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やらかしながら進むのが人生だ

面倒事には関わりたく無いでござる

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 テンションマックスで会得した『技』を試しまくる王子。協力という名目で一緒に遊ぶ兄弟&ナイスミドル。いつの間にか参戦しているパパンとおじいちゃんその3氏。

 …楽しそうデスネ。

 特にトーレじぃは部屋に入ってきた時に何か顔色悪かったのに、『白魔法』見た瞬間めっちゃ暴走し始めたよね。王子タジタジになるほど質問攻めにしたもんね。止めないけど。
 生ぬるい視線を野郎どもに向ける私にお茶のおかわりを差し出すセバスチャンさんは優しい笑みで彼らを見ている。孫の成長を見守るおじいちゃんかな?

 持ち上げたカップの中にある綺麗な飴色の水面に、無表情の私の顔が映る。
 楽しそうな…嬉しそうな明るい声音が響く室内で、私は静かにお茶を飲み干したーーー






 さっき…私は嘘をついた。

 いや、嘘…とまでは言わないが…敢えて、伝えなかった部分がある。

 『魔法に干渉する魔法』と言うのは本当だ。

 傷周りに残っていた魔力が私の影バンドに干渉していた。ただ、『傷を治す』と言うイメージのモノだったため、特に変化はしなかったが。

 次いで…『伝えなかった部分』だが…それは…『発動した魔法を元の魔力に戻す』と言うモノだ。
 実は、『白魔法』の『干渉』する力はそれだけじゃ無い。恐らく…

 発動した魔法そのものを、己のモノとする事が出来る。

 『魔法そのもの』に『干渉』出来るのだ。当然、『消す』だけじゃ無く、『乗っ取る』事が出来るだろう。
 こちらへ向けて発動・行使された『技』に干渉すれば、術者自身へ向ける事も可能だろうし、その形を変える事すら出来るかもしれない。

 そう、イメージする事さえ出来れば。

 正に、『魔法師が治める国』の頂点に立つ者のみが扱える、最強の魔法だろう。

 究極、もし魔法だけでなく、他人の魔力にも干渉出来るとしたら…そして、『イメージする力』と『高い魔力』を持てたとしたら…それはとても恐ろしい魔法だと言える。

 この世界の住人は、誰しも『魔力』を持っているのだから。

 体内に巡る魔力にすら干渉されたとしたら…身体強化は解除されるだろうし、もしかしたら洗脳的な事すら出来てしまうかもしれない。

 コレは、私が『便利な世界の記憶』を持っているからこそ考えついた事だ。基本的に私のような『記憶持ち』は居ないはずだし、浄化・消滅前の人が居たとしても、この国の王族で、白魔法発現者として生まれる可能性は低いだろう。


 だから…私はこの『白魔法の可能性』を墓まで持っていく。誰にも言わない。伝えない。


 私が考えついた『使用法』に比べたら、毒にも薬にもならない『魔法を消す魔法』だって、魔法師から見たら脅威になる。だから、恐らくこの事実のみが『白魔法』として今後伝えられていくだろう。
 わざわざ『それ以上』を求める必要は無いハズだし、絶対的に重要な『イメージ力』を持つ人間は居ないだろう。


 それに、そもそも私は『王家』を信用していないし、忠誠を誓ってもいない。


 王子は少々鬱陶しいが悪い人間じゃ無い事は分かっている。
 だが、国王は別だ。
 お父さまにあのお花畑くそババァをあてがった恨みは忘れない。まぁそのゴタゴタが無いと私生まれてないけども。でもそれとこれとは話が別なんですー。
 すでに権力トップにいるんだから、これ以上自国民に対する要らん力までつけさせる必要ないもんね。


 だから、お口ミッ○ィーちゃんです!





 後日、『白魔法』についての噂とかが綺麗さっぱり無くなった。
 あれ? 私頑張ったんだけど。公表とかしないんや? 私の苦労、何だったんだよ…。いや、面倒ごとに巻き込まれずに済んだのは良かったけどさ…。

 …ちょっとモヤる…(苦笑)
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