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お前だったのかあぁぁぁ!!
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『しかし、今の話を聞いて、そなたの『気配』が最初と変わった理由が知れたわい』
なるほどなるほど、と一人納得している精霊氏。
その一言が引っかかったのは言うまでもない。
と、言うことで問い詰めまーす☆
精霊氏、洞窟の中で大樹に刺さってたことで、大樹に同調してたんだと。そうする事で、大樹が根を張り巡らせてる範囲の様子を知る事が出来るんだそうな。この範囲はとても広く、『魔の森』の約半分くらいはカバー出来てるらしい。…そもそも、『魔の森』の広さがよくわかってないけどな…。
まぁいいや。それで、他の精霊がやって来たり、変質した魔素溜まりが出来たりといった『異変』をいち早く察知してたんだって。
だから、私がこの『森』に来たことにも、すぐに気づいたそうだ。
私は、いきなりそこへ現れたらしい。血塗れで。
『あの時はたまげたぞ。一瞬ではあったがとんでもない『力』を感じたかと思えば、死体(仮)が降ってきたんだからな』
どこから…誰が落としたのかもわからない子どもの骸(仮)。そりゃビビるわ。
マジで、碌なことせんな、あの女神。
『息があるかどうかなど、調べもせなんだ。あれ程の出血だ。どうせ早晩獣の餌となり地へと戻るであろう、と思うてそのままにしたのだ』
ごもっともなご意見で。
『だが…どのくらいの日数が過ぎた後かは覚えておらぬが…そなたは息を吹き返したのだ』
《わぉ、すごい根性。死霊っぽいっスねー》
「駄竜は黙っとれ」
その後も、ウロウロする私を定期的に視ていたそうな。
え、助けろよ、と思ったが、よく考えたら助ける訳ないよな。
だって、『私』は『人間』だったのだから。
『いつの間にやら傷は消え失せ…あちこち何かを探し回る姿に戦慄したわい…』
『精霊』たちを、狩る種族。
そりゃぁ、助けるハズもないし、恐怖を感じるのも仕方な…
『危ないと思って、『ヒト族』なら確実に逝くはずの実を近くに配置したりしたものよ』
「お前かあぁぁぁ! お前のせいだったのかあぁぁぁっ!!」
私の、人としての尊厳をぶち壊してくれたのはコイツでした。勝手に食べたのは私? 聞こえんな。空腹極限状態の子どもに何を求めているんだ?
なにはともあれ、はい、シメまーす☆
『…確実に…こことは違う世界が見えたぞ…』
どうやら綺麗な世界が見えたようですね☆
程々でやめた私、エライ。
《わぉ鬼畜ぅ》
「お前も『違う世界』が見たいのか?」
《サーセンっしたぁぁ!!》
本当、この駄竜は要らん事しか言わんな。
『話を戻すが…要は、そなたのことはここへ来た時から見ていた、と言うことだ』
「オッケー了解。そりゃまぁそうだよね。天敵の『ヒト族』がテリトリーに入り込んだんだから。いくら子どもといえども、害なす存在なら排除しよう、ってことでしょ?」
『うむ、その通り。まぁ、あの実ですら何の足枷にもならんかったようだがな』
いや、尊厳失うほどのダメージ受けましたけど?
『…で、だ。そなたが初めてこの森へやってきた時…そなたに『魔力』は無かった』
「そーなの? と言うか、魔力感じ取れるんや」
『我らは言ってみれば『エネルギー体』のようなモノだからな。他のモノの『生命力』といった、いわゆる『エネルギー』になるモノを感じ取ることができる』
なるほどー。
「ん? となると、いくら『ヒト族』だからって、お宅らに害なせる程の力はないってわかったんじゃないの?」
『まぁ、確かに幼な子である事と、魔力などの力技でどうこうされる心配はしておらなんだ。無理だろうからな。そうではなく…『繋ぎ役』なんじゃないかと警戒しておったのよ』
「『繋ぎ』? 誰との?」
『誰か、なぞはわかる訳あるまい。ただ、お主が我らを見つけ、それを誰かに『連絡』するんじゃないかと思うたのよ』
「…? 何で?」
『…お主…気づいておらんのか…? そなたのその瞳は…』
…ちょっと、設定盛り沢山すぎませんかね…?
『なるほど、何一つ覚えておらんのか』
「まーね。この身体の記憶はひとっつもないのよー」
私のこの瞳、やっぱ特殊なモンだったかー…。要らんフラグ立てたわー…。
精霊の血を引く証である『精霊眼』。
精霊の姿を視る事ができる、この瞳を持った者が、精霊を捕らえに『魔の森』へ幾度もやって来たそうだ。
大半は魔獣にやられて精霊たちの所までたどり着くことはなかったが、時折強い力を持つ者が大樹の元までやってくる事があった。
『我らも死に物狂いよ。それに、ここは我らのテリトリー。早々遅れをとることは無いし、何より…』
…陽炎みたいに薄らぼんやりしてるせいであんまり表情とかわかんないんだけど…間違いなく悪い顔してるわ。めっちゃ悪人顔してるわ。間違いなく。
兵糧攻めは聞いたことあるけど…ヤバい兵糧提供するのは何て言うんだろうね…?
『後始末は面倒だで、そなたの生活しておる洞窟に皆集めておいたわ』
「本っ当お前ふざけんなよ?!」
めっちゃ洗ったけど、パンツはご利用しちゃったんですよねえぇぇぇ!!!
この後、『お腹壊すで済むのは私だけで、普通は中毒死する』と言ったお兄さんの言葉を思い出すまで延々陽炎野郎をシメていた。そうね、アレ食べたからって尊厳損なう事になったって訳じゃ無いのよね。
あ、安心してください。結晶化はしてませんよ☆
なるほどなるほど、と一人納得している精霊氏。
その一言が引っかかったのは言うまでもない。
と、言うことで問い詰めまーす☆
精霊氏、洞窟の中で大樹に刺さってたことで、大樹に同調してたんだと。そうする事で、大樹が根を張り巡らせてる範囲の様子を知る事が出来るんだそうな。この範囲はとても広く、『魔の森』の約半分くらいはカバー出来てるらしい。…そもそも、『魔の森』の広さがよくわかってないけどな…。
まぁいいや。それで、他の精霊がやって来たり、変質した魔素溜まりが出来たりといった『異変』をいち早く察知してたんだって。
だから、私がこの『森』に来たことにも、すぐに気づいたそうだ。
私は、いきなりそこへ現れたらしい。血塗れで。
『あの時はたまげたぞ。一瞬ではあったがとんでもない『力』を感じたかと思えば、死体(仮)が降ってきたんだからな』
どこから…誰が落としたのかもわからない子どもの骸(仮)。そりゃビビるわ。
マジで、碌なことせんな、あの女神。
『息があるかどうかなど、調べもせなんだ。あれ程の出血だ。どうせ早晩獣の餌となり地へと戻るであろう、と思うてそのままにしたのだ』
ごもっともなご意見で。
『だが…どのくらいの日数が過ぎた後かは覚えておらぬが…そなたは息を吹き返したのだ』
《わぉ、すごい根性。死霊っぽいっスねー》
「駄竜は黙っとれ」
その後も、ウロウロする私を定期的に視ていたそうな。
え、助けろよ、と思ったが、よく考えたら助ける訳ないよな。
だって、『私』は『人間』だったのだから。
『いつの間にやら傷は消え失せ…あちこち何かを探し回る姿に戦慄したわい…』
『精霊』たちを、狩る種族。
そりゃぁ、助けるハズもないし、恐怖を感じるのも仕方な…
『危ないと思って、『ヒト族』なら確実に逝くはずの実を近くに配置したりしたものよ』
「お前かあぁぁぁ! お前のせいだったのかあぁぁぁっ!!」
私の、人としての尊厳をぶち壊してくれたのはコイツでした。勝手に食べたのは私? 聞こえんな。空腹極限状態の子どもに何を求めているんだ?
なにはともあれ、はい、シメまーす☆
『…確実に…こことは違う世界が見えたぞ…』
どうやら綺麗な世界が見えたようですね☆
程々でやめた私、エライ。
《わぉ鬼畜ぅ》
「お前も『違う世界』が見たいのか?」
《サーセンっしたぁぁ!!》
本当、この駄竜は要らん事しか言わんな。
『話を戻すが…要は、そなたのことはここへ来た時から見ていた、と言うことだ』
「オッケー了解。そりゃまぁそうだよね。天敵の『ヒト族』がテリトリーに入り込んだんだから。いくら子どもといえども、害なす存在なら排除しよう、ってことでしょ?」
『うむ、その通り。まぁ、あの実ですら何の足枷にもならんかったようだがな』
いや、尊厳失うほどのダメージ受けましたけど?
『…で、だ。そなたが初めてこの森へやってきた時…そなたに『魔力』は無かった』
「そーなの? と言うか、魔力感じ取れるんや」
『我らは言ってみれば『エネルギー体』のようなモノだからな。他のモノの『生命力』といった、いわゆる『エネルギー』になるモノを感じ取ることができる』
なるほどー。
「ん? となると、いくら『ヒト族』だからって、お宅らに害なせる程の力はないってわかったんじゃないの?」
『まぁ、確かに幼な子である事と、魔力などの力技でどうこうされる心配はしておらなんだ。無理だろうからな。そうではなく…『繋ぎ役』なんじゃないかと警戒しておったのよ』
「『繋ぎ』? 誰との?」
『誰か、なぞはわかる訳あるまい。ただ、お主が我らを見つけ、それを誰かに『連絡』するんじゃないかと思うたのよ』
「…? 何で?」
『…お主…気づいておらんのか…? そなたのその瞳は…』
…ちょっと、設定盛り沢山すぎませんかね…?
『なるほど、何一つ覚えておらんのか』
「まーね。この身体の記憶はひとっつもないのよー」
私のこの瞳、やっぱ特殊なモンだったかー…。要らんフラグ立てたわー…。
精霊の血を引く証である『精霊眼』。
精霊の姿を視る事ができる、この瞳を持った者が、精霊を捕らえに『魔の森』へ幾度もやって来たそうだ。
大半は魔獣にやられて精霊たちの所までたどり着くことはなかったが、時折強い力を持つ者が大樹の元までやってくる事があった。
『我らも死に物狂いよ。それに、ここは我らのテリトリー。早々遅れをとることは無いし、何より…』
…陽炎みたいに薄らぼんやりしてるせいであんまり表情とかわかんないんだけど…間違いなく悪い顔してるわ。めっちゃ悪人顔してるわ。間違いなく。
兵糧攻めは聞いたことあるけど…ヤバい兵糧提供するのは何て言うんだろうね…?
『後始末は面倒だで、そなたの生活しておる洞窟に皆集めておいたわ』
「本っ当お前ふざけんなよ?!」
めっちゃ洗ったけど、パンツはご利用しちゃったんですよねえぇぇぇ!!!
この後、『お腹壊すで済むのは私だけで、普通は中毒死する』と言ったお兄さんの言葉を思い出すまで延々陽炎野郎をシメていた。そうね、アレ食べたからって尊厳損なう事になったって訳じゃ無いのよね。
あ、安心してください。結晶化はしてませんよ☆
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