他人の人生押し付けられたけど自由に生きます

鳥類

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やらかしながら進むのが人生だ

ラスボスは暴走しがちだよね

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 はー、ちょびっとだけスッキリしたわぁ。まだ言い足りないけど。
 でも、頭から湯気出そうなほど顔真っ赤にしてプルプル震えてるからちょっと一旦様子見です。後20秒このままなら第二弾行きますヨ☆

「…っんじゃないわよ…」

 おぉ、15秒経過時点で喋りました。チッ。

「ふざけんじゃないわよおぉぉぉぉっ!!!」

 突然のシャウトです。

「いや、こっちのセリフだし。ふざけてんのは徹頭徹尾お前ぇだわ」

 ちなみに私も負けません。あっ、チベスナくんがへたり込んでしまいました。そこら辺多分危ないですよ。何かめっちゃ頭抱えてますけど大丈夫ですかね。

「私は! 特別なの! 頑張らなくたって何でも出来るし、手に入るはずなの! あんたさえ…あんたさえ居なければ…何一つ問題なく、手に入れられて…」

 『楽』に、生きられるハズなの!!

 ブワッと奴の手元から青い焔が立ち上る。
 それは見る間に幾つもの火の球となり彼女の周りに浮かぶ。


「わぁお…どっかで聞いたセリフだわぁ…」


 イレギュラーな事態だからと言って、記憶を引き継いでいないハズなのに…魂にまで染み付いてんのかその残念思考は…。そういやあいつ消滅待った無しだったね…。

「何にしても…今回はこっちもちゃんと対策して来てるからね…」

 身内に巡る魔力を足元の影にも伝え、広げていく。

 ギラついた目が私に向けられる。何か知らんがめちゃくそキレ散らかしてんな…。いや、キレたいの私ですけども?

 奴の細い腕が振り上げられ…

「燃えちゃえぇぇぇ!!!」

 いくつもの火の球が私に向かって突き進んでくるーーー

「黒影障壁」

 キン、と高い音を立てて黒い壁が私の前に現れ…炎の球を飲み込んだ。
 おぉ、割とドキドキだったけど上手くいったわ。
 多分普通の影で壁を作るだけじゃあの炎には勝てない。
 あいつが『赤』の属性持ちと知った時点で私なりの対応策を模索していた。

 いや、会わなきゃ問題なかったんだけどな…なんか知らんが突っかかって来るんだもん…。本当迷惑…。

 …で。

「どーよ、お兄さま! コレ最強じゃね?! これならお兄さまとアルくんのお仕置き氷攻撃も怖くないね!」

 ドヤ顔をお兄さま達が隠れている辺りへ向ける。
 新技は基本的に身内にお披露目自慢しますよ!
 ちなみにイメージはブラックホールです。何でも飲み込むよ☆(ただし取り出し不可(笑))

 おぉ、お兄さまが必死こいて『後ろ、後ろ!』ってジェスチャーしてる。うん、わかってる、何かすんごい禍々しい感じがするわぁ…。
 ゆっくり振り向いたら…

 怒髪天を衝いてました☆

 ついでにさっき以上に火の球が…。思ったより魔力多いな。

「…んで…何で、何で、何で何で!!」

 めちゃくちゃなタイミングで飛んでくる火の球。そして私以外の所にも飛んでいく。ノーコンかよ。
 と言うか、怒りすぎて我を失ってる…って、何か居たな、そう言うイキモノ…。眼が赤くなってる感じですかね!

「ちょっと! ちゃんと狙えよ! 関係ないところが燃えたらどーすんだ!!」

 流石に黒影障壁を大量に出せる程の魔力は無いため、影鞭で叩き消すが限界はある。

「大丈夫だノア! 周りの火は俺らがどうにかする!」

 ありがとう兄と弟!
 着弾箇所から燃え広がるのを二人の魔法水流が消火していく。


「どうして思い通りにいかないの! 私は…私はっ!!」

「そんなん知ったこっちゃねぇわ」


 奴の足元を影で固定する。ついでに両腕も。

「やっ…やだ何これ?! ちょっと、あんたがやってんでしょ?! 外しなさいよ! 何で! 何でこんな…あんた『無色』の『無能』のハズ…!」

「いや別に、私は自分の事『無色』だとか、『属性魔法が使えない』とか、言ったこと一回も無いけど?」

 奴が驚きに目を見開く。





「ーーーまぁ、『黒』だと言ったことも無いけどね☆」

 ついでに、バリバリ使いこなしてますけど何か?☆
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