難いが信じざるを得ないようだな…」
「…あぁ、そうだな。俺も目を疑ったよ。長年、能力者を見て来たがあの2人は別格だろう…。唯一、エリスの嬢ちゃんだけはまともだがな(笑)!!」

 そう言って笑うヒューガーの前で、ガルロは苦虫を噛み潰したような表情だ。まさか本当に遺跡を完全修復するとは思っていなかった。人間の能力の限界を考えれば当然の事である。

 どうせ遺跡の石を積み上げて、くっ付ける程度の事だろうと軽く見ていたガルロは、ギルドのハンター情報があながちデタラメではないと感じた。

「…例のハンターランクの件、よくよく考えてやるんだな。上位ランカーが増えれば俺の労力も減るってもんだ(笑)」

 そう言ってギルドマスターの部屋を出て行くヒューガー。

「…下で待ってるからな?先に吞んでるぞ?」
 
 そう言うと、ギルド併設の飲食スペースで酒を呑むべく、階下に降りて行った。



 美裸は、報告後のガルロがやけに落ち着いている事に、違和感を覚えた。遺跡完全修復など、普通ならかなり驚く様な事だ。その時、美裸は調査されていた事を確信した。

 闘技場内でスキルに『サーチ』が付いた時、スキルの右上にミニレーダーが出来た。そこに光点が映っていたのだ。

 闘技場内に隠れる場所などなかった。という事はおそらく隠れるスキルで美裸達に付かず離れずで様子を見ていたのだろう。

「…美裸だったか。認めてやる。遺跡修復を確認した。今回の事前調査で何か見付けたモノがあれば下のカウンターで報告と一緒に出しといてくれ…」

 難しい顔でそう言ったガルロに、エリスが問い掛ける。

「あの~、マスター。わたし達3人のランクアップの件、どうなりましたか?」

 問われたガルロは、暫く腕を組んで考えた後、口を開いた。

「…俺はお前達の実力を直接、見た訳じゃない。実力を伴っていないランクアップ程、危険なものはない。そこの所をよく考えて答えろ…」

 一呼吸、間を置いたガルロが、話を続ける。

「本当にお前達はランクを上げたいのか?それに見合った実力がある、と確信を持って言えるか…?」

 そう問われてエリスは美裸を見る。

「…えぇ、ありますよ(笑)?この話を持ち掛けたのはわたしですからね~」
「コニー、だいじょうぶ。らんくあげたい」

 自信満々の二人に遅れて、エリスも慌てて返事をした。

「…わ、わたしもランクアップ、お願いします…」

 3人の言葉に深く頷いたガルロは、3枚の書類を出す。それぞれに1枚づつ渡して言う。

「これはランク昇級試験の誓約書だ。Bランク以上は退治になるからな?『敗け』、イコール『死』の可能性を意味する。心して掛かれ!!」

 その言葉に、焦るエリス。慌てて美裸の耳元で、ひそひそと話す。

「…美裸、どうしよう?昇級試験があるって考えてなかったんだけど…。しかも退治って…大丈夫かな…?」
「こういう時のパターンとしては大体、退治だからね~。しかも今回は飛び級だし当然だよね~。わたしは既に想定済みですけど~(笑)」

 エリスは、続くガルロの言葉に絶望した。

「個人ランクアップだからPTで退治じゃなくて、ソロで退治だからな?」
「…ホントに…?あぁ、詰んだわぁぁ…」

 退治指示書の内容を見もせずに、天を仰いで絶望するエリスの書類を見る美裸。

「…エリス。ちゃんと内容見て(笑)!!コボルトの群れ50体よ(笑)?今のエリスならこんなの楽勝だと思うけど~(笑)?」
「…えッ!?コボルト?…ってどんなヤツ?」
「小柄で2足歩行の犬のモンスターだけど(笑)?エリス、コボルト知らなかったの(笑)?」

 そう聞いて考えるエリス。エリスはファンタジー世界は良く知らなかったが、美裸の説明でなんとなくイメージが沸いた。

「…あぁ、それなら行けるかもね…たぶん…」

 軽く応えるエリスに、ガルロが忠告する。

「コボルトは単体だとそうでもないが集団になると厄介なヤツらだ。囲まれないように常に動きに注意しろ。1か所に留まるなよ?囲まれたら終わりだからな?」
「…はい。解りました!!」

 続けて退治するモンスターの説明をするガルロ。

「コニーのお嬢ちゃんは『ケルベロス』だ。地獄の番犬って呼ばれてるヤツだな。注意点は足の鋭い爪、頑強で何でも噛み砕く牙、そして口から灼熱の炎を出す。正面からの攻撃は避けて常に側面か背後に周って攻撃するんだ。良いな?」
「わかった、コニー、いぬ、ぼかんしてくる」

 最後に、美裸が退治する『イビルロード』について説明するガルロ。

「イビルロードは悪霊が集合体になって巨大化したヤツだ。3年前に古代戦場から出て来たヤツでかなり強力な怨念を持ってる。当時のSランクハンターの祓い師がその命と引き換えに『ある場所』に封印している。今回はそれを完全に消滅させろ!!良いな!?」
「はーい、取り敢えずやってみます~(笑)!!」

 軽く返事をする美裸に、エリスは心配になった。低級の怨霊を昇天させたのは遺跡調査の時に見たが、今回はアンデッドの中でも上級に入るゴースト系モンスターだ。

 美裸の力を信じてるとはいえ、エリスは不安を隠せなかった。今回の昇級は見送るべきか悩むエリスの前で、美裸は退治誓約書にサインしていた。

 ここまで来ると、もう引くに引けなかった…。



 翌日の早朝。3人と1匹は王都西門前にいた。

「皆さん。初めまして。ギルドの監視員のランス・サーベイルです…ぐぅ」

 3人と1匹の前で自己紹介をする、茶髪でボサボサ頭の眠そうな目をした男、ランスは三角のトラベルツアーの旗を持ち、半分眠っていた。

「…ではこれより、エリスPTの昇級試験退治ツアーに参りますのでよろしくお願いします…ぐぅ…」

 その目の前で美裸をチラッと見たエリスが言う。

「…この人、ちょいちょい寝てるけど、大丈夫かな…?」
「…さぁ(笑)?わたし達の案内役だから、別に寝てても良いんじゃない(笑)?」

 二人が話をする前で、コニーにズボンの裾を引っ張られたランスがハッとして起きる。

「…ぁ、いや、スイマセン。僕、慢性的な寝不足なモノでして…取り敢えずまずは説明をさせて頂きます…」

 そう言うと、ランスは眠そうに目を擦りながら説明を始めた。

「わたしが皆さんを現場へ案内します。退治はそれぞれ担当するメンバーが単独で行って下さい。尚、相談や事前準備等は始める前にお願いします。退治を始めた後は、他のPTメンバーはギルドの規定により、一切の助言、手伝いなどは出来ませんのでご了承下さい…」

 続けて説明するランス。

「今回のスケージュールは、まず手近な『コボルト退治』から参ります。コボルトの群れはここから西へ行った廃村跡に住み付いています。交易馬車襲撃等の情報もあり、早急に退治が必要です…」

 ランスの説明を、ふむふむと真面目に聞いているエリス。

「では、出発前の確認を行います。お弁当は持ちましたか~?」
「は~い、持ってまーす(笑)!!」

 元気良く答える美裸。このPTでは荷物持ちは美裸が担当していた。全て縮小してポケットに纏めて入るからだ。

「おやつは300ゴールドまでですよ?ちゃんと持って来てますか~?」
「はい先生!!バナナはおやつに入りますか~(笑)?」
「…う~ん、バナナは…ギリ、セーフとしましょう。ではお茶か水、ちゃんと水筒に入れて持って来てますか~?」
「はいはーい先生!!ちょっと濁った白い水でも良いですか~(笑)?」
「…ちょっと濁った白い水ですか…う~ん、それも…ギリ、セーフとします!!」

 (…何なんだ!!このやり取りはッ!?)

 ランスと美裸の二人の遣り取りを見たエリスは心の中で激しく突っ込んだ。

「しかし美裸さんしか返事がないのですが、他のお二人は食料など大丈夫ですか?」

 ランスの心配に、エリスが答えた。

「全て美裸が一括管理しているので大丈夫です!!」

 そう言われて、ランスは美裸を見た。

 特にバッグ、鞄等は持っていない…。

「アイテムボックス持ちですか?それともスキル?どちらにしても羨ましい限りです…」

 そう言ったランスは、背中に大き目のバックパックを背負っていた。

 出発前の確認が終わったランスと美裸達は、コボルトが住み着いているという廃村跡へと向かった。



「おぉ~、わんさかいますな~(笑)」

 美裸達は廃村跡から少し離れた場所で、対象を確認した。コボルト50数体である。コボルト達は人間から奪った物であろう軽い鎧と剣、盾等を持っている。

 中には弓や槍を持っているようなヤツもいた。コボルトをその視界に収めた美裸がランスに確認を取る。

「コボルトの情報とかは伝えても大丈夫ですかね~?」
「えぇ、よろしいですよ?後、攻略法や物品の受け渡しも今のうちに終わらせて下さい。退治が始まると一切の助言、手伝いは禁止ですからね?」

 その言葉を受けて、美裸はまずエリスにコボルトの情報を伝える。

「コボルト成体、レベル13前後。回復支援等の役割をする者は無し。まずは物陰から弓を持ったヤツを狙撃するのがセオリーかな…」
「…解かった。やってみる…」

 美裸の説明を聞いていたエリスは緊張気味だ。なんせ単独退治など初めてだからだ。そんなエリスに、美裸がポケットから弓を出して渡す。

「…エリス、まだ装備買えてないでしょ?コレ、武器屋で見付けて買っといた。効果は良く解らないけど使ってみて…(笑)」

 そう言って渡されたのは『キャノンエクスプロード』と名の付いた弓だった。美裸の説明の最後の笑いの意味が良く解らなかったが、エリスはありがたく受け取った。

 それからと言いつつ、ハンカチに包まれていた『ベノムスティンガー』を取り出す。皮の鞘に収めつつ、美裸はこれもエリスに渡した。

「これは知ってるよね?猛毒付きのタガーよ。この退治が終わればランクが上がるからね。これからはより強力な武器を持っていないとキツくなってくると思う…だから一応、これも持っといて…」

 猛毒付きとか怖すぎるエリスだったが、美裸の言う通りなのでそこは素直に受け取った。

「…じゃ、行ってくるね。出来るだけ早く終わらせるから…」
「えりす、あせる、だめ。よくみてたおす」
「コニーの言う通りよ?急がなくていいからね~。ここでゆっくりおやつでも食べながら待ってるから(笑)!!」

 二人の言葉に、頷くエリス。

「…ではこれより、エリス・オルディナの昇級の為の単独退治試験を始める事にします。よろしいですね?」

 ランスに聞かれたエリスは、強く頷いた。

「…では始めて下さいっ!!」

 その号令と共に、エリスは弓を構えたまま、素早い動きで物陰から物陰へと移動する。ある程度接近した所で、コボルト弓兵を確認した。

「…コボルト弓兵、10体確認。わたしなら出来るッ!!行くよッ!!」

 強く呟いたエリスが矢を放つ。その矢は炎を纏うと一気にコボルト弓兵の頭部に突き刺さった。その瞬間、コボルト弓兵を中心に、廃村跡にいるコボルト全てを巻き込んで、炎が大爆発を起こした。

 コボルトの群れを全員巻き込んだ火炎は全てを焼き尽くして灰にした後、スッと消えた。エリスはそれを見て暫くの間、立ち尽くしていた…。

「…は(笑)?ナニコレ(笑)?」
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